まだ20世紀の頃の話だ。
　まだ田舎に住んでいた当時、趣味でカーレースをよく見に行っていた。
　車で二、三時間走ったところにサーキットがあり友人とよく見に行っていた。
　出かける車は主に私の車を使っていた。
　当時四駆のオフロード車に乗っており、友人は基本スポーツカーだったから居住性なんかは私の方が良かったからだ。
　私の車なので自分が基本運転はする。
　しかしたまに友人が運転することもあった。
　田舎なので農道なんかは下手な国道より走りやすい道があった。
　ある日朝早くサーキット場に着くために日の登らない時間に出かけたのだがこの日は私の車を友人が運転していた。
　いつもの農道を暗い中走っていたのだが、友人はスポーツカーに普段乗っているのもあり結構スピードが出ていた。
　田舎道ではあるから道のつくりは走りやすくできてはいない。
　そんな中挙動が取られてカウンターを当ててしまいなんとか停まった。
　友人と顔を見合わせ、驚いたねぇとお互い呟いた。
　私がこの車でカウンター当てる走りするのは無しにしてくんない、と言ったら今度はゆっくり安全運転して走り朝も早くにサーキット場に着いた。
　運転に関しては友人を信頼していたからどうとも思わなかったが、思いがけない挙動にドキドキしてしまった。
　また別の機会だが冬にスキー場に私の車で向かっていた。スキー場に向かうくらいだから雪は積もっていた。
　普通に安全運転していたつもりだったがアイスバーンにタイヤを取られたかして制御できなくなりガードレールにぶつかってしまった。ガードレールの向こうは川で下手したら川に落ちていた。
　この時は何事もない感じでスキー場に行きスノーボードを楽しんだ。
　私も良い根性をしている。

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