駅伝と働く②駅伝の魅力

前回は駅伝の基礎知識というか、そもそもの前提についてお話しました。今回はその先に踏み込んで、②駅伝の魅力、私がなぜこんなにも夢中になって追いかけているかについてお話したいと思います。

②駅伝の魅力

<魅力1>持ちタイム順位≠区間順位

持ちタイムというのは各選手のベストタイム(5000m、10000m、ハーフマラソンなど)のことを指します。もちろん、このタイムは勝敗を考える参考になります。しかし、5000m、10000mのタイムは競技場のトラック(平坦で走りやすい)でのタイムであるため、駅伝のように、ロードと呼ばれる普通の道を走るときには、そのまま適応できません。???と思った方。箱根の坂道を思い出していただけないでしょうか。あれは極端な例ですが、ロードには坂道はつきもので、登り・下りそれぞれに適した走り方もあり、得意不得意も各選手あります。それだけでなく、広い道幅をいかに工夫して最短距離で進んでいくか、などの要素もあります。そのため、持ちタイムがそのまま区間順位に反映されることは多くはありません。(たまーに単純に記録会を走ってないだけでいつの持ちタイムだよ!みたいな人もいます。東海の舘澤とか。マニア)

<魅力2>その時々の状況が勝敗に影響する

駅伝にはその時々の状況を表すのに、様々な要素があります。個人のコンディションはもちろん、気温・風などの天候状況、走る相手(集団で走るか、誰と走るか、もしくは一人なのか)、順位・タイム差(前を追わないといけないのか、後ろから逃げないといけないのか)などなど…。気候にも選手の得意不得意がありますし、走るペース作りもそうです。順位・タイム差は、「勝つ」ために作戦をその時々で練っていく要素になるわけですが、1秒の意味合いも思っている以上に響いてくる(追いつけなかったり、1秒差の積み重ねが全区間では数秒差=数十メートルの差になったりする)のです。なので、めまぐるしく変わる状況が、勝敗に影響し、ハラハラドキドキする要素となりえます。

<魅力3>速さではなく強さ

持ちタイムの話もしかりですが、「速い」選手がいいと思われがちです。私はそれに「強さ」が加わってこそ、真に勝てる選手・チームになると思います。相手の様子から勝負するポイントを見極める判断力、最後の力を振り絞ってラストスパートする精神力などなど。色々な力(底力ともいいましょうか)を兼ね備えてこそ、強い選手となれるのだと思います。それを引き出すのもチームですし、日頃の練習の積み重ねだったり、性格そのものであったりもします。例を挙げるなら、東洋大学のスローガン「その1秒を削り出せ」はまさしく、そうで、ここぞという時に、チームを想い、走りを1段階2段階、上級のものにするのにふさわしい、チームとして染みついている強さだと思います(今季はシルバーコレクターに甘んじたので、次こそ頑張ってほしい)。

私の考える駅伝の魅力について長々と書きましたが、次は駅伝と社会で働くことの共通点についてお話します!


PS.目の保養としての駅伝の魅力

選手を観察しているとレース展開以外に「フォーム」というものに心奪われたりもします。体の軸がぶれない、脚が自然な流れで前に出る、重心移動がスムーズ、腰高などなど…フォームを見ただけで心奪われることもあります。また、絞り込まれているので筋肉1本1本を確認できることもあり、まさに「アスリート」の姿として美しいので、私は「目の保養」と呼んでいます。


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