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ハサミ男の話

雪も随分とけてしまって、やっとひと段落ついたみたいな感じがしますね。ちょっと違うけど台風一過みたいな、そんな感じ。でも、明日からまた雪になるみたいですが。

降るのはいいけれど、どうか何も被害はありませんように。

さて、昨日一昨日と雪の本の紹介をしたので、今日は好きな雪の映画の話をします。

きっと知ってる人も多いでしょう。ティム・バートンの「シザーハンズ」です。

ジョニー・デップ扮する両手がハサミの人造人間エドワードが、街で大騒動を巻き起こすお話です。

僕はこの作品が大好きです。人生のベスト映画はずっと「シザーハンズ」。きっと死ぬまでそうだと思います。

ずっとビデオやDVDでしか観てなかったのですが、数年前、午前10時の映画祭でこの作品がやっていたので、映画館で観ることができました。

さて、この作品の最初のシーンを覚えている人はいますか?

この作品は、ある小さな女の子の部屋から始まるのです。

雪の降る夜。ベッドに入った女の子が、窓の向こうを見ているおばあちゃんに話しかけます。

「ねえ、おばあちゃん、雪はどうして降るの?」

すると、おばあちゃんは言うのです。

「それには、長い話があってね……」

と、いうのがこの物語の始まりです。

そして、なぜ雪が降るのかという女の子の問いの答えは、物語の最後に出てきます。

そう、つまり、この映画のテーマって実は「雪はなぜ降るの?」なんですよね。

でも、これはティム・バートンが自身の作品を語った本の中で述べていたことですが、

正にこの部分が随分と批評家たちに批判されたのだそうです。

いわく、リアリティがない、とってつけたような展開だ、と。

で、ティム・バートンはそのことについてすごく腹を立てていました。リアリティなんて、どうだっていいじゃないかって。

ほんと、僕もそう思うんですよね。誰だよ、この作品にリアリティがどうだとか言う奴はと思います。

それで、リアリティにこだわって、ちゃんと辻褄が合うようになったらこの作品はもっとよくなるのかといったら、別にそうじゃないのに。

この作品は、おとぎばなしなんです。

とてもかわいくて、とても美しくて、そして悲しいおとぎばなし。

だから、おすすめって言いたいけれど、その反面、言いたくない気もします。好きな人は好きだろうし、そうじゃない人は、そうじゃないだろうから。

好きじゃないだろう人には、この作品は観てほしくない。その気持ちの方がずっと強い。

この作品そのものが、エドワードなんですね。きっと。そして、この作品を愛する人も。

また明日。

おやすみなさい。

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