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【ゲムマ2024春】【ネタバレなしレビュー】バレンタイン・シャッフル2【マーダーミステリー】

こんにちは。するめです。
バレンタイン、友チョコのイメージが強い。中高時代、バレンタインの日に友チョコを100個くらい作って校内の人と物々交換しまくっていたため。
他の同級生たちも同じ考えだったので、休み時間はトレイにチョコを敷き詰めて廊下に並んで、それをお互いバイキングのようにぱくついていました。
もちろん駄菓子の持ち込みは校則で禁止です。

「校則で駄菓子の持ち込みは禁止」というのを逆手に取り、仲のいい先生にチョコの没収をお願いしにいく同級生もよく見かけました。その後どうなったかは、あんまり興味がないため覚えておらんのですが…。

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★シナリオ概要★

マーダーミステリー「バレンタイン・シャッフル2」
プレイヤー人数:最大5名/おひとり様から遊べます
プレイ時間:約3時間
舞台:現代日本
料金:1,500円/GAME(発売記念価格)
備考1:GMレス。
     今回はプレイヤー2名・作者GMにて遊びました。
備考2:
Boothで販売しているシナリオを1人~5人プレイできるようにリメイクしてパッケージ化された商品です。
     途中スマホを使って音声を聞く場面があります(プレイヤーの読み上げも可)。

備考3:

ゲームマーケット2024(2024.4.27-28)M40ブース マダミステリ屋で新発売!!!!

詳しくはこちら


ここは私立タケノコ学園高等学校。
地区でもカッコイイと評判の制服の学校だ。
私立キノコ学園(前作バレンタイ・シャッフルの舞台)のすぐ隣にある。

2019年2月14日木曜日
タケノコ学園の生徒は卒業さえできれば、私立タケ大学にエスカレーター方式で入学できる。 高校3年生は、他の大学受験対応で登校してくる人も少ない。授業もほぼ自習だ。 この日3-Aクラスに登校してきた生徒は4人。 通称『T4(ティーフォー)』の、仲のいい四人だ。 なんだか皆ソワソワしている。そこへ副担任の先生が入ってきた。

先生「お前たち学校に変な物持ってきてないだろうな。今から荷物検査をするである。」

4人とも素直にカバンを先生に差し出した。

先生「制服の上着(ブレザー)ポケットも調べるから脱いで渡すである。」

4人ともシブシブと制服の上着(ブレザー)を脱いで渡した。 先生が1着のブレザーの胸ポケットから小さな封筒を取り出した。

先生「なんだ?この小さな封筒は?他の上着にもあるみたいであるな。」
生徒「おい!何するんだ!」
生徒「職権乱用だぜ!」
生徒「ねえ!先生の上着の胸ポケットにも小さな封筒が見えるよ!」
生徒「先生の小さな封筒も、とりあげましょう!」

5人が上着と封筒を取り合っているうちに、5つの上着から1つずつ小さな封筒が床に落ちて混ざって(シャッフルして)しまった。なぜか5つともまったく同じ封筒だ。 どの封筒が誰の上着(ブレザー)から出てきたものなのか、わからなくなってしまった。 まるで嵐のような出来事だった。 『封筒シャッフル事件』が発生してしまった。 それぞれが顔を見合わせる。
皆で議論・推理して、無事大事な封筒と中身を回収しよう。

「バレンタイン・シャッフル2」BOOTHページより引用

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作者のむらっちさんによるGMで遊びました。
シナリオ導入、笑っちゃうんですよね。導入でこんな堂々と職権乱用する先生いるか?手紙を渡すほうであれ受け取るほうであれ、とにかくそっとしたれと思ってしまうのは老婆心だからでしょうか?先生の手紙はおもちゃにしても…ええか… そっとしておこうね!

ちなみに作品タイトルに「2」の文字があるだけあって、「1」もあります。本作品(2の方)は手紙をシャッフル、「1」はチョコをシャッフルしています。
私は「1」は未プレイでしたが、BOOTHページに記載の通り、特に問題なく遊べました。前作と今作の大きな違いとしては、「1」はキャラクターがっ女性4人・男性1人、「2」は全員男性という点のようです。どのキャラクターをRPしたいか、で作品選びをするのも楽しいかもしれません。
また前作・今作ともに人は死にません。

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レビュー感想。

問題作。主に倫理面で。

ゲームそのものはとても楽しかったです。
まず、大前提としてプレイヤーが協力するタイプのマダミスです。
ゲームの流れとしては、前半でキャラクターとしての推理フェイズを行った後、後半でメタ視点からの推理を広げることとなります。視点の切り替えにより、「この時こういうことをしていたのはこういう意図があったのか!」のアハ体験ができるのがとても気持ち良いゲームでした。
私は音声有Verでプレイしましたが、声優さんの聞き取りやすい声によりシナリオの理解が深まりました。音声有、オススメです。

ゲーム・推理部分だけでみるとむちゃ好き!よく練りこまれた謎でおもしれ~~~~~作者むらっちさんは天才!!となるんですが、ストーリー上のキャラクターの倫理感が主に恋愛面で迷子になっており、「こういう人身近にいるよね」という生々しさを感じてしまいました。人がよく死ぬ(追加で不倫とか窃盗とかもよく見る)マーダーミステリーというゲームで倫理を語るのもおかしな話ではありますが、恋愛関係で困った経験、たとえば好みでは無い異性にしつこく言い寄られた経験が自分や身近な人にあり、一笑に付すことが難しかったからです。
※念のため。性的描写、性行為描写、性的RPの強制等、性的部分での倫理観の欠如ではありません。

完走した感想としては(激うまギャグ)、ハッピーエンドでしたし全員が幸せになれる終わり方でした。
ネタバレに抵触するため詳細は言えませんが、作者むらっちさんを信じてください。むらっちさんを信じろ。
作者はストーリーに対する突っ込みも想定しながらゲームを作成しています。倫理的に危うい描写は多いですが、その描写をする理由がゲーム上には存在します。むらっちさんを信じろ。

総括として、推理ゲームとしてとてもクオリティが高く、真相さえ分かればストーリーもかなり納得のいく内容でした。が、真相が判明するまでの過程が倫理的にぶっ飛びすぎているという一点により、遊ぶメンバーによっては空気が凍りそうだなと強く感じました。
「一方的かつ立場を考えない(ように見える)恋愛」がNGな方にはおすすめできません。逆に、「現実と創作物の違いをはっきりと分ける」ことができる方は、ニヤッとできること請け合いです。純愛モノですので、初心な恋愛が見たい方にもおすすめ。

ロールプレイ重要度 ★☆☆☆☆
(★1: プレイヤーとして話しても問題なくゲームが進む。
★2: プレイヤーとして話しても問題ないが、一部キャラクターとしての思考・発言を求められる場面がある。
★3: キャラクターになりきって発言する必要がある。
★4: キャラクターの背景設定を深掘りし、その解釈を演技によって他プレイヤーに伝える必要がある。
★5: キャラクターの背景設定を深掘りした上で、ゲーム方針を左右する発言・意思決定を行う必要がある。)
→プレイヤーとして話しても進行には影響はありませんが、せっかくですのでゲーム前半部分ではキャラクターになりきってお話しましょう。進行には影響がないという点において、初心者の方がキャラクターになりきる練習にもなると思います。
ハンドアウト文章は読みやすく、簡潔ながら感情移入させるものがあります。

推理難易度 ★★★★☆
(★1: 推理いらない
★2: 重要そうな情報を覚えていればなんとかなる
★3: タイムラインの管理が必要
★4: タイムラインの管理に加え、ひらめきが必要
★5: 上記に加え、マダミスへの理解(経験値)も求められる)
→綿密なタイムライン管理が必要となってきます。プレイヤー間で協力し、一つの真相へ導きましょう。少し頭を悩ませることにはなるかと思いますが、落ち着いて精査すれば解ける範疇です。
遊ぶ際は、一緒に同梱されている回答用紙に頻繁に書き込みをするため、シャーペンや鉛筆での書き込みと消しゴムの用意をお勧めします。

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ストーリー、すごい尖っていて好きなノリではあるんですが、本当に人を選ぶ作品だと思います。全体的に恋愛的なベクトルの社会倫理が終わっており、そこを笑い飛ばせるかどうかが分水嶺です。上記にて色々書かせていただきましたが、「ゲーム内ストーリーはあくまでゲーム内の話である」ことを完全に割り切ることができれば、とても楽しい魅力的なゲームだと思います。何度も書きますが、作者むらっちさんは「これ本当にプレイしていて大丈夫?」の突っ込みも想定してゲームを作成されています。むらっちさんを信じろ。

むらっちさん、楽しい時間をありがとうございました!

おわり。


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