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SSを読んでもらうために、オークとガチ会議をした

某月某日――某会議室

ある人に呼び出され、千葉県内にある会議室へと赴く私(遅刻気味)

たう「……おはようございます」

たう:サークル「BlueAnchor」文章担当。アイドルマスターミリオンライブが好き。この日はやむを得ずボタンの取れたチノパンを履いていたが、ベルトをきつく巻いて誤魔化した。

部屋の中にいたのは1人の男性。和歌月狭山だった。

和歌月狭山:人の皮をかぶったオークのSS書き。アイドルマスターミリオンライブが好き。常に立っている左乳首がトレードマーク。


狭山「おはようたうさん。今日はなぜここに呼ばれたのか」
たう「今日寒いですね」
狭山「話聞いて
たう「はぁ、どういったご用件で」
狭山「ペースが速い。実はたうさんに相談したいことがあってさ……」

沈鬱な表情で語り出す狭山さん。いつもTwitterで「叫びながらうんこをするとスムーズに出る!」なんて
言っている人とは思えない重い雰囲気だ。今日はお通じが悪かったのだろうか。

狭山「私のSSが全然読まれてない気がする……」

思ったより真面目な相談でした。

なぜ我々のSSは読まれないのか!!!

狭山「そりゃつまらないからだよ。逆に聞くけどたうさんは全く知らん素人が書いた小説もどきみたいなカタルシスのないものを読みたいと思うのかい?」
たう「急に口が悪くなりましたけど。うーんまぁ確かにプロの文章と比べるとどうしてもって感じはしますね。でもそれは漫画でも同じなのでは?」
狭山「全然違うね。漫画は1冊10分から20分くらい、イラストは数秒。しかし小説は時間がかかる。1冊に何日何時間も使って読んだ結果、つまらなかったなんてことがあるんだから。そりゃ読む気が起きないだろう」
たう「なんとも世知辛い話ですね。そうなると無理なんでしょうか?
狭山「そんなことないよ。誰もが読みたいと思えるSS合同本、頑張れば作れるはず」
たう「どうやって?」
狭山「……ゲストに村上春樹を呼ぶとか」

村上春樹:代表作に『ノルウェイの森』や『1Q84』など。言わずと知れた名作家。別にミリオンライブが好きという話はない。

たう「それは……いやどうやって村上春樹を呼ぶんでしょうか」
狭山「そこはほらたうさんのコネでしょ」
たう「村上春樹呼べるほどのコネ持ってたら狭山さんと関わってないですね」
狭山「真実を言うなよ……そうだなぁ、本の中にお金を挟めばいいんじゃない?
たう「お金
狭山「1円玉から1万円札まで」


たう「1円玉から1万円札まで」


狭山「金額がランダムで封入されている本。らんま1/2のお好み焼きみたいだし」
たう「それは分かんないけど……肝心のお金はどこから出るんですか?」
狭山「売り上げから出せばいいでしょ」
たう「????????」

狭山「なんて顔してるんだ
たう「……えーっと、もう少しまともな案はないんでしょうか」
狭山「そんなこと言われてもねぇ。だいたい合同誌なんてちょっと奇抜なタイトルとかテーマをつければ人が群がってくるもんでしょう。大衆は分かりやすい娯楽が好きだからね」
たう「偏見がすごい。しかしそうなると我々もそういう感じで行くしかないですね」
狭山「いやそういう誰がやっても面白くなるやつに挑戦するのは普通に負けた感じがするからやだ。やるならちゃんと話の面白さで勝負したい
たう「また難儀なことを……」
狭山「……ん~」

たう「別のことやり始めたぞこの人

狭山「えーん、SSRが出ないよぉ。SSRが出ないと勝てないのにぃ」
たう「なにと戦ってるんですか。ちゃんと合同誌のことを……そうか、SSRだ。SSRを引けばいいんですよ!

狭山「だから今それを出すために頑張ってんじゃねぇか! 鼻引きちぎり回すぞテメェ!!!
たう「ひー! コイツ手に負えねぇー!

狭山「で、SSRを引けばいいってどういう意味なの?
たう「いきなり火が消えた! もう……情緒がもう……」

たう「えっとつまりですね。我々のSSが読まれないのって面白いかつまんないか一目で分からないからじゃないですか」
狭山「そうですな」
たう「しかしそれがもし面白かったら? 話のクオリティが品質保証されていたら?
狭山「安心して手に取ってもらえる
たう「そういうことです。つまり」
狭山「クオリティSSRの小説だけを収録した合同誌――『SSR合同』を出せばいいってことだな!
たう「先に言われた! しかしそういうことです。しかもこの
狭山「このタイトルはパワーワードにもなるから読者の目にも止まりやすいってわけだな」
たう「だからなんで言うんですか!まぁそういうことです」
狭山「でもねたうさん、この合同誌には致命的な欠陥がある
たう「なんですか?」
狭山「そもそもSSRの作品が書けないってことだ」
たう「Oh……」

SSRの作品ってどうやって書くの!!!

たう「狭山さんは学生時代面白い話の作り方とか構造分析とかを勉強していたとのことですが、そのときはどうやってたんですか?
狭山「いきなり本題に。そうですね、話の組み方とか文章論とかいろいろありましたけど、とりあえず手っ取り早くできるのは複数人での推敲じゃないですか?」
たう「批評会みたいな感じですかね。寄稿する作品を皆で読んで指摘しあう
狭山「そうだね。それもより細かく具体的にね」
たう「と言いますと?」
狭山「作品の面白さを数値化したり、話の評価基準を設けたり
たう「分かりやすい。けど二つほど不安があるんですが」
狭山「なによ」
たう「一つは批評をするにあたってしっかりと作品を読める人が必要じゃないですか。ここがダメでここがいいって言える人」
狭山「編集の技術を持っている人が必要だね。こういうときこそ『だぶれ』さんを呼びましょうか」

だぶれ:たうと狭山の知り合いのSS書き。アイドルマスターが好き。小説の書き方に詳しく、SSで悩んだときに必ず相談に乗ってくれる。声が高いオタクのものまねが上手い。

たう「確かに人格はともかくだぶれさんなら安心ですね」
狭山「人格面に関しては俺らもいい勝負だと思うけど。それで二つ目の不安は?」
たう「批評会をやるとして、厳しい指摘に参加者はついていけるのでしょうか。喧嘩になったり、トラブルが起きるのは正直避けたいんですが」
狭山「そこに関しては事前に厳しい指摘をされる場合がありますよって警告するしかないでしょ。
「死んじゃえ」とか「これなにが面白いの?」とか「誰が書いても同じだろ」とか「才能ないから辞めた方がいいよ」とか」
たう「そんなこと言わないでほしいんですけど
狭山「あとはこういうのだね。たうさん今原稿持ってる?
たう「今ですか? まぁ一応持ってますけど……」

狭山「こういうこともする」
たう「絶対やんないでください
狭山「でもつまんない話書く奴が悪いから」
たう「それも言っちゃダメですね」
狭山「まぁ何人かに声かけていけば多分ある程度は集まるでしょ。集まらなかったら私が6本くらい書くよ」
たう「それはもはや狭山さんの個人誌なのでは……」
狭山「じゃあそうならないようにゲストを呼ぶしかないね
たう「誰をゲストに呼ぶんですか?」

狭山「村上春樹」

たう「やっぱり~~~~

S

S

R

定義:たうの所属するサークル「BlueAnchor」の主宰兼、音担当。アイドルマスターシンデレラガールズが好き。撮影当日に急に呼びだされ、訳の解らない撮影をさせられた挙句、「R」字を担当することになり死ぬほど不機嫌になっていた。

一応考えましたがやっぱり村上春樹を呼ぶのは難しかったので、自分たちで批評添削し合ったSS合同誌を出すことになりました。
手塩にかけたこの作品群、面白くないわけがない。だから安心して手に取ってほしい。
コミックマーケット95、東リ39a「Blue Anchor」にて頒布します。
合同誌と一緒に……待ってるぜ!

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