見出し画像

672 高級住宅地なのに道路に穴ぼこ

こんなニュースがありました。
高級住宅地だけど道路は陥没、、、橋はボロボロ、、、「市道なので補修費6億円は住民負担」。市に移管求めるも「ハードル高すぎる」。住民嘆き。
https://share.smartnews.com/TtdXq
 
 兵庫県西宮市の苦楽園という高級住宅地の一角で大丸という区域のことです。250世帯分の恒久住宅が立ち並んでいます。
 ところが区域一帯の道路はすべて地区住民たちの「私道」。開発されたときからそうだった。人気住宅地ですから、少々の補修費負担は住民も望むところだったのでしょう。開発業者がその後も、区域内道路のメンテナンスを担当してきました。
 ところが人口減その他でこの区域の地価にも陰りが出たのでしょうか。住民の負担能力が下がり、会社もメンテナンス費用に窮するようになったといった事情なのでしょう。この会社は20年ほど前に倒産することになり、以後はだれもメンテしない。それで道路は穴だらけで、橋は橋脚損傷で車両通行不可。
 住民は道路の補修を市にやってもらいたい。そのために無償で市に移管してもよいと申し出ていますが、市では「今さらそんなことを言われても…」。都合のいい主張を受け入れていたら、市民間の公平が保てず、行政の本旨が問われると及び腰。市長の責任問題にいなるでしょう。
 さっとそういうことらしい。ではどうすればいいか。これが課題。
 
 原点に戻って考えれば難しくない。ボクにはそう思えます。
「道路だけ引き取って」と申し込むから市当局は困る。それだけのこと。区域全体の「土地・家屋をすべて市に無償寄付する」と申し出れば、市も拒否しないのではないでしょうか。といのは、それならば市財政はプラスになると思われるからです。
 では寄附した住民たちはどうすればいいのか。住むところがなくなってしまうのか? ここでいわゆるリバース・モーゲージ的発想の出番。
 現に住んでいる住民に限り、一代限り(最長50年)といった条件で居住継続を認める。つまり子どもの資産として相続させる権利を放棄するのです。
 原住民は一人ずつ老衰で死亡するか、老人ホームに移り住むかしていきます。その家・土地を若い世代に市が販売するのです。市には長期的に収益が見込めます。そして道路も市の所有になっていますから、メンテ費用を市が負担するのは当然となります。
 つまり「道路のメンテを市でやってもらう」には、道路が市の公道になっていることが必要。そこで道路を市に移管すると住民は言うのですが、家や敷地の財産価値は保持したいというのが課題要求。自分たちの居住権を確保できればいいはずで、その財産価値を子どや孫に承継させたいという要求を引き下げれば、八方丸く収まるはずです。
 その決断には期限があります。この区域の居住価値が下がり、空き家が増え、住民が逃げ出すようになってしまってからでは、市に引き取るメリットがなくなります。道路のメンテ費用を加えた長期的財産価値がプラスであるうちに決断することです。
 財産価値は自分が確保し、道路メンテ等の負担は行政に押し付け。それは通らない。単純にそういう問題だと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?