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いたい、イタイ、痛い・・だけで無いヤバい映画「TITAN/チタン」

カンヌ国際映画祭でパルム・ドールを受賞した注目映画。過去には当時アカデミー賞も受賞したいた「パラサイト 半地下の家族」や「万引き家族」が選ばれている賞。
※カンヌは審査員が毎年変わるため、受賞作品の一貫性がないらしい。

■STORY
幼い頃、事故によって頭にチタンを埋め込んだアレクシアは車とSEXできるほどので異常な愛を持ちながら、近づいてくる人間は殺してしまう暴力的な人になってしまった。ある日、指名手配されたアレクシアは別人になりすます。妊娠しているにも関わらず、ある家族の息子として暮らし始めるが・・・。

■ネタバレ感想
冒頭の20分で続きが見たいか、見たくないかがハッキリと分かれます。

痛い過ぎる暴力に思わず目を瞑りたくなります。

耳に思いっきり棒刺して泡吹かせるわ、自分の鼻を折るために殴るは、妊娠しているのに自分で堕ろそうとするは、とにかく暴力表現がえぐい。
そのため近くにいた女性が冒頭のシーンで帰って行きましたので、過激な暴力シーンが苦手な方はおすすめできないです。

衝撃的だったのは車とのセックスシーンの直後に妊娠が発覚するんやけど、妊娠期間が経つにつれてアレクシアの体内から出てくる全てがエンジンオイルで表現しているんよ。
まさに車の種による子供が生まれるんじゃないかという理解が追いつかない展開に頭が混乱します。
そして、ラストのシーンに産まれるんやけど、その姿にも衝撃的。

さらに最後のエンドロールの真っ白なバック、あれも含めてまるで聖書、神の物語のような気がした。

アレクシアが息子として暮らし始めたころに、父親のヴァンサンが部下に対して「私は神だ、息子はイエス・キリストだ」というセリフも関連している気がする。


また、一見単純に痛々しい物語に見えるけども、よく見るとアレクシアの成長を感じることができるのが考え深かった。

前半は他者への暴力を行うアレクシアであったが、後半は妊娠しながらも無理やり体を縛り男性として生きるために自分自身に痛みをかしていた。自己満の他者への暴力から、自己犠牲の意識に変わっていったラストも見事だと思う。


表現が過激なんやけど、巧みでいろんな解釈ができる映画。
単純な感想は凄い映画見た、それに尽きると思う。

長編2作目となった監督ジュリア・デュクルノーさんはアレクシア役に世間的には無名の俳優を使いたかったため、インスタグラムでアガト・ルセルにオーディションのメッセージを送ったらしい。
次回作も気になる監督だわ。

そして映画と同じくらい良かったのが、パンフレットのデザイン。1ページごとの紙のサイズや角度が変えられているんやけど、おしゃれなデザインとなっている。

こちらはさすが個人的に去年最高だったミッドサマーのパンフレットをデザインされた大島依提亜さん。TITANのパンフレットのデザイン最高に好きでした。

正直パンフレットが買いたくて映画を見ましたから。

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