純日本人の私が33歳から始めた英会話 4

4 日本語脳と英語脳

少しFacebookの思い出話をここでしたいと思います。孤独を感じ、語学の高い高い壁を感じた入社を終え、数日後東京に戻りました。ようやく恋しい日本語が飛び交う環境にと思ったのもつかの間、東京原宿の1LDKのマンション(初の東京オフィスは靴を脱いであがる単なる住居でした。)にあるオフィスには3人の本国から来たエンジニアがいました。彼らは本社でもトップクラスのエンジニアで、当然英語です。唯一の日本人である児玉も、若き精鋭エンジニアとは英語で話をします。当然、、私はついていけません。とはいえ、同じオフィスの仲間なので、邪険にされることもなく非常にフレンドリーには接してくれます。が、なんというかコミュニケーションは児玉の通訳を通すという感じです。もう児玉がトイレで姿が見えなくなるだけで、圧倒的な不安。しかし、ここは日本である!言葉が通じなければ、圧倒的な成果で存在を示す!と心に言い聞かせ、根性で業務を開始しました。が、言葉もそうですが、メールも全部英語。正直きつい。。。しかし、ヤフーの部長職を辞してまで参加したFacebookを英語ができないからといって去れば、単なる負け犬。そう思って、なんとか初めの方は児玉とコミュニケーションとりながら、進めるような体制というかフローをなんとなく作りました。

とはいえ、組織的には児玉と私はそれぞれにボスが本国にいて、レポートラインも違うのです。(私はBusiness dvelopmentという部隊でした。)ボスからは容赦のないメール。それを時間かけて読み、返信。もちろん初めは返信できないので、児玉にサポートをしてもらうのです。めちゃくちゃ申し訳ない気持ちもありながらも自分なりに書いた英文をみせて添削してもらうという。。でも、英語そのものはイマイチだし、回数も増えてくるとさすがに頼まれるほうも苛立ってきます。当然です。で、だいたい児玉が「もうー、森岡さん、何が言いたいか日本語でかいて!」と言われ、日本語で書きます。で見せる。そしたら、「もうー、こんなだらだら日本語で書いたら何言いたいかわかんないよー!言いたい事、箇条書きにしてよー!」と跳ね返される。で、箇条書きにして見せる。そしたら、「もっと短くしてよー。いろいろ言い過ぎー。」と言われ、さらに短くする。で、最後、英語にしてもらって、あたかも自分で書いたかのようにメールにコピペしてボスに返信。こんなやりとりを毎日のようにやってました。(ほんと、迷惑かけてごめんなさい。。今でも思います。というか根気よくつきあってくれてありがとう。)

こんなスタートでなんとかやり始めて、いくつか気づいてくる事がありました。まさに、日本語脳と英語脳の違いです。

日本語脳で日本語を書く時。これ皆さんは当たり前ですよね。そうすると、メールの書き出しからいっぱい本質とは違う言葉が飛び交うのです。この言葉によって、ニュアンスがなんとなく和らいだり、行間を察してもらうというか、いわゆる奥ゆかしさがでるのですが、相手をおもんばかりすぎると回りくどくなります。「大変お世話になっております。Facebookの森岡です。先日はわざわざ足元の悪い中、弊社までご足労いただきまして誠にありがとうございます。ところで、先般のご提案の件、その後いかがでしょうか?・・・・・」例えばですが、こんな文章があったとしたら、本質的には、「提案の検討結果はどうですか?」ただ、これだけなのです。日本語のなんと奥ゆかしい事か。英語脳でいうと、「検討結果はどう?」これだけです。シンプル。なので、初めは頑張って短くしてるつもりなのですが、それでも日本語脳で考えてしまい、ついつい奥ゆかしさが溢れてしまってました。笑 そうすると、英語にできないんですよね。で、箇条書きにする。それでも回りくどい。この繰り返しを経て、「あー、なるほど。英語というのはシンプルなコミュニケーションのツールなのだ!」と気がついたのです。英語って、できるだけシンプルに、端的に伝える伝達手段であり、それ以外の感情やら、雰囲気はジェスチャーとか表情で埋めてる言語なんだなと。英語脳で伝えたい事を考え日本語にすると、ものすごい無機質な表現になるのですが、これでいいのだと。例えば、「私の要求:1これこれ 2あれあれ 3それそれ 以上」みたいな伝え方になるのです。相手方に解釈の余地を極力なくす言い方。これこそが英語脳なのだと。

具体的な例で感動したというか「へ?これだけ?」みたいな事でいうと、日本語で「メールの最後に資料を添付しておりますので、どうぞご査収ください。」という一文を英語にすると「Please find attached file.」これだけです。メール書いてても、不安になるぐらい短い文章で終わりです。英語脳で考えるとこれ以上必要ないし、これ以上書けないのです。なんか逆に日本語の表現の多さというか、凄さ、難しさを知る事にもなります。(この話は、また動詞に触れる事があれば書きたいと思います。)

この構造を理解して英会話を勉強すると、話す事もものすごくシンプルに話せるようになります。私もはじめのころは、このメールのような日本語をまず頭で思い浮かべ、その日本語に沿った英単語を当てはめ、文法に沿って話そうとしてました。それやると、まず長い。それから単語全部はめれない。言葉にできない。できたとしても変な英語。しかし、英語脳で日本語並べて英語にする作業を学んでいくと、思いのほか話せたりするのです。

例えてみると、日本語で「あー、もう今日は疲れたから、自分へのご褒美にあの店のケーキをたらふく食べたいなぁ」という日本語があったとします。英語脳でいうと「あの店のケーキ食べたい、いっぱい。疲れたから。それはご褒美だ。」となります。これなら英語にできそうでしょ?

おそらく、結構ちゃんと聞き取れてるけど、英語話せないという人は、日本語の文章を日本語脳で想像し、それをそのまま英語化して言葉にしようとしてるのではないかと思います。

とにかく、全く英語に触れた事のない人が英語を学ぶ際、ネイティブと同じように流暢に話せるようになる事をまずは諦めてください。それよりも、意思疎通ができればokと割り切って、短いフレーズで切って英語脳を磨いてください。そうすると、一気に英会話が上達すると思います。

結局私は、なんだかんだで6ヶ月ぐらい全然話もできないし、英語もなかなか書けない日々を過ごし、本当に辛い日々を過ごしてきました。チャットすらできないし、社内で友達すらできない。しかしながら、持ち前のキャラととにかく実績をあげ続けるという事でなんとか首の皮一枚でやってまいりました。半年後ぐらいからかな。これまで書いたような学習法を試行錯誤の上やり始めて、ようやく少しずつ上達し、なんとか英語で書いて添削してもらうぐらいには成長できました。(といっても、まだ一人では何もできないレベルではありましたが。。)

それでは今日はこの辺で。続きはまた後日。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?