かっこいい名前の定理

いや中心極限定理でしょ。常考。

……

これで終わりなのもアレなので、少し蛇足を。

だいたいの有名な定理は人の名前+定理で呼ばれるので、なんというか、海外の名前の方がかっこいい、特にドイツっていう変なアレがあるよね。例としてはコーシー=シュワルツの不等式と國田=渡辺の不等式だったら前者の方がかっこいい。……このふたつ似たようなもんなのになあ。

伊藤の公式もなんというか、日本人だからちょっとぴんと来ない。高木関数もだ。一方でワイエルシュトラスのベータ関数、ちょおかっこいい。シュワルツの超関数もかっこいいけど佐藤超関数はうーん……? っていう。

一方でボレル=カンテリの補題とかはいまいちかっこよさ感じないので、まあ海外だからいいって話でもないんだよなあ。ヘルダーの不等式もドイツ語圏っぽいのにコーシー=シュワルツの不等式の方がかっこいい気が。でもブニャコフスキー入れてコーシー=ブニャコフスキー=シュワルツの不等式って書くと一気にいまいちになる罠。コルモゴロフとかポントリャーギンとかスコロホッドはかっこいいのになんかいまいちだよね、ブニャコフスキー。

確率論とスコロホッドが出てきたんで言っておくとスコロホッドの埋め込み定理はクールな名前だと思う。でもポルトマントーの定理は……どうなのそれ。なんかダサくね? キー・ファン計量とかすごくかっこいいのにいきなりアレなんでちょっと脱力する。

これ関連で必ず話題になるのはカラテオドリ(空手踊りと見間違えられる)なんだけど、僕はローマ字で最初に見たのでこの見間違いに最初気づかなかったので、あんまりかっこ悪いという気がしてない。Caratheodory、かっこいい……かっこよくない? でもこの人ギリシア人だから本来はギリシア文字で綴られるべきなんだよな。

あとインド人はわりとかっこいい。ラマヌジャンは言うに及ばず、プラーマグプタの公式とかちょおかっこいい。ちょっと物理に脱線するとチャンドラセカール限界とかかっこよすぎでしょ。

フォン・ノイマンとヒルベルトはどこに出してもかっこいい。特に前者。ゲーデル=ベルナイス=ノイマン公理系とかフォン・ノイマンの正則公理とかフォン・ノイマンの中線定理とかノイマン=モルゲンシュテルン効用とか全部かっこいい。でもドイツ人ならなんでもいいかっていうと……デデキントの切断公理とか微妙……微妙じゃない?

フランス人だとポアンカレとルジャンドルとラグランジュは群を抜いてかっこいいと思う。ディリクレもいい。そういえばフェルマーの小定理とその拡張のオイラーの定理は文句なくかっこいいのだが、カーマイケル……うーん……?

まあしかし……微妙レベルのはあっても、さっきのカラテオドリを除けば、名前聞いただけで笑えるほどひどい定理はそんなに……と思ったところでこれどーん。

https://en.wikipedia.org/wiki/No-hair_theorem

ちなみに日本語だと「ブラックホール脱毛定理」って言います。最悪やん! ぶっちぎりでワースト一位が決まったところで今日はこれまで。みんなもかっこいい(あるいはかっこ悪い)定理見つけて遊ぼう!

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