SSRへの道

 お疲れ様です。皆さん、SSRって好きですよね。SSR確定とか大好きですよね。私も好きです。主催の紺色です。

 さて、SSRと言いながら実際どうやって書いていたの? という疑問を持つ方もいらっしゃると思います。本日はSSR合同の秘中の秘を編集長のだぶれさんの言葉を借りて少し紹介したいと思います。

だぶれ(@doublet_stone)
緩急自在の精緻な文体に定評がある作者。その文体を駆使して、キャラクターの心理に寄り添った湿潤なストーリーを描き出す。
本合同誌では、その技術と文体、文法に対する深い知識をもとに編集長を務めた。

はじめに

 こんにちは。私はだぶれといいます。

 今回のSSR合同にて、寄稿者としての参加と共に編集長という立場で参加しています。

 今日はその後者、編集長としての立場でSSR合同がどのようにクオリティアップをしたのか、について話してくれとのことで筆を執りました。

 参考になるように頑張るので、読んでね!

 さて、編集長と大雑把に言いましたが、創作において編集というのは広義な意味を持つ言葉ですので、何が何だかちょっとわかりにくいですよね。

 なので具体的にやったことをいうと、今回のSSR合同で私が担当したのは、他の参加者みなさんの作品の校正をしたり、作品について相談を受けたりという範囲です。

 端的に言えば校正者とアドバイザーという立ち位置でしょうか。

 アドバイザーよりは少し積極的で、ここは絶対直した方がいいだとか、強めの指摘をすることが多かったですが。

 一方で、全体デザインと段組みや本文の流し込み作業、最終的な校正については、手が回らなかったことと、前回主催のたうさんが得意とするところでもありましたので、前回今回両主催にお任せしました。

 さて、SSR合同は会合にて原稿をお互いに批評をして、その内容を受けて修正するというコンセプトで作られています。

 ですが、四回の批評だけでは手が回らないことも度々ありました。そういうわけで、前回今回共に、編集部と呼ばれるメンバーが参加者の作品を逐次確認することになっていたわけです。前回は私と狭山さんが、二人で分担して行っていました。

 今回は私がその編集部の責任者として、主催の紺色さんから編集長を仰せつかった、というわけです。

 なぜ私が、というと私がそういうことに関して多少の経験があること、そして私が比較的原稿の進捗に余裕があったことが理由でしょうか。

(多少の経験について。以前に、私は大学の文芸サークルで同じようなことをしており、またそのサークルの繋がりから雑誌社に勤めていた先輩に頼まれ、専門誌の編集アルバイトををしていたことがあります。私の携わっていた専門誌はその名の通り専門家の人が書いた原稿を載せるもので、原稿の内容は非常に有意義なものばかりでしたが、その文章について言えば不慣れな人も多く、校正だけでなく書き方や論の構成などの提案も多くする必要がありました。

 同様に、先輩に頼まれ小説賞の下読みのアルバイトもしていました。

 最近も、時たま編集としてお金を頂いています)

 私についての話はこれくらいにして、SSR合同がどのようにクオリティアップをしたか、と言う本題について、批評会と編集の二つに分けてお話ししていきましょう。

批評会

 SSR合同には、参加者が守るべきルールがただ一つ存在します。

 それは、「作品について、遠慮をせずにお世辞を入れずに、思ったままのことを言う」というものです。

 このルールがなければ、いくら批評会を行ったとしても意味がありません。だって、つまらない部分があるのに遠慮して面白いなんて言ってしまったら、直すことができないのですから。なので、全員がそのルールを念頭において批評に臨みました。

 そして、もしこれを読んでいる人が自分のSSを良くするために誰かに批評してもらいたい、と思った時には、お世辞を言わずにしっかり言ってくれる人、かつ自分が作品を見る目があると信頼している人にお願いするのがいいでしょう。

 閑話休題。というわけで、遠慮なく批評するためにルールがあることまで説明しました。

 しかし、批評を述べ積まなく行っても論がまとまりにくいので、参加者には私が用意したテンプレートをまず埋めてもらいました。それを元に批評会に臨むわけです。

 テンプレートの目的は、簡単に言えば良いところと悪いところを作者にはっきりと認識してもらうことになるでしょう。

 良い部分を残して伸ばして、悪い部分を直すこと、それをいくつかの分野に関して行えるよう、テンプレートは用意しました。具体的なテンプレートについては、参加者だけの秘密ということで。

 というわけで、テンプレートを基にした批評会では、良し悪しについて語るわけですが、気にしていたのはその意見が一人だけのものかどうかというものです。一人の意見だと、その人の極端な好みからの意見になる危惧があるので、同じ意見があるかどうかをテンプレートをまとめる時点で確認したり、挙手してもらったりで、極端な好みではないようにチェックしていました。

編集

 基本的には提出してもらった原稿をPDF化し、マーカーをつけてそこに注釈を書き込むようにしていました。

 チェックする内容は、言葉の辞書的な意味、文法語法、ストーリーについてです。

 紺色さんから編集として信頼してもらったので、裏切らないように極端な好みを排してやるようにしています。好みの可能性がある所には「好み?」などと併記する等の工夫によってです。

 もしチェックによって作品の質を上げたいという読者がいた場合について話すと、批評会システムを取るのは難しい場合は、相応に読み慣れをした人が併記をしながらであれば、編集だけでもクオリティアップは望めるとは思います。(労力が按分されないので、編集は大変ですが)

 編集と批評会システムを比較した場合、批評会システムの良い部分としては、一つに多様な見方があること、チェックする目が多いことで、漏れが生まれない点でしょう。

 もう一つ挙げると、ストーリー展開に詰まった場合等の創造的な悩みを持った場合に、三人寄れば文殊の知恵が出来ることだと思います。出てきた多数の案から好みのものを拾えば良いわけですから。

(SSR合同においては、創造的な悩みに対しての回答は、作者が切羽詰まった場合に申し出があって初めて意見を出すことにしていました)

 言葉の意味や文法に関してのチェックは校正には慣れてますので、辞書片手にちまちまやってました。一つの原稿をチェックするのに、だいたい二時間くらいかけていたと思います。

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 以上でだいたいのクオリティアップのやり方について話せたと思います。

 が、どうやっても具体性を欠くものではあるので、SSR合同を買い、無料で頒布する初稿集&編集録を読んでみてはいかがでしょう!

 初稿集&編集録には、具体的にどのように直したかということも書いていますので、是非。

 ちなみに私が書いた天気の子をさらに楽しめるメモがあるので貼っておきます。天気の子を見たなら読んだらいいと思うな!

https://twitter.com/doublet_stone/status/1157211169607712774?s=21

 作品をこういう目で見たら楽しめるって話も時々してます。

主催より

 この合同誌は編集長だぶれさんの力無くして完成しなかったと言っても過言ではありません。この場を借りてお礼申し上げます。

 我々は上記のようなことを半年ほどかけて行いました。遠慮なく、お世辞なく作品を評価するために今のレア度はどんなものかを伝え合うこともしました。ちなみに主催自身は「まだ石。ガシャを回しすらしていない」と言われました。SSRへの道は長く険しいものなのです。

 概要ではありますが、これがSSR合同です。ここまでやった結果、どうぞその目でご確認ください!

3日目 南ミ19b「flat style」にて委託!

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