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M&Aのプロフェッショナル集団、株式会社Stand by C。M&Aにまつわるトピックスを紹介していきます。 【公式HP】https://standbyc.com/

マガジン

  • 顧問税理士が知っておくべきM&Aの会計・税務

    顧問税理士として、後継者がいない関与先企業のM&A(売り手サイド)にどのように取り組んでいくべきか、数回にわたり紹介していきます。

最近の記事

顧問税理士が知っておくべきM&Aの会計・税務~(その5)経営者の手取り額を増やすための方策

経営者にとっては、事業承継によって自分の手元にいくらの資金が残るかは、大きな関心事でしょう。 経営者の手取り額は、譲渡対価(株式売却額または事業譲渡額)から税金費用や仲介会社等への手数料を差し引いた金額ですが、譲渡対価は事業価値をもとに買い手との交渉で決まるものであり、売り手である経営者の一存で決められるものではありません。 一方、税金費用の決定要因となる事業承継スキームについては、売り手である経営者がある程度主体的に決めることができます。 そこで今回は、事業譲渡、株式譲

    • 顧問税理士が知っておくべきM&Aの会計・税務~(その4)事業承継の手法

      会社の事業を承継先に移転するには種々の方法があり、どの方法を採用するかは基本的にはFAが検討する事項ですが、税金面について顧問税理士として意見を求められる場面も出てくるので、この点も抑えておくべきでしょう。 実務上よく使われるのは、株式譲渡と事業譲渡です。今回は、両手法の概要と経営者の視点から見た税務面の差異について解説します。 1.各手法の概要(1)株式譲渡の概要株式譲渡は、対象会社が発行する株式を買い手(事業承継先)へ譲渡する方法です。株式譲渡によって、経営者は会社の

      • たくましい経営者 ~後継者問題~

        ずっと連絡が取れなかった友人と先日久しぶりに会うことができました。 連絡先がわからなくなってしまってから随分経っていましたが、ふと名前をネット検索してみると今も会社を経営していることが分かり、電話で連絡して会いに行きました。 約20年ぶりの再会で、現在に至るまでの話を聞きましたが、これが波瀾万丈なストーリーでした。 要約すると40歳前半で経営していた会社が倒産。経営していたとはいっても前経営者から引き継いで間もなく、借入金の返済ができなくなり、自身も自己破産。自宅も手放

        • 顧問税理士が知っておくべきM&Aの会計・税務~(その3)取引価額とは?

          今回は取引価額について解説します。株式譲渡を前提とすると、取引価額は専門用語では“株式価値”と言います。企業価値と書かれた出版物も散見しますが、本稿では“株式価値”を用いることとします。 株式価値の算定手法は様々ありますが、中小企業のM&Aでは、時価純資産額にのれんとして営業利益の3年分程度の金額を乗せた金額を取引価額とすることが多いです。 なお、これは相続税評価額とは異なるものであり、M&Aでの株価評価で相続税評価額を用いることは基本的にはないと言えるでしょう。 下記4

        顧問税理士が知っておくべきM&Aの会計・税務~(その5)経営者の手取り額を増やすための方策

        • 顧問税理士が知っておくべきM&Aの会計・税務~(その4)事業承継の手法

        • たくましい経営者 ~後継者問題~

        • 顧問税理士が知っておくべきM&Aの会計・税務~(その3)取引価額とは?

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        • 顧問税理士が知っておくべきM&Aの会計・税務
          5本

        記事

          顧問税理士が知っておくべきM&Aの会計・税務~(その2)M&Aにより経営者が受け取る金額とは?

          顧問先の経営者から、「先生、うちの会社を売ったらどのくらい入ってきますか?」と質問されたら、どのように答えるべきでしょうか? M&Aによる事業承継を検討するに際して、従業員の雇用や取引先との関係の継続も気になるポイントですが、経営者の引退後の生活を考えるとM&Aによってどのくらいの手残りがあるかも重要な判断材料と言え、いつこのような質問を受けるかわからないので、予め回答の準備をしておくのが良いでしょう。 株式譲渡を前提にした場合、株式の売却額が経営者の手取額と思ってしまうか

          顧問税理士が知っておくべきM&Aの会計・税務~(その2)M&Aにより経営者が受け取る金額とは?

          顧問税理士が知っておくべきM&Aの会計・税務~(その1)顧問税理士としての役割

          はじめに平成30年度税制改正によって事業承継税制の特例制度がスタートし、一定の条件の下に贈与税・相続税の納税猶予および免除が可能になりました。しかし、この制度は後継者がいることを前提としているため、そもそも後継者がいない場合には別の手段によって会社を引継いでくれる人または会社を見つける必要があります。その手段のひとつがM&Aです。 関与先に後継者がいない場合、どのような出口戦略が考えられるか、つまり、M&Aや会社の清算などを顧問先の経営者と話し合っておくことが必要です。

          顧問税理士が知っておくべきM&Aの会計・税務~(その1)顧問税理士としての役割

          "Be Prepared"~事業承継への備え

          「Be Prepared」とは、ボーイスカウト活動における指導者のモットーとして「そなえよつねに」と訳されています。 「そなえよつねに」~準備が大切であることはわかっているのですが、まだいいだろうと先延ばしにしていることはたくさんあります。 例えば災害について、いつ来るか分からない地震に備えて、高いところに置いてあるものを片づけたり、家具を固定したり…いつかやらなければならないと分かっていても、台風の進路のように危険が目に見えないと来週に、来月に、来年にと先延ばしにしてし

          "Be Prepared"~事業承継への備え

          企業経営者の孤独~事業承継の相談は誰に?

          経営者は孤独だろうと感じることがあります。 もちろん相談相手もたくさんいて、寂しくなんかないよという経営者の方もいらっしゃるでしょう。 企業として従業員を雇用した時から、経営者としての自覚と責任が生まれ、他人には相談できない悩みや苦労を抱えるののではないかと思います。 第三者に事業承継し、経営権を譲渡してリタイアされたあるオーナーさんから「個人保証も解除されて本当に安心している。これで手形決済の心配もなくなった。現役の頃は良いこともたくさんあったが、資金繰りには苦労した時

          企業経営者の孤独~事業承継の相談は誰に?

          M&A今昔あれこれ

          ※当記事は2021.7.1にメルマガ配信されたものです。 ① M&Aの手続きあれこれ 現在では広く「事業譲渡」と呼ばれていますが、2006年の会社法改正前は「営業譲渡」と言うのが一般的でした。 手続きも異なっており、営業譲渡で事後設立に該当する場合は、株主総会の特別決議と検査役の調査も必要でした。 会社法の改正により検査役の調査は不要となりましたので、経験された方は少なくなってきているかもしれませんが、私は検査役の選任を裁判所に申請したことがあります。コストがかかりす

          M&A今昔あれこれ

          M&A契約における表明保証と保険

          今回のテーマは「表明保証とその保険」です。 M&A契約における表明保証とは、一方の当事者が相手方当事者に対して、契約締結日や譲渡日などのある一定の時点における、当事者自身に関する事実及び契約の目的となる対象会社の事業の状況や法的地位、財務内容等に関する事実について、当該事実が真実かつ正確であることを表明し、保証することをいいます。 バイサイドは、クロージングに向けて財務や法務のデューデリジェンス(Due Diligence、対象企業の資産等を精査すること)を実施しますが、

          M&A契約における表明保証と保険

          のれん M&A後の成長を見通せるか?

          今回のテーマは「のれん」です。 暖簾(のれん)とは、商店の店先に日よけや目隠しなどのために吊り下げる布のことを言います。商店の入口などに営業中を示すため掲げられ、屋号や商号などが染め抜かれていたことから、暖簾はしだいにその店の信用も表すようになったと云われています。不祥事などが原因でその店の信用等を失う事を「暖簾に傷が付く」と言うのはご存知でしょう。 威張っている武士でも商店に入る際には暖簾をくぐって商人に対して頭を下げさせるために暖簾を下げていたという説もあるようですが定

          のれん M&A後の成長を見通せるか?

          M&A価格交渉のかなめ、企業価値評価

          ※当記事は2021.4.12にメルマガ配信されたものです。 今回のテーマは企業価値評価です。 企業価値評価(株式価値評価)の算定手法は、 ・インカムアプローチ ・マーケットアプローチ ・コストアプローチ  の3つに大別されます。どの方法により評価を行うかは、評価の目的や対象となる会社の業種や状況に応じて選択することになります。 各算定手法の仕組みや特徴を理解することは、実際のM&Aにおける価格交渉等でも役立つと考えられます。 インカムアプローチは、算定対象が生み出す将来

          M&A価格交渉のかなめ、企業価値評価

          M&A契約の始まり ~秘密保持~

          ※当記事は2021.3.29にメルマガ配信されたものです。 株式会社StandbyCの平川卓二です。 福岡では桜の開花が進んでいましたが、先日の強風で散ってしまったところも多いようです。桜が咲いているのを見ると、卒業そして入学という別れと出会いの時期であることをあらためて感じます。 私のプロフィールについてはStandbyCのホームページをご覧いただければと思います。 たまたま譲受側の担当者として約20年間M&Aに携わってきました。 契約の当事者であったからこそ、譲渡

          M&A契約の始まり ~秘密保持~