結局離婚が悲しい

結局3年くらい前から親の離婚の悲しさがずっと癒えていない。直後は割と平然としていたが十数年生まれてからあったものがなくなったのが辛かったのかもしれない。人と一緒になら薬を飲まずに寝られるようにはなったが、ほぼ毎日家族を助けられずみんな死んでしまうような夢を見る。両親が不幸になってしまったこと、自分の帰る場所が無くなったこと、自分のアイデンティティの大きな一部だったものがなくなった自己喪失感など。私が中学生くらいの頃までは本当に仲が良く毎週末みんなで出かけ、長期休みは必ず旅行しにいく家族だった。高校頃から毎晩の喧嘩が激しくなり夜な夜な父親の怒鳴り声や母親の泣き声が聞こえてそれに耳をそばだてながら眠るのが当たり前になった。だんだん夜寝る時だけ幻聴幻覚幻触が始まり体が一回転する感覚やベッドから引きずり下ろされそうになる感覚、額を触られたり水が降ってくる感覚や党内爆発音症候群に該当すると思われるだろう(寝ていると段々恐怖感が高まってきて、動悸がし、段々飛行機の滑走路や人の悲鳴のような音がなり出し爆発音のように巨大になって目が覚める)様々な睡眠障害が始まって睡眠が大きな問題になり始めた。母親の泣き声がずっと聞こえて無視できずリビングに行ってみると誰もいないこともよくあり、その頃からリビングに行ったまま真っ暗な中で包丁で手首を薄く傷つけ始めたりそこら辺にあるものを手当たり次第食べるメンヘラ行動が始まった。離婚の後で様々な手続き上の変更や生活のいろいろな変化があった。姉は自分の生育家族を忘れたいとさっさと結婚した。父も母も姉も全員別の場所で暮らし、母贔屓だった姉は父ともう数年間口を聞いていない。私は父とたまに連絡を取るが、育てた人にそれはあるかと姉を罵ったり元気でいるか心配と寂しそうにしていたりする。家族全員が元に戻ることはない。1人で、昔住んでいたいくつかの街へ出かけその頃の気持ちを思い出す。悲しんでも仕方ないと分かっているのにいつまでもことあるごとに昔を思い出して悲しくなる。24歳で、大学三留で夢も目標もやる気も希望もなくダラダラ生きている。家族もばらばらになり、あとはみんな各々老いていくだけだ。母の日や父の日がやってくるたび、それぞれの日を思い出したり、街で家族を見たり家族関係のニュースや映画を見るたびに色々な思い出が蘇ってきて涙が止まらなくなる。これは私の人生だということがまだ信じられない。先日読んだSFC生の卒業制作の海辺のカフカ論で、カフカ少年もまた他の村上春樹作品と同じように離人感と共にあるキャラクターとして描かれているが、物語を通してどこまでも理不尽な自分の生を選んで引き受ける態度を取った時、解離状態から脱して世界とのつながりを取り戻せたとざっくり論じられていたのを読み、私もこの引き受けがまだうまくできていないのだろうと考えた。

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