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ちいかわは「かわいいけど大変な目に遭うのがいいよね~」と思ってたら絵本とめちゃくちゃ相性がよかったという事実

2021年2月12日に『ちいかわ なんか小さくてかわいいやつ』第1巻が発売されました。インターネットで大人気な「ちいかわ」初の単行本ということで、なかなか盛り上がっているようですね。

さて、ちいかわの良さについては以前にnoteで記事を書いたので、今回は単行本の特装版についてくる絵本『サク もぐ ごくん』について語りたいと思います。

上記記事で書いたように、ちいかわはかわいらしさを演出するために庇護欲を掻き立てる展開が多い、つまり彼らの小ささ、か弱さが強調されがちです。要するに、かわいいキャラだからこそいじめられちゃうんですよね。

さて、そんなちいかわが絵本になったらどうなるのでしょうか? 実はこれが、ものすごい絵本の世界(子供向け書籍)との相性がいい。モッツァレラチーズとトマトくらいにベストマッチなんですよ。

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『サク もぐ ごくん』では、ちいかわたちがいろいろな食べ物と出会います。巨大トーストを見つけてバターに乗ったり、浮いているお寿司をゲットしたり……。これ、まさしく作者であるナガノさんらしい世界観ですよね。よく食べ物が湧いたり浮いたりしていますから。

そもそもナガノさんは食べ物に対する興味が強く、自分ツッコミくまでもよく食品が話に絡んできます。プリンの上を滑る絵を描いていたり、カップヌードルを崇めたり、マンガに無添くら寿司ならぬ無限くら寿司や、サイゼリヤを出したり。

で、このファンタジー×食べ物が、絵本とものすごくぴったり。不思議な世界観で興味を引きますし、食べ物に興味をもたせるという意味も出てくる。ちいかわやハチワレといったキャラクターが子供にもウケそうなのは言うまでもなく。余計な感動とかもなくて、僕が絵本に求めるものがたっぷり詰まっているのです。

なお、ちいかわたちがかわいそうな目に遭うような展開は一切ないです。

ナガノさんはイラストやマンガで作品を発表していることが多いものの、絵本にするとものすごいシナジーが生まれます。ご本人以外の誰かが気づいたのであれば本当に慧眼で、特装版のおまけになっているのがもったいないくらいの出来栄え。なんかこれからナガノさんが絵本作家にもなりそうなくらい、『サク もぐ ごくん』はよくできてるんですよね。

ちなみに『サク もぐ ごくん』のオチも脱力するような感じなのですが、これまたナガノワールドらしいですし、読んでいる大人も笑ってしまうようなものです。僕の子供がもう少し大きくなったら読み聞かせてあげようと思うくらい、好きな絵本になりました。

特装版として付属するだけだともったいないし、ふつうに絵本として売ってほしいですね……。すでに入手困難のようですし。

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