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説明資料は“求職者用”になっていますか? ~人材採用に絶対必要な視点は求職者目線~

社会保険労務士の山地です。

前回に続き、今回も福祉施設さんが合同企業説明会に出展する際に注意したい点についてお話します。

これまで合同企業説明会というものに一度も出展したことがない、ある児童発達支援施設を事前訪問したときのことです。

児童発達支援施設とは、障害のある未就学のお子さんが定期的に通って自立するのに必要な技能や知識などの習得、日常生活に必要な基本動作や集団生活に順応していくためのコミュニケーショントレーニングなどを行う施設です。

特設サイトに掲載する資料や会場内に設置する相談ブースの装飾のほか、当日の流れ等についてひととおりご説明したところで、求職者に説明する資料はどのようなものを使用される予定かをおたずねしました。

募集するのは主に保育士です。保育士を希望する人の多くは保育園を主な就職先として考える傾向にあり、児童発達支援施設の仕事の内容をよく理解していない人もいます。

「これです」と提示された資料を拝見すると、そこにはお子さんが施設に登園してきてから降園するまでの間にどのようなことをして過ごすのかがわかるように、時系列にまとめられていました。

私は「これの求職者バージョンがほしいです」と、言いました。
園長先生は一瞬、?? 状態でした。(笑)

「これはおそらく保護者の方に向けて、お子さんがここで一日どう過ごされるのか、どんな訓練や支援が受けられるのかがわかるように書かれていますね。拝見すればおおよそのことはわかるのですが、働く人は具体的に何をするのか一日の仕事の流れがわかるほうがいいです」

すると園長先生は、「あ~、そういうことですね!!」と理解されました。

これは児童発達支援施設に限ったことではありません。高齢者施設や障害者施設でも多くの中小規模の事業所は施設案内パンフレットを用いて説明しているケースが多いのですが、それは施設への入所(利用)希望者に向けて作成されたものであって、働く人向けの内容になっていません。

働く人向けであれば経営理念をはじめとして、職種ごとの仕事の内容(一日の流れ)やキャリアアップ、福利厚生、先輩職員の声など、求職者が知りたい内容になっていないとあまり意味がありません。

施設案内は印刷業者さんに依頼して作成されたとおぼしき冊子であることが多いのですが、そこまで同じように作ろうと思うと時間もコストもかかるでしょう。できる範囲内で簡単なものでもいいので、ぜひ求職者向けに作成していただきたいと思います。

人材採用の要はあくまでも求職者目線であることをお忘れなく。(^_-)-☆


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