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ハッタリと嘘の狭間で(第90話)

そして、いよいよ本番が迫っているということで、会場へ向かう。

リハーサルのときとは打って変わった雰囲気になっていた。

たくさんの人が入っていて、もちろん日本人は同行した人たち以外には皆無だ。

正直、俺はピッチで緊張したことはない。

このピッツバーグでのピッチのオーディエンスは200〜300人くらいだろうか。

それ以上の会場で話をしたこともあるが、強がりでもなんでもなく緊張よりも、せっかく時間を割いて来てくれた人に少しでも記憶に残る、来て良かったと心から思えるような時間を提供したいという気持ちが勝る。

英語縛りというのは確かに少々ナーバスにさせたが、その要因の大きなところはQ&Aがあり、そこも英語縛りだというところだった。

ただ、先にも述べたが、ここについては通訳ありということになったので、緊張という緊張は全くなかった。

むしろ、ステージから見る外国人だらけの光景に高揚したくらいだ。

あっという間にピッチは終わり、Q&Aも終わった。

結果は全く賞には引っかからなかった惨敗に終わった。

ネイティブたちの表現力に圧倒され、ただただ自分の小ささを露見するだけだった。

後から、大してレベルの高いピッチではなかったと海外のピッチ経験が多い人に教えてもらい、悔しさだけが残った。

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自己紹介

株式会社stakは機能拡張・モジュール型IoTデバイス「stak(すたっく)」の企画開発・販売・運営をしている会社。 そのCEOである植田 振一郎のハッタリと嘘の狭間にある本音を届けます。