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酪農家の手仕事vol.02 〜搾乳編〜

こんにちは。ファームノートの秋山ウテです。

酪農家さんが普段どんな仕事をしているかって意外と知られていないのではないかと思っています。

前回は、フン落としについて紹介をしました。

今回は北海道足寄町の畠牧場さんに弟子入りして、酪農をしていく上で重要なお仕事、搾乳について取り上げます。

この作業は、あくまで畠牧場さんでの作法なので、予めご了承ください。

生乳を牛からいただく、それが搾乳

酪農家さんにとって重要な収入源の一つ、それが生乳です。

搾乳中(ミルカー装着中)の牛

搾られた生乳は、運ばれて検査・殺菌などがされて、みなさんがスーパーなどでよく見る牛乳になっていきます。

その最初の工程が、搾乳になります。

牛の飼い方(飼養形態)によって作法は違いますが、今回はつなぎ牛舎の畠さんの牧場での搾乳を紹介します。

畠さんの牧場では、朝晩それぞれ2回搾乳をするそうなのですが、どんな手順で進めるのか聞いてみました。

動画の方がイメージが湧きやすいと思うので、ぜひ見てみてください。

1:乳頭をキレイにする”プレディッピング

搾乳の前に、乳頭を消毒します。
消毒をするのは雑菌を抑えるためです。
また、消毒液をつけることで乳頭の汚れが落ちやすくなります。

2:乳頭内の雑菌を出す&お乳を出しやすくする”前搾り”

乳頭内にも一定数雑菌がいます。
その雑菌を外に出してあげるために、手で乳頭それぞれを搾ってあげます。

畠牧場さんでは、それぞれ4〜5回ほど搾ってあげるそうです。

さらに、この前搾りをしてあげることで、乳頭が刺激されてお乳が出やすくなるそうです。

3:キレイなタオルでの”拭き取り”

前搾りが完了したら、キレイなタオルで拭き取ってあげましょう。
搾ったお乳に汚れや異物を入れないためにも重要な工程です。

4:空気を入れないようにミルカーで搾る

各乳頭にミルカーを装着します。

ミルカーは空気圧でお乳を搾る機械なのですが、このときに重要なポイントがあります。

それは、外気を入れないように装着すること。
空気を入れてしまうと、雑菌を入れてしまうことになるので、乳房炎のリスクも高まります。

それを防ぐために、畠牧場さんでは、装着時に管を折り曲げて乳頭に限りなく近づけてから装着をしているそうです。

5:乳頭の消毒”ディッピング”

搾り終わったら、最後の仕上げとして乳頭を消毒(ディッピング)します。

搾乳後は乳頭が開いています。
そのため、そのままの状態だと雑菌が乳頭内に入ってしまうリスクがあります。

ディッピングをして乳頭をコーティングしてあげることで、そのリスクを軽減させるのが狙いのようです。

こんなときはどうすれば?搾乳の疑問

最後に、ちょっとした疑問を畠さんに質問してみたので、そちらも紹介します。

Q:この洗濯ばさみは何ですか?

A:牛一頭一頭、乳頭の位置は違います。牛によっては、ミルカーを正しく装着しづらい子もいます。洗濯バサミでおさえてあげることで、搾りやすくしているんです。

一つの作業でも、紐解いてみると様々なことが考慮されているんですね!

次回もお楽しみに!

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