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日本語でソネットを書くということ その2 ソネットの歴史

さて、ではそもそもソネットとは何か、その歴史について考えてみます。

wikipediaによると、実はソネットには発明者がいるそうです。13世紀のイタリアの詩人ジャコモ・ダ・レンティーニという人なのだとか。

この時代には、ほかにも「神曲」のダンテなんかもソネットを書いていたそうです。しかし、もっとも有名なのは14世紀の詩人フランチェスコ・ペトラルカです。

ペトラルカが確立したソネットのスタイルは、前半部の8行連(2つの4行連)で問いを提起し、後半部の6行連(2つの3行連)で答えを与える、というものでした。それを前半部は「a-b-b-a, a-b-b-a」、後半部は「c-d-e-c-d-e」か「c-d-c-c-d-c」、「c-d-c-d-c-d」の形で韻を踏む、というものでした。

このソネットという詩型が最初にイギリスに輸入されたのは16世紀で、トーマス・ワイアットという詩人だったといわれています。

同じ頃、サリー伯ヘンリー・ハワードという詩人も英語でソネットを書き始めました。ワイアットがイタリア風の押韻を踏襲したのに対し、ハワードはよりイギリス風の、英語に適したソネットを模索しました。

そうして16世紀にはシェイクスピア、17世紀にはジョン・ダンやミルトンといった人たちがソネットを書くようになります。

シェイクスピアは「a-b-a-b, c-d-c-d, e-f-e-f, g-g」という押韻構成を用いました。この構成はシェイクスピア風ソネットと呼ばれています。(考案者は実はシェイクスピアではなくミルトンだ、という説もあるそうです)

シェイクスピア風ソネットは押韻構成だけでなく、詩の内容もイタリア風(ペトラルカ風)ソネットとは異なります。シェイクスピアのソネットでは、言うなれば最後の2行がオチなんですね。それまでの12行はフリになっている。つまり、よりドラマチックなのですね。

そのほか、エドマンド・スペンサーも自身の構成でソネットを書き、それはスペンサー風ソネットといわれています。

スペンサー風ソネットの押韻構成は「a-b-a-b, b-c-b-c, c-d-c-d, e-e」というもので、シェイクスピアに似ていますが、内容はペトラルカ風で、前の8行が問い、後の6行が答えになっています。

さて、ここで問題は、じゃあなんでイギリス人たちはペトラルカ風ソネットの改変を試みたのか、ということです。

その話は、次回に続く。

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