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大谷翔平選手の年俸受け取りの損得

現在アメリカで活躍中のプロ野球の大谷翔平選手が所属チームを変えることになりました。
エンジェルスからドジャーズへ。優勝に縁がなかったチームから全国優勝7回の強豪チームへの移籍です。大谷選手は「優勝したい」と抱負を語っています。

両チームはアメリカン・リーグとナショナル・リーグとリーグこそ違うものの、エンジェルスの根拠地であるアナハイムはドジャーズの根拠地ロサンゼルスと目と鼻の先です。
日本で言えば、パリーグの千葉ロッテから、セリーグの名門東京ジャイアンツに移るようなものでしょうか。リーグ優勝、そして全米優勝を実現して大谷選手のこぼれるような笑顔を見たいものです。

さて表題に掲げた大谷選手の年俸が話題になっています。新聞でもページ全面を使って説明しています。とにかく金額がでかい。10年契約で7億ドル。円ではなくて、ドルですよ。
分かりやすく円に換算して話を進めましょう。為替レートは日々変わるのでここでは1ドル=100円にします。今はドル高、円安だぞと思う方は1ドル=150円として以下の金額を1.5倍してください。
10年間で7億ドル、すなわち700億円が10年間の契約全期間分の報酬。毎年70億円ずつ受け取れば簡単ですが、大谷選手はなんと大部分の97%を後払いしてもらうことにしました。ということは10年間の契約期間中に受け取るのはわずか3%。ただし金額では21億円です。ここが味噌。
97%の679億円は契約終了後に、10年分割で受け取るようです。これについてある経済学者が「インフレなど考えれば実質では半分くらい減価してしまう。なぜ早くもらって資金運用することを考えないのか」とのコメントをしていました。それを言うなら今後の円ドル相場を予測すれば、日本経済の復活があって円高(例えば1ドル=80円とか)になれば目減りはもっと激しく、減価は半分では済まない可能性があります。
大谷選手はドジャーズにうまくしてやられているのではないかといった心配がSNS上で語られたりすることになります。ひどいのになるとドジャーズが10年先になって支払いを渋ったらどうするのかなど…。

大谷選手の心の内は分かりませんが、彼はしっかりした社会人。計算ができているはずです。考えた上での結論でしょうから、「正しい選択」であると思います。もちろん僕だったらという主観であるわけですが…。

700億円の3%は21億円。これを来年からの契約期間10年に分けて受け取るので、年収2.3億円。この金額に着目すれば、日本国内では超一流企業のしかも経営を大改善した社長がもらえるかもしれない年俸です。それを超える金額をもらっても使い切ることはできないでしょう。と言うか、これを年間で使い切ろうとすれば金銭感覚がおかしくなってその後の人生を狂わせてしまう可能性が大です。
日本人は国外逃亡中のゴーン被告(日産元社長)などと違って、資産の大小にかかわらず生活ぶりは似たようなものです。
1年間2.3億円以内で堅実な上流生活をする。賢明な判断である、とボクは思うのです。
では10年先以降にもらう残り670億円をどうするか。
お前だったらどうする?
自分の40歳前後を思い返してみました。経済企画庁という役所にいて計画官という自由な立場でした。政策化を考えてみたい事項は多々ありました。
・保健師を全国配置にして健康づくりを義務づけたら医療費は減るか。
・リバース・モーゲージの公営事業化で年金制度を補完できるか。
・生活環境改善の下水道を民間主導、低経費で整備する方法は、などなど。

それぞれ勉強会を立ち上げましたが、役所内だけでなく、あちこちの財団法人に相談して50万円、100万円の研究費を出してもらう。
10名内の勉強会でも会議室、茶華、報告書作成…。給料では自費負担できないのですね。

大谷選手にも引退の時期がやってくるでしょう。
人生はそれからが長い。野球やスポーツの発展のためにやりたいことはいろいろ出て来るでしょう。既に心の内に秘めているのかもしれません。
その実現のための基盤になる資金を持っていることは強い。ファンドレイジングなどをしなくていいのですから。
 
これから10年間の大谷選手の活躍を楽しみにするとともに、今回得た高額報酬を生涯かけて有意義に活用する資格を得たことを喜びたいと思います。




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