峰庭梟

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読むことと書くことと歩くこと。ここでは主に日記と読書感想文を書きます。昭和の詩、俳句、短歌を読んで分類する「詩歌ビオトープ」というのを始めました。Amazon著者ページはhttps://www.amazon.co.jp/-/e/B082S2WQRC

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プロフィールに代えて。

春になると毎年読み返している本があります。それは、梨木香歩さんの「春になったら苺を摘みに」という本です。 この本は著者である梨木さんがまだ作家としてデビューする前、イギリスに留学していた頃の思い出を語ったエッセイ集です。 本書の中には「子ども部屋」と題された章があります。それは、こんなお話。 ある日、梨木さんはコッツウォルズからソールズベリへ行き、湖水地方やスコットランドをぐるりと回る旅の計画を立てます。 すると、その計画を聞いたホームステイ先のウェスト夫人が彼女

    • 吾輩は読者である。名前はまだない。

      一夜文庫さん、という一箱古本市や間借り古本屋さんに出店されている読書家の方がおられまして、その方が「読みたい夜に」というZINEを出しておられるんですけど、僕もお誘い頂いて、そのZINEの末席に寄稿させていただいています。「瞬光(またゝき)集」という、140字小説と短歌を合わせた10篇のお話です。 で、毎回ね、そこにプロフィールというのを載せて頂いているわけですが、今は って載せて頂いてます。 まあでも、140字小説も短歌ももうだいぶ呟いていないし、このnoteだってこ

      • 6月後半の短歌

        6月後半も色々短歌を詠みました。 なので、今日はそのまとめです。よろしかったらどうぞ。 まずは、うたの日。 ちなみに、「負け方は俺の背中を見て学べ でも勝ち方は自分で学べ」という歌で薔薇をいただきました! やったね! あと、RIUMさんというアカウントのお題でも詠んでいます。 今は1日2首くらい詠んでる感じです。 ということで、お粗末さまでしたー。 おやすみなさい。

        • 詩歌ビオトープ030:近藤芳美

          詩歌ビオトープ30人目は近藤芳美です。 この人は1913年、朝鮮馬山浦で生まれました。12歳で帰国し、広島県に住んでいたそうです。高校生の頃短歌に興味を持ち、広島で療養していた中村憲吉を訪ねたことがきっかけでアララギに入会、中村と土屋文明に師事しました。 大学卒業後は建設会社に入り、設計技師として働く傍らアララギの活動もしていたそうです。 終戦後の1947年には加藤克巳、宮柊二らと「新歌人集団」を結成、同年に評論「新しき短歌の規定」を発表して大きな話題となりました。この

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          詩歌ビオトープ029:宮柊二

          詩歌ビオトープ29人目は宮柊二です。 この人は1912年に新潟県で生まれました。北原白秋に師事して「多摩」の創刊に参加、戦時中は召集され、そのときの経験を詠んだ「山西省」は戦争詠の代表的な歌集といわれています。 戦後は「多摩」の後継誌として「コスモス」を創刊。「コスモス」は今も会員がたくさんいて、歌壇における重要な一派といえるのでしょうね。 門下生もたくさんいて、島田修二や高野公彦、河野裕子らもこの人のお弟子さんにあたるのですね。 さて、今回もいつもの通り小学館の昭和

          詩歌ビオトープ029:宮柊二

          まるで石を集めるように

          先日、ある有名な歌人の方のTwitterを見ていたら、その方が、自分にとって歌を詠むということは、きれいな石を拾ってきれいに磨いて、ほら、これきれいでしょって見せるような感じだ、というようなことを言っていて、ああ、それってなんか分かるなあ、と思いました。 その感じ、別に短歌だけじゃなくて、表現するというのは基本的にそういうことですよね。きっと。 で、人によってどんな石が好きかって違ったりする。見る方も、見せる方も。 キラキラした宝石が好きな人が、やっぱり多いのでしょうね

          まるで石を集めるように

          詩歌ビオトープ028:中野菊夫

          詩歌ビオトープ28人目は中野菊夫です。 この人は1911年に東京都で生まれました。中学生の頃石川啄木を読んで短歌を始めたものの、特に誰かに師事するといったことはなかったようです。 その後多摩美術大学でデザインを学び、卒業後は学校の図画の教員となりました。 歌人としては、戦後「人民短歌」の創刊に関わり、その後自身の歌誌である「樹木」を創刊します。 この「人民短歌」はいわゆるプロレタリア文学系の短歌誌で、現在は「新日本歌人」として続いています。 さて、今回も小学館の昭和

          詩歌ビオトープ028:中野菊夫

          6月前半の短歌

          僕は今、ふくろふという名で毎日うたの日というサイトに短歌を投稿しています。 ということで今日は、今月前半に詠んだ歌のまとめです。 それでは、どうぞ。 あと、うたの日以外にもなんか色々詠んでいます。 これとか。 これとか。 そうそう、なんだかまた書写をしたくなってきたので、詠んだ短歌を一筆箋に書いてTwitterに上げることにしました。 いやー、難しいものですね。 ということで、また明日。 おやすみなさい。

          6月前半の短歌

          詩歌ビオトープ027:香川進

          詩歌ビオトープ27人目は香川進です。 この人は1910年、香川県に生まれました。大学在学中に前田夕暮に師事し、自由律短歌を始めます。 大学卒業後は三菱商事に入社、サラリーマンとして働いていた頃に戦争が始まり召集、戦後の1952年に第一歌集となる「氷原」を上梓しました。 その後は文語定型短歌へと回帰し、1953年には山本友一らと歌誌「地中海」を創刊。1998年に亡くなりました。 今回も、小学館の昭和文学全集35に収められている歌を読んでいきます。 本書には「氷原」から

          詩歌ビオトープ027:香川進

          「リトル・マーメイド」を観てきました

          先日、実写版「リトル・マーメイド」を観てきました。 で、僕はアンデルセンの原作の方は割と内容覚えてるんですけど、ディズニー版の方はかなり昔に観ただけで内容とかほとんど覚えていなかったので、あ、こんな感じなんだあと思いながら観ていました。 で、悲劇じゃないのはまあそれはそれとして、ちょっと思ったんですけど、この映画の王子ってどうなんですかね? 僕は観ながらずっと「なんやねん、こいつ。こんなんのどこがええねん」と思ってたんですけど、女性はあまりそうは思わないのでしょうか。

          「リトル・マーメイド」を観てきました

          詩歌ビオトープ026:山本友一

          詩歌ビオトープ26人目は山本友一です。 この人は1910年生まれ、19歳の時に窪田空穂の創刊した「国民文学」に入会し、松村英一に師事しました。その後、香川進らと「地中海」を創刊。「国民文学」も「地中海」も、今でも続いている短歌結社なのですね。 満州鉄道に勤務していた頃に日中戦争が開戦、現地で召集されました。その頃の経験を詠んだ戦争詠が高く評価されているそうです。 さて、今回も小学館の昭和文学全集35に収められている歌を読んでいきます。 本書には、「布雲」から49首、「

          詩歌ビオトープ026:山本友一

          好きな大阪の曲

          前に河島英五の「時代おくれ」という曲が好きって話しましたけど、なんか、好きなんですよね、大阪っぽい曲が。 まあ、一般的にはやっぱり大阪の曲といえばドリカムの「大阪LOVER」なんですかね。あの曲いいですよね。大阪の歌って大阪を舞台にした歌と関西弁をうまく使った歌の2パターンがあると思うんですけど、「大阪LOVER」は両方をうまく取り入れてますよね。さすがドリカム。 そのほかで大阪の歌といえばやしきたかじんですよね。「たかじんnoばぁ〜」好きだったなあ。 僕はやしきたかじ

          好きな大阪の曲

          面白い話はどうすればできるのか

          今日は、すごく好きな本の話をします。米原万里さんの「必笑小咄のテクニック」という本です。 米原万里さんといえば、ロシア語の通訳者でありながらたくさんのエッセイを書いた方としてよく知られていますよね。 本書は、そんな米原さんがどうやって面白い話を考えているのかを包み隠さず教えてくれている本です。 面白い話ができるかどうか、というのは、実はそれなりにテクニックの問題なんですよね。でも、そんなこと言うと必ず「いや、ほんとの面白さというのはそういうことではない!」てなことを言っ

          面白い話はどうすればできるのか

          恋愛でもお笑いでもないコンテンツ

          結構前からずっと考えていることなのですが、どんなジャンルであれ、コンテンツとして絶対強いのは恋愛とお笑いですよね。恋愛に絡めて人の共感を引き出せる人や、面白いことを言える人は強い。 でも、僕はどっちも自信ないんですよね。そのどっちかに自分を振ってその方面の猛者に勝てる気がしない。 じゃあ、どうしたらいいんだろう。そういう人は、どんなコンテンツを生み出せるのだろう。そんな奴が表現しようとすんじゃねーよと思われるかもしれないけれど、でもしたいのはしたいのだから仕方がない。

          恋愛でもお笑いでもないコンテンツ

          詩歌ビオトープ025:佐藤佐太郎

          詩歌ビオトープ25人目は佐藤佐太郎です。 この人は1909年に宮城県で生まれました。大学卒業後に上京して岩波書店に入社、この頃斎藤茂吉に師事して「アララギ」に入会します。1945年には岩波書店を退社し、自らの第一歌集の名を冠した歌誌「歩道」を創刊しました。この「歩道」は今でも精力的に活動しているようですね。 さて、今回も小学館の昭和文学全集35に収められた歌を読んでいきます。 本書には第一歌集の「歩道」から58首、読売文学賞を受賞した第五歌集「帰潮」から59首、晩年の歌

          詩歌ビオトープ025:佐藤佐太郎

          詩は物語ではない、のか

          先日、岡井隆さんの「今はじめる人のための短歌入門」という本を読みました。こういうの、いくつかちゃんと読んでおこうと思って。 で、その中にちょっと気になった言葉があって。それは「歌の中で物語ってはいけない」ということなのですね。 短歌というのは詩であり、詩は物語ではない。詩は、感情を詠むものなのだ、と岡井さんは言うのです。物語ではなく自分を詠め、と。 そうなのかあ、と思って。それは確かに、そうなのでしょうね。 でも、とは言うものの、僕はちょっと「うーん」とも思っているの

          詩は物語ではない、のか