三編 柚菜

読んだ本や、その他小説に関することを自由気ままに綴っていこうと思います📚

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小匙の書室1 簡単な自己紹介

 本が好きだ。  正確には小説が、それも文芸やミステリが好きだ。  どうも、初めまして。  私、三編柚菜と申します。  本格的に読書を始めて、はや四年。  すっかり本棚に囲まれて最期を迎えたいと思うほど、本の世界にのめり込んでいます。  さて。  先述のとおり私は小説が好き、なのですが。  「好きだ」「好きだ」と餌に群がる鯉みたいに喚いていても、所詮は数多いる読者の一人の小さな声でしかないわけで。  それでも溢れてやまない気持ちを我慢できず、とうとうブログに手をつけるに

    • 小匙の書室169 4月の読書振り返り

       4月。  新年度が始まるひと月。  文壇では大きなイベントとして本屋大賞のある月。  ああ、桜が咲いているなあという感慨を特に抱くこともなく、私はひたすらに読書に明け暮れていました。  ここ最近は(以前にも記事に書いたことだけれど)読書スランプから脱出できて、今月は自分でも驚くほど読了することができました。  その冊数、23。総ページ数、7,000超え。  それでは簡単に振り返っていきましょう。  対怪異アンドロイド開発研究室/饗庭淵  小説を始め創作というのは、時代の

      • 小匙の書室168 ─ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹─

         生き死に、運命と縁。アルバイト先の殺戮。  様々な二面性が、僕を叩きのめす──。  〜はじまりに〜 西尾維新 著  ヒトクイマジカル 殺戮奇術の匂宮兄妹  戯言シリーズ第5弾。  「キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘」の発売を機にようやくシリーズを読み始め、なんだかんだ巻数としては6冊目を迎えました。  西尾維新先生といえば常同ではない文章が特徴で、デビュー作のクビキリサイクルなんてもうミステリとしてはもちろんのこと、軽快な展開運びが本当に面白いのです。  

        • 小匙の書室167 ─天久鷹央の事件カルテ 火焔の凶器─

           陰陽師の墓の調査に向かった大学教授らを襲う、原因不明の病と人体自然発火。  果たしてこれは、呪いなのか。それとも──。  〜はじまりに〜 知念実希人 著  天久鷹央の事件カルテ 火焔の凶器  現在刊行されているあめくシリーズの折り返しに至る一冊。ようやくここまでという思いと、もうここまで、という驚きが絡み合っています。  このシリーズは一度ハマったら抜け出せません。次はどんな謎がやってくるんだろう、次はどんなドラマが待っているのだろう、と私は積読を振り返りながら考えるの

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        小匙の書室1 簡単な自己紹介

          小匙の書室166 ─巴里マカロンの謎─

           小市民を志す小鳩と小佐内のもとに、どうしてもやってくる謎。  まずは、そう。いつの間にか増えたマカロンの謎から──。  〜はじまりに〜 米澤穂信 著  巴里マカロンの謎  小市民シリーズ第4作目(巻数だけでいえば5冊目)。  これまで「ミステリーズ!」(東京創元社)に掲載されていた三篇と、書き下ろしの一篇を加えた短編集となっています。  2009年刊行の『秋期限定栗きんとん事件』からなんと11年ぶりの刊行。私はつい最近シリーズを読み始めているのでそこにかかる感慨は薄めで

          小匙の書室166 ─巴里マカロンの謎─

          小匙の書室165 ─秋期限定栗きんとん事件 下─

           エスカレートする連続放火事件。セパレイトする日常。なんだかんだ僕、小鳩は小佐内さんと向き合っている気がする──。  〜はじまりに〜 米澤穂信 著  秋期限定栗きんとん事件 下  上巻についての感想は、ぜひ以下の記事よりご覧ください⇩  はてさて。〈小市民シリーズ〉最長である、栗きんとん事件。今のところ栗きんとんの要素は垣間見えていませんが、いったいどんな風にして姿を現すのでしょうねぇ。小佐内のことも気になります。  さて。長い前置きはこのくらいにして、早速ページを巡っ

          小匙の書室165 ─秋期限定栗きんとん事件 下─

          小匙の書室164 ─秋期限定栗きんとん事件 上─

           小市民の二人に“春”が訪れました。  連続放火事件と、きな臭い雰囲気を伴って──。  〜はじまりに〜 米澤穂信 著  秋期限定栗きんとん事件 上  4/30に〈小市民シリーズ〉最終巻、『冬期限定ボンボンショコラ事件』が刊行されます。  それに向けて(またアニメ化に併せて)ようやく積読から引っ張り出して読み始め,ここまで到着しました。  前回の衝撃的な結末からいったい小市民の二人がどんな日常を歩むこととなったのか。  見たいような,でも見たくないような。  しかも小鳩くん

          小匙の書室164 ─秋期限定栗きんとん事件 上─

          小匙の書室163 イクサガミ実写化

           ここ最近、小説原作の実写化をよく見かけます。  例えば映画であれば『法廷遊戯』(五十嵐律人 著)、『ある閉ざされた雪の山荘で』(東野圭吾 著)、『夜明けのすべて』(瀬尾まいこ 著)、『52ヘルツのクジラたち』(町田そのこ 著)、『四月になれば彼女は』(川村元気 著)などなど。  そして配信サービスであれば、『三体』(劉慈欣 著)、『十角館の殺人』(綾辻行人 著)、『余命一年の僕が、 余命半年の君と出会った話。』(森田碧 著)、『桜のような僕の恋人』(宇山佳佑 著)などなど

          小匙の書室163 イクサガミ実写化

          小匙の書室162 ─天久鷹央の事件カルテ 甦る殺人者─

           都内で発生する連続女性絞殺事件。  懸命な捜査により容疑者が浮上するも、その人物 は四年前に亡くなっていて──。  〜はじまりに〜 知念実希人 著  天久鷹央の事件カルテ 甦る殺人者  コツコツと〈あめくシリーズ〉を読み進め、そろそろ現時点での折り返しに差し掛かります。  私個人の意見として、『推理カルテ』はビュッフェ、『事件カルテ』はコース料理のような満足感を得ることができます。  まあつまりはどっちも好きってことですね。  今回はタイトルにもあるように『殺人者が甦る

          小匙の書室162 ─天久鷹央の事件カルテ 甦る殺人者─

          小匙の書室161 三島由紀夫賞候補作

           前回、山本周五郎賞の候補作品についての記事を上梓しました(そちらは是非,下記よりご覧ください)。  読書家を名乗るならば、自分が存在を知っていて且つ読了済みの作品が受賞する場合のある賞は取り上げるべきだろう、という思いから記事を書いております。  もちろん強制されているわけではありません。あくまでも私の好きなように記事を書く指針に基づいて、取り上げたいと考えた次第。  さて、山本周五郎賞と同じく新潮社で催される三島由紀夫賞。  こちらは純文学を対象とし、  の規定によ

          小匙の書室161 三島由紀夫賞候補作

          小匙の書室160 山本周五郎賞候補作品

           noteをはじめてから、小説に関する賞を──とりわけミステリーに関するものをメインに取り上げてきました。  鮎川哲也賞、黒猫ミステリー賞、横溝正史ミステリ&ホラー大賞、本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞……など。あとは直木賞と芥川賞、本屋大賞なんかも。  それらはnoteをはじめる前から着目していたこともあり、つまり私にとって非常に馴染み深く、記事を書きやすかったからです。  しかしせっかく読書家を名乗るなら。賞の名前は知っているけれど、あまり意識の俎上に乗せてこなかっ

          小匙の書室160 山本周五郎賞候補作品

          小匙の書室159 ─永劫館超連続殺人事件 魔女はXと死ぬことにした─

           その魔女と『道連れ』に、ヒースは死に戻る。すべては、愛する者の死を防ぐために。しかし魔の手は幾度も二人を嘲笑うかのように訪れて──。  〜はじまりに〜 南海遊 著  永劫館超連続殺人事件 魔女はXと死ぬことにした  SNSを巡回していたとき、私の目に飛び込んできた翠色の双眸。それはガラス玉を嵌めたように虚ろで、しかし何か強い意志を内に宿しているような──一度視線が交差すると離せなくなる力を感じました。  こちらを描いたのは『十角館の殺人』『Another』(綾辻行人 著

          小匙の書室159 ─永劫館超連続殺人事件 魔女はXと死ぬことにした─

          小匙の書室158 ─死霊魔術の容疑者─

           誰が反乱軍を鎮めたか。  調査を始めた騎士団は容疑者と目される屋敷の主の元へ向かうのだが、一人の少女と出会い──。  〜はじまりに〜 駄犬 著  死霊魔術の容疑者  『誰が勇者を殺したか』が話題沸騰中の駄犬先生。その待望の新作がこちら、『死霊魔術の容疑者』になります。  普段あまり手に取らないジャンル且つはじめてのレーベル様であり、「じゃあ何に興味を惹かれたのか」と問われたら、私が真っ先に差し出す答えはただ一つ。  装画を手掛けているのが遠田志帆さんなのです。  で,実

          小匙の書室158 ─死霊魔術の容疑者─

          小匙の書室157 横溝正史ミステリ&ホラー大賞発表

           1次通過作が発表されてからおよそ三ヶ月。  ついに4/17、横溝正史ミステリ&ホラー大賞の受賞作が発表されました!!  文芸にはたくさんの賞がありますけど、一読者としては選考過程もさることながら結果発表の時が一番ワクワクドキドキします。  特にここ最近は気になっている賞を一次選考から追っているわけですから、興奮も一入なのです!  さて、第44回横溝正史ミステリ&ホラー大賞ですが。改めて最終候補作の4作を振り返ってみましょう。  責/浅野皓生さん  死肉食む妻/雨宮

          小匙の書室157 横溝正史ミステリ&ホラー大賞発表

          小匙の書室156 ─天久鷹央の推理カルテV 神秘のセラピスト─

           突如として腐る体、永遠の若返り。  そんな奇想天外な『症状』に『診断』を下す統括診断部の元へ舞い込んだのは、奇蹟を起こす「預言者」の謎で──。  〜はじまりに〜 知念実希人 著  天久鷹央の推理カルテV 神秘のセラピスト  天久鷹央シリーズ、その推理カルテ5冊目。  今回もあらすじには怪しげな症状が羅列されています。  いわく──腐っていく体と若返りしていく体。そして、「預言者」に縋る母親。  きっと今回も、「いやいや、科学的に解けないだろうな……」と思っていることに対

          小匙の書室156 ─天久鷹央の推理カルテV 神秘のセラピスト─

          こんにちは。 皆様いかがお過ごしでしょうか。 私は本日、5月に発売される『死んだ山田と教室』(金子玲介 著)を読了しました。 こちら発売日までレビューは控えるのですが、奇抜な設定が面白い青春小説の傑作でした。 そして私のどタイプな文章だったのです✨ 発売が楽しみですね🔈

          こんにちは。 皆様いかがお過ごしでしょうか。 私は本日、5月に発売される『死んだ山田と教室』(金子玲介 著)を読了しました。 こちら発売日までレビューは控えるのですが、奇抜な設定が面白い青春小説の傑作でした。 そして私のどタイプな文章だったのです✨ 発売が楽しみですね🔈