虎。うっかり虎穴に入る。

「SSR合同は面白いSSしか載せてません」

なんてトンチキな一文でしょうか。意識の高さが天井を叩いておられる。
しかも原稿を参加者全員で批評し合って3回も直したんですって。合同誌でやることか?
今でも「やべぇ合同誌に参加しちまったな」と思う自分、並兵凡太がそんなやべぇSSの詰め合わせ『SSR合同』についての体験記を書くことになりました。書かされているとも言いますが。

「並兵さん、合同誌参加しませんか?
 キャッチコピーは『面白いSSしか載せてません』です」

主催であるたうさんからインパクト絶大な誘い文句を受けたのは夏コミ前の7月。
主催はこの誘い方で乗ってくれると思ったんでしょうか? 僕は威圧されてると思いました。誘うのか拒むのかどっちかにしてほしい。
事情を伺うと何やらアイマス物書きの集団があって、主催はそこに所属して日々添削やら勉強会やらしてるとのこと。その集団のメンバーで冬コミに合同誌を出そうということになって、ゲストが欲しくなった。そこで僕に白羽の矢が立ったらしいとのことでした。なんでや。
確かに僕はSS書きますけれど自分で同人誌を出したこともなければ寄稿も片手で数えられる回数。ましてや主催とは担当アイドルが同じだから仲良くしてもらっているというSSの関係なさ(篠宮可憐よろしくお願いします)。
それなのに面白くなかったら許さんという初手威圧。
なので僕はお答えしました。

「喜んでお引き受けします!」

いやだって初めて合同誌に誘われたんだもん。絵を描く方や漫画を描かれる方がどうかは詳しく知りませんが、少なくともSS書きがお声かけ頂く機会なんてそうあるんもんじゃないです。仲良くさせてもらってる氏が主催ということもあって、快くお引き受けしました。
これが苦難の始まりとも知らずに……。

参加するに当たって、主催からは「批評会で何回か原稿を直すこと」を聞きました。
なるほど、面白さは全員で追及するなら一定のレベルは保証されるわけです。なんとも物書きらしい方法だと思いました。
そして、参加者顔合わせと同時に第1稿の締め切りが言い渡されます。

「第1稿は9月頭で」

本当に冬コミの原稿かな? とは思いました。
曰く、批評会は3回くらいやるらしいので最初は早めにとのこと。了解です、と言いつつも何のネタもない自分としては頭を悩ませました。ちなみに顔合わせですが、自分がまだアイマスSS書きとしては歴が浅いこと、僕だけが外部ゲストということもあってほとんど知らない方でした。こわかったです。

個人的には第1稿で滅茶苦茶悩みました。
意識高い系物書きの集団に手前の原稿出すわけですから、生半可なものでは嘲笑の的です。怖い人たちに怖いことされてしまいます。そのせいか「面白いってなんだ?」って疑問を1ヶ月くらい抱えることになったんですがそれは今回は割愛。

結局無事に9月を迎え第1稿提出
他の方の原稿も出揃いまして、あとは批評会に向けてお互いの読み込みとなりました。ちなみにこの時点での感想としては「きっと意識高い系物書き集団だし純文学みたいな重い暗い話が多いだろう(偏見)。それに沿わなきゃ……」と僕は重めの話を書いたのに蓋を開ければ皆さんポップな話を書いてきたということでした。話が違うやんけ!

そして遂に第1回批評会を迎え、僕は人生初の同人誌原稿の改稿に挑む訳ですが――それはまた、次回の体験記で!
以上、並兵凡太でした!


・並兵凡太(@namiheibonta031
通称「虎。」
代表作に「16歳って魔法少女として結構ギリギリじゃない?」
小説投稿サイト『カクヨム』でも絶賛連載中。
連載中の小説『流され(元)王子と幼妻ドラゴン』ではキャッチ―でポップな文体が印象的だが、今回は重厚な語りと話運びが特徴的でいずれにしても非常に個性の強い文体を駆使する。
本合同では天空橋朋花と彼女に神性を見出した男という刺激的なテーマを描いた「神の証明」を担当した。

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