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ある夏の夜の出来事

これは、ある夏の夜に起こった出来事です。


少し帰りが遅くなったその日、朝に干していた洗濯物を取り込み、
お風呂を済ませた僕
ふと天井を見上げると、

ヤツ

がいました。

ヤツ。。。
うん、そうだな、敬意を払い

Gと呼ぼう




Gは何食わぬ顔でそこにいた



お、お落ち着け僕!!

まず大事なことは敵を知ることだ。
幸い、反抗的な行動をするわけでもなく、Gはあぐらをかいてやがる。

スマホを手に取り、対処方法を調べる。
Gとは1匹見たら、30匹いると聞くが、くるぶし(僕)調べによると
30匹というのは小さいGの場合らしく、今回の彼はなかなか大きい。

大きいGは旅人

という情報を入手。


★★★★★★

★★★★★★


僕「ほうほうほう、君はガリバーってわけかい。
あれかな?人ん家に勝手に上がりこむのが、君のマナーなのかな?
そんなこと誰に教わったのかな?」

G「。。。。。。。。。。。。」

なんてヤツだ。
無言かつ、微動だにしないことで僕に圧力をかけてやがる。

僕「まあ、よその家の子にマナーについてとやかく言うのもあれだ。
野暮だ。
何はともあれ、死んでくれないか?」

G「。。。。。。。。。。。。。。。。。。。」

相変わらず無言かつ微動だにしないG

僕「オーケーオーケー、今から殺してやる!!」

震えながら掃除機を近づける。

殴り殺してやりてえところだが、

Gは踏み潰したりするとその瞬間に卵を産み付けるらしい。

何やってくれんだよ!!!!!!

勝手に人ん家で生命の誕生なんて感動的なことするなよ。

恐怖で涙が出てくるじゃないか

僕「た、頼むからこっちに歯向かってくるなよ。。。
掃除機でサクッと吸われちゃってくれよ。。。」

もはや、風呂に入ったのが無駄なくらい汗だくな僕

ジリジリと間合いを詰め、ついに掃除機で吸った。

僕「やった!!!!!!!」

無事にGとの死闘を終えた一息つく僕。

しかし、ふとあることを思い出した。

掃除機でG吸うとバラバラになると言う話を

僕「え?嘘?バラバラのGの死体かき回すの?」

僕が使用している武器(東芝製)


吸ったゴミは直接、手でかきださないといけない。

僕「え?嘘?マジ?
思い切って掃除機ごと捨てる?
卵とか産まれてたりしたら困るぜ?」

30分くらい悩んだ僕。

意を決して掃除機を開ける。




そしてすぐに締めた。

僕「い、生きてる。。。。」

掃除機で吸うとバラバラになると言う話が嘘だったのか、
単に一人暮らし用の掃除機だから吸引力の問題なのか知らないが、

Gは生きていた。


僕「え?マジで掃除機ごと捨てる?
こいつを今一度、部屋に解き放すの?」

汗だくになりながら必死に考える僕。

いや、Gに対して情けないと思うけど、

本当にでかいのよ。

怖いのよ。

思わずオネエみたいな喋り方になるのよ。


僕「よし、掃除機を開けて、すぐにトイレで流せばいけるはずだ。
この作戦でいくしかない。やるしかない」

精神統一をして、掃除機を開ける。


瞬間、

全てがスローモーション

掃除機から便器に落ちるG

トイレのレバーに近い手を伸ばし、レバーをひねる僕

渦を巻き流れ出す水

流れに抗い、若干泳ぐG

恐怖でおののく僕。

僕「何、泳いでくれてんだよ!!!!」


ヒステリックな僕。

少しずつ少なくてなっていく、水。

少しずつ小さくなっていく、G。

流れ切った水。

すかさず2度目のレバーをひねる僕。

なんどもなんども

僕はレバーをひいた。

もういいか?

もういいか?

何度も自問自答した

もういいか?

10回くらいはレバーを引いただろうか。

水の流れる音もやみ、部屋は静かになった。

汗だくの僕がいた。

確かな勝利を噛み締めながら、

武者震いが止まらなかった。

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