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22歳。大学生。スキルなし。実績なし。僕の武器は何だろう。


あの山の頂上から見える景色はどんなものなのだろうか。そこに興味はない。

あの山にはどんな登り方があるのだろうか。そこに興味がある。


就職を辞めるという決断をしてから約8ヶ月、休学してから3ヶ月が経った。
元々三歩先すら見えないような状況で走り出してはいたが、ウイルスに阻まれて一歩先まで見えなくなった。
オンラインでもできることはあるのではないか、と色々試した。
確かにできることは沢山あったし、中には明確に誰かの役に立てることもあった。
これからの人生をどう生き抜くのか、考え、考え、考える。
今はそんな時間なのだと思った。そしてそれは間違いではなかった。

でも楽しくはなかった。

スキルがない状態で走り出したが故に、何か興味が湧く課題を見つけてきては、それを解決するアイデアを考えるという作業の繰り返しだった。
いつかお金に繋がるような、食べていけるようなコトが見つかるまで行動しながら学び続けるしかないのだと思っていたし、実際に仕事をしたりもした。
オンラインがあったからこそ知り合うことができた人もいた。
これからの時代に何かを仕掛けていく上でオンラインは重要であり、今の状況だからこそのプロジェクトの回し方や収益の生み出し方など、ほんの入り口に過ぎないが勉強できた。

でも楽しくはなかった。

地方に関わる仕事がしたいと一年以上言い続けて、その中でも自分が足を踏み入れることができると感じたのは「関係人口」というキーワードだった。だから、「この町の関係人口を増やしたい。」という発言を様々な場所でしてきた。
すると何度かこんな質問をされた。
本当は何がやりたいの?」と。
いやいや、関係人口を増やす取り組みがしたいんだと言っているじゃないか。
でも、今になってわかった。
「この町が大好きで、大好きで、毎日のように身に染みて感じる町の人の魅力や自然の魅力をどうしても町の外の人に伝えたいんだ。」
これが関係人口を増やそうと企む者の心であるべきだろう。いや、そもそも関係人口を増やそう、という走り出し方が正しいのかに疑問は残るが。

この数ヶ月間の活動はずっと胸を張れなかった。けど、自分のライブだけは胸を張れた。
上手い下手に関係なく、自分が本当に歌いたいと思った曲をライブで歌う。目の前で聴いてくれる人に届け、って本気で思っていたりもする

これが僕なりの正解なのだと気づいた。

自分の中で湧き上がってくるワクワクした感情は、言葉や声の高さ、表情、呼吸の速さ、色々な部分に現れる。
感情は目には見えないが、感情はそういった面において目に見えるものと考えることができる。
僕はワクワクした感情が欠けたまま、「いいこと」ばかり言っていた。
こんな僕がヒトを相手に何か動きを起こそうとしたり、巻き込もうとしたところで上手くいくわけがない。
本気になれていない感情が必ず伝わるはずだから。

ふと、色んな人が周りで協力してくれて、色んなことが次々と巻き起こって。そんな僕が強かった、本気だった時について考えた。

クラウドファンディングを使うという発想すらなかった大学3年生の頃、イベントの開催費55万円を1週間で集めた。
とにかく札幌の企業にアポ無し訪問して、企画の説明をして、スポンサーになってくださいとお願いした。その1週間はご飯を食べる暇がないほど、必死だった。
気づいたら応援してくれる人が増えていた。

札幌から京都まで0円で旅をした時。「路上で歌って、いただく投げ銭だけで旅をしています。今まで路上ライブなんて一度もしたことなかったけど、こんな自分でも何か一つ本気になればできるんだって証明したい。」って話を曲と曲の間でしていた。
気づいたら旅をするには十分な投げ銭が毎回集まっていた。

応援者を増やす仕組みを知ること、作ることはもちろん大切だ。
でも核となるのはどこまでいっても「人の思い」であり、仕組みというものはこの思いを誰かに伝えやすくする装置に過ぎない。
気づいたら周りに人が集まっている。これが本質だ。本物だ。
ワクワクが止まらない程の思いがあれば、他の人には真似できないエネルギーを生み出し、周りの人が不思議とそれに反応する。
差別化なんて、アイデアで図るものではなくて、人で図るものだ。僕はそう信じたい。


そして、出会った。
何でかわからないけど、この人たちとなら生きていける気がする。
ワクワクし続けられる。
生きていくためのお金をこの場所からどう生み出していこうかって本気になれる。
生まれて初めてそう感じた。
だから、移住して自分たちの場を作ることを決めた。
物件があって、好きになれる景色があって、何より一緒にやりたいと思える人がいる。
この思いは誰にも代えられないものだし、これから僕が戦っていく上での唯一の武器なのだと思う。

やっぱり自分は場作りがしたい。世の中がこの状況だから無理だ、なんて言葉は関係ない。こんな状況の中でもやれることを考えればいい。そう思う。


まだ物件しか決まっていない。他は何も決まっていないけど、ここに来てよかった、って記事を数ヶ月後には書いている気がする。




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