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819 ふるさと納税、膨らむ「隠れ経費」 寄付額上位20自治体計63億円

 なんとも無駄なことだ。だからといって、ふるさと納税制度を廃止するのも、朝令暮改だし。能がない。無駄をなくさせつつ、緊急課題の防衛費確保に活用できないか。これを考えてみた。

 ふるさと納税総額が2021年度は8302億円になっている。
 返礼品の上限は総務省の指導で寄付額の5割以下とされているが、それ以外の事務経費を総務省は把握していない。「受領証を発行する費用」「ワンストップ特例に伴う税務証明事務費」などだ。

 例えば北海道の紋別市では、返礼品等の経費として75億7千万円を報告しており寄付金に対する比率は49.5%だが、上記の隠れ経費が約13億円かかっている。総経費88億8千万円で寄付金収入の58.1%になる。寄付をもらっても市が使えるのはその4割に過ぎない。13もの自治体で経費率が5割を超えることが判明している。

 ある者が「寄付の少なくとも5割は公共サービスに使えるようにすべき」と指摘しているが認識が甘すぎる。寄付とは代価を伴わない収入。寄付金は100%を受け入れ自治体が自由にできて当たり前だ。その方向に向かうように、自治体間の競争を刺激するが筋であろう。

 どうするか。とにもかくにも当面は寄付受け入れ額の5割相当額の地方交付税を減額することにすべきだろう。そうすれば5割以上の経費をかけると損(持ち出し)になるから自治体側の無駄な経費や高額返礼品はなくなる。これで事業が合理化されていけば、真のふるさと納税制度になる。

 次にふるさと納税の誘因活動をしない自治体へのペナルティが必要だろう。魅力ある政策をしていない自治体に機械的に経費をバラまくのは地方行政振興にならないからだ。そこでふるさと納税がその自治体の固有財源収入(住民税・固定資産是など)に対する比率で分類し、低い自治体には地方交付税を10%、5%といった具合にカットする。

 これら二つの仕掛けにより地方交付税は予算に対し、決算ではかなりの剰余が出る仕組みができあがる。これを国庫に戻すのではなく、「防衛即応基金(仮称)」に受け入れることにすれば、これを背景に総理大臣や外務大臣は今よりも強気で外交問題に対処できる。増税によらない防衛費捻出の一方策だ。


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