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たった一人と向き合う仕組みをつくる—UNION TOKYOが見据える未来のECとは

1989年、UNION初号店はニューヨークで産声を上げた。当初から掲げる「自分達が着たいと思えるブランドとファッションと機能性を併せ持つウェアを取り揃える」というコンセプトは30年たった今も引き継がれ、2018年には日本初となるUNION TOKYOがオープン。時代とカルチャーを越えて愛され続ける背景を伺うべくUNION TOKYOでCRM(Customer Relationship Management)を担当する横田さんに話を聞いた—。


複数のカルチャーが織りなすリアルクローズを届けたい

—UNIONとはどのようなブランドですか?

UNIONは、「ストリートウエア」という言葉がまだ一般的でなかった80年代にNYのSOHOエリアに開店した小さなショップから始まりました。当時から世界各国の洋服やスニーカーを取り揃えていて、人種や世代を超えたお客様に向けて、ラグジュアリーやストリート、垣根なく商品をセレクトしたミックスカルチャーなブランドであるという特徴は、30年たった今もずっと変わらないですね。
取り扱っているウェアも、たったワンシーズンで着られなくなってしまうような服ではなくて、5年から10年経っても変わらずに着ることができ、それ自体がヴィンテージとなりうるリアルクローズを届けていくことを目指しています。

ブランドのファンになってくれるお客様をみつけるための仕組み改革

—現在担当されているCRMとはどのような仕事ですか?

お客さん一人一人に、もっとUNIONのことを好きになってもらえるようにするにはどうすればいいかということを考えて追求していく仕事です。最近UNIONを知ってくださった方はもちろん、長年ファンでいてくれるお客様など、お客様の現在地に合わせて関係性を深めていくための仕組みをつくっています。

—実際のお仕事の内容について教えてください。

以前は、いろんなデータがバラバラのプラットフォームで管理されていたんですね。それでは、なかなかお客様のインサイトを探り、潜在ニーズを引き出すことができない。そう思って、まずはシステム全体を見直してデータを一元管理できるようにするところから始めました。
その流れでECのプラットフォームをShopifyに切り替えてAppifyでアプリもリリースしました。みえてきたデータをベースにして、お客さんと関係を深めていくためのOMO(Online Merges with Offline)施策を行っています。

—OMO施策として具体的にどんなことをされていますか?

ECや店舗でのポイントや顧客情報を一元管理できるVIP(by Appify)を導入しています。今後はそのデータを基にして、UNIONのファンでいてくださるお客様だけを店舗でのスペシャルイベントへ招待したりと体験型の施策なども検討しています。購入履歴を含めたデータがみえるようになってきたので、商品をたくさん購入していただいているお客様の中でも、スニーカーなどの限定商品だけでなく、オリジナルブランドを定期的に御購入頂いているような、リアルなUNIONファンのお客様の把握がしやすくなったのは大きいですね。

—他にもアプリを使った抽選販売もされていますよね。 

抽選販売をする際も、購入履歴や不正等を鑑みてUNIONが今後大切にしたいお客さんをきちんと精査できるようになりましたね。

購入体験のすき間を埋める

—CRMのお仕事をされていて、どんな時が一番楽しいですか。

データを扱っていて、新たな発見をして、お客様に喜んで頂けるような施策のアイデアを考えているときや、お客さんとチャットでやり取りしている際に、やり甲斐を感じる瞬間があります。
先日、プレゼント用の商品を購入される予定のお客様からチャットでご相談いただいて、「この商品のこのサイズは店舗にありますか?」という質問をいただいたんですね。ただ、ちょうどその時に店舗には在庫がなくて。それで、ECで購入いただくことをご提案したり。
お店に足を運んで頂いて在庫がなかったら申し訳ないじゃないですか。これってすごく些細なことのように見えますが、一人一人の購入体験をのすき間を埋めることもCRMとして重要な仕事だと思っています。

一人一人と深くつながるための未来のコマースを目指す

—未来のECはこうなったらいいなというビジョンはありますか?

最近考えているのは、もっとOne to Oneマーケティングをやっていきたいなと思っていて。今度、Appifyのアプリの中でもチャットができるようになるじゃないですか。それをうまく活用して、例えば靴を購入いただいたお客さんに、後日靴のお手入れの方法をチャットでお送りしたり。あるいは、商品をお気に入り登録している方にそのブランドや商品の魅力や背景のストーリーをシェアしたり。そうすることで、お客さん一人一人と、より深い関係をつくっていきたいと思っています。
店舗だと、実際にお客さんと世間話をしたりしながら関係性を紡いでいくじゃないですか。たとえECだとしても、ただお客さんが質問されたことにお答えするだけではなくて、一人一人に合わせた、より深いコミュニケーションができる仕組みをつくっていきたいですね。

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