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BUMP OF CHICKEN 25周年ライブSilver Jubilee0702感想① 〜 ファンとバンドの再会と、チャマのアレコレに寄せた戯れ言

本当に大事で、特別な友人とひさしぶりに再会できた。
大切だった居場所に、ようやく帰ってこられた。

そんな時間だった。


先に留保しておくと、ぼくがBUMP以外でこういう感情を知らないだけだから、きっと世の中のいろんな分野のいろんな場所で同じようなことが起きているんだろうけれど。

ぼくにとってのBUMPの楽曲は

小さな勇気でも、何かを照らせることがあるとを示してもらい(ランプ)
間違った人生に対して「生きていい」と言ってもらい(ロストマン)
やさしさが何かを教えてもらい(ひとりごと)

etc.etc…

ツラい時、苦しい時、どうしたら良いのか分からないときにこそ、そっと近くに居てくれて

「そっか、お前はそうなんだな」
「おれらもまぁシンドいけど、ぼちぼちやってるよ」
「誰が何て言っても、どんな状態に居たって、お前はお前で大丈夫だよ」

いつだって、そう風に言ってくれるように感じてきた。

今まで参加してきたライブもそうだったけど、今回特に感じたことがある。

きっとライブに居た何千人、何万人それぞれにBUMPに寄り添ってもらって生きてこられた時間や、曲の一節に救われたり勇気をもらった瞬間があって。いつだって彼らは、その一人ひとりに向けて、またそれぞれ特別な一瞬を届けてくれてるんだ。

間違いなく「みんなで場を共にしてる」んだけど、同時に「ぼくが・わたしが、BUMPと共に特別な時間を過ごしている」ことを確かに感じられる。

BUMPの4人と個々人が、細くて頼りなくても、たしかな糸で結ばっている。
あらためて、そんなつながりを強く感じられる大事な時間だった。


開演 

近年のライブツアーのような凝ったセットはなく、20周年ライブを思わせるシンプルなライブセット。

開演予定時刻の18:00を回って少し。
THE WHOのA QUICK ONEが流れる。

ただ、音楽を通じて、言葉を通じて繋がることしか手段を持たなかった頃の、演出のない舞台に4人が上がってくる。

ふじくんが、2年半振りにギターを右腕で高く掲げた。

歓声は、湧かない。湧かせられない。
けれど、もはや幻聴で補完できるくらい見たかった光景だ。

この2年、「普通」が大きく変わってしまった。
できなくなってしまったことが、たくさんあった。

今日だって声は張れない。
だから精一杯、拳を揚げる。内出血しそうなくらい手を叩く。
足りない。届かない。

ふじくんが「やっと会えた」と言った。
「この看板の誕生日を一緒に祝って欲しかった」と言った。

ホントだったら去年やりたくて、今年の2月にもできなくて。
もう27年目に両足を突っ込んでしまった25周年ライブ。

それでも、ぼくらは此処に居させてもらえたことが嬉しくて、
また一緒の空間で過ごさせてもらえる喜びでいっぱいでいたこの感情は、
ステージまでちゃんと届いただろうか。

ぼくらは、ちゃんと返せていただろうか。

ー 僕の見た君を 君に伝えたい  君がいる事を きみに伝えたいー


メンバー紹介

今回の特別さは、コロナ後初のライブというだけじゃなかった。
チャマのやらかしが発覚してから初の、ファンの前に立つ機会。

どうなるんだろう、どうするんだろう。というのは、ぼくだけの関心じゃなかったはずだ。

いつもだったらMCを務めるチャマは、ここまでひと言も発さない。

基本的にはふじくんが喋り、ヒロも相変わらず下手なりにいつもより頑張ってしゃべる。(ヒロはホントになんで未だに顔も印象も中学生みたいな感じでいられるんだろう‥?)
ひでちゃんは、マイクを通しては喋らないキャラをぶらさなかった。

「喋らないチャマ」を除いて、全然いつも通りじゃない3人が、できる限り「BUMP OF CHICKENの以前通り」を整えようとしていた。
演奏も、ふじくんを含めバンド全体が普通にはできていなかった。
悪いというわけじゃない。むしろいつも以上に丁寧に、気持ちを込めて。

ふじくんからの振りで、チャマに紹介が渡る。
客席側も、バンド側も緊張が一瞬にして高まる。

BUMP OF CHICKEN、ベース。直井由文が
「ご迷惑・ご心配をおかけしました!」と、深々と頭を下げた。

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BUMP OF CHICKENを、特別に感じている人。大切に思っている人は、本当に多いと思う。

でも不倫する人は(残念ながら)珍しくないくらいにはいるし、ぼく自身にとっては(失礼な話だけど)チャマがそういう人間であったことは、特段驚くには当たらなかった。

けれど、弱さを肯定してもらい・寄り添ってもらうことで生きてこられたと感じている人の中には、どうしても彼の行った ー メンバーもファンも裏切るような形で、周りの人を傷つけながら自分の快楽・充足を優先した ー ことを許せない人がいるのも、十分わかる。

BUMPは、ふじくんは、ひろは、ひでちゃんは。これをどう扱うんだろう‥?

どこかのインタビューでも既に語られているけれど、解散するという選択肢もあったと思う。

今回のライブ中、ふじくんは(もちろんヒロやひでちゃんも)一度も、チャマに謝ることを強いなかった。その件に触れることもしなかった。

あの件で、BUMPは少なくないのファンを失ったかもしれない。
それでも掛け替えのない仲間を彼らは大事にしたんだと、あらためて思い知った。

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深々と頭を下げたチャマに対して、ファンから止まない拍手が鳴り響く。

会場にはきっと、許せない感情を抱いてた人も居たと思う。
なぜ彼に止まない拍手が送られるのか、怪訝に思った人も居たと思う。

それでも、あれは「赦し」だと感じて良いと思う。
ぼくらの過去の誤ちや消えない傷に寄り添ってくれた人たちこそが、BUMP OF CHICKENだったんだから。

赦されたって消えないのかもしれいけれど、消しちゃいけないのかもしれないけれど。
それでも「大丈夫」だと伝え返したのが、あの拍手だったんじゃないだろうか。

ー 大丈夫だ あの痛みは、忘れたって消えやしない ー


思っていたより大長編になってしまったので、何回かに分けて書くことにします。楽曲に対しての話はまだ何にも書けてないし、舞台の裏方に居た人たちへの感謝も書き残したい。

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