見出し画像

みえないルール

やはり東京に来て1番良かったと思う事は自分の部屋を持つことができたということだ。部屋は所有者のルールに従って構成された部屋であり、同時に通常の来館者はその見えないルールをおかさないように緊張感を持って入ることになる。

つまり相手の部屋に入る事は相手のルールをみることになるのだ。

自分の部屋を作りたくなったのは藤本先生のアトリエに行った時だった。やっていけないと言う事は分かっているのでやらないのだが、心の中ではわざとジュースを倒したり、椅子を壊したりなど、ルールの際限を見るためにわざと間違えを起こしたり極端な行動を取りたいと思う瞬間が確実にあった。それは藤本先生の部屋に限らず劇場や演劇をの鑑賞中や街を歩いている時などもルールを犯してみたくなることがある。

持論なのだけれど、これはアートにも関係すると思う。普通の人間だったら踏み込みたくないと思うようなことも、自分はふみこんでしまいたいと思うことがあるのだ。自分自身を組み立てるのにとても良い行動なのだと思う。

余談だが、恋愛が上手な人は、恋人以外の他人にあまり介入しようとしない。ぼくみたいな、他人の部屋でルールを犯してみたくなるような厄介者は、恋愛に向いてないのかもしれない。