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みんなで創る 新しい学校の創り方

こんにちは!タノ🦒です。
今日はこれから来週の意見交換会のための資料(小学校ver)を作成します。
「どのような学校にしたいか?」という内容です。

大元は昨日実施した中学校verを元にするため、
大きな変更はありません。

ですが昨日の会を踏まえて、
もう一度学校教育の今度の形を考えてみよう
と思います。

この約1年、ありがたいことに全国の教育対話に参加し、
グラレコ等、仕事も含めて記録をつくりました。
東京・愛知・長野・大阪・福岡・全国。
どれも未来の教育についての話です。

これらを一度振り返りながら、
これからに必要なことをまとめます。

①向かうべき方向
②制度的にやってOKな枠
③進み方(縦・横・面)の話

この3点で記述していきます。


1.これまでの記録

大小含めて年間数百の記録を描きます。
今回は「主に仕事や活動で関わった教育対話」の記録です。
数十〜数百人の方が参加したものについて記載します。

また参加者も子どもから大人、
教育長・知事・保護者・教員・民間など多様です。
多面的に見ていければと思います。


・信州学び円卓会議
ここでは教育の当たり前を問い直し、
ゆとりと自由を実現する仕組みを作ること。
自治と連携を両立させながら、
多くのステークホルダーが多方面から変えていくフェーズへ。

信州学び円卓会議@長野 全6回及び2回の円卓会議で子ども〜大人、立場を変えた方々が話す、現在進行中の長野県全体の意見交換会及び円卓会議

子どもアドボカシーの実践
子どもの人権について。
あらゆる場面で「自分の声を伝える」「自分で決める権利」が国際法で定められ、日本も批准している。
時間とゆとりをつくり、参画することが重要。

子どもアドボカシーの実践@新宿

教育長・校長プラットフォーム@大阪
学校改革について「自助・共助・公助」について、
できることは実はたくさんある。
「働き方改革の向こう側」のテーマの中、
「任せ切る」をキーワードに目指す学校を自分たちで作っていく。

教育長・校長プラットフォーム@大阪

教育の未来を考える会@Benesse(東京・名古屋・福岡)
Benesseさん主催の会。全国で実施。
各会を経るごとに内容は「本物に触れる」「ビジョンを決めて実行する」という文脈に進んでいると感じる。
「生徒を主語にする」や「良い意味での属人性」についてもキーワード。

教育の未来を考える会@Benesse(東京・名古屋・福岡) 2~4回に参画

部活動を考える会@愛知県布袋中学校
愛知県布袋中学校の教頭長瀬さんことナガさんと。
数年に渡り部活動を地域や保護者、学校全体で競技。
少しずつ少しずつ、新しい形を提案し、試し、話しながら創り上げてきている。

部活動を考える会@愛知県布袋中学校

先生のマイプロジェクト フォーラム@全国
全国の先生や教育実践者が自らのテーマを持ってプロジェクトを実践。
働き方改革について表彰された先生も。
「自由と可能性」「バイアスを手放しネジを外す」をキーに、
学校内外から新しい形を実践し、シェアしたプロジェクト。

先生のマイプロジェクト フォーラム@全国

経済産業省 未来の教室
経済産業省の未来の教育において、
全国の教育長や委員会の方々が繋がりアクションを起こす取り組み。
画像は鎌倉市の高橋さん(ヨウヘイさん)。
ミッションをみんなで決めて、進んでいくあり方について。

経済産業省 未来の教室@全国※画像は鎌倉市のヨウヘイさんがお伝えしたこと

TOCHIGIVA@栃木
栃木のヨシムネさん主催の会・イベント。
高安さんがいらっしゃった時に業務の棚卸しワークショップを行った。
業務を手放す、新しくするためには、時間を作って棚卸しすることが必要。

TOCHIGIVA@栃木

子どもたちに民主主義を教えよう 工藤勇一さんと100人の対話
Sharing Learningさん主催の会。
工藤勇一さんをゲストに対話を行う会。
「民主主義」「当事者意識」をテーマに話し合う。
上位概念を掲げた上で、心の教育ではなく、理性的に対立を乗り越えて合意に進む道についてをがキーワード。

子どもたちに民主主義を教えよう 工藤勇一さんと100人の対話

ほぼ教育最前線(@ラジオ 蓑手さん)
HILLOCKの蓑手さん(みのさん)がゲストのラジオ番組。
「どうしても」を伝え合う中で「自分で決める」ことを大切にしたオルタナティブスクールの実践や思いについて。
異年齢で、みんなが自分の学びを進め、伝え合いながら成長する学校の姿が見えた。

ほぼ教育最前線(@ラジオ 蓑手さん)

AI時代の新たな学びについて考える@愛知教育大学
日本の急速に進む教育情報化について。
AI・GIGAの現状と、それに合わせた教育について。
教育の形は「学び」自体が変わり、日常のものになっていく。
「学びのエンジン」や「個別最適化」をキーワードに、
教師の役割を含めた環境や場の転換が必要。

AI時代の新たな学びについて考える@愛知教育大学

なぜ、いま教養を身につけ歴史を学ぶのか?@Benesse
メディアについて、歴史教育についてがテーマ。
暗記による歴史ではなく、
「問いながらストーリーとして歴史について学ぶ」
「一方通行ではなく相互性」こそが豊かな学びになる。

なぜ、いま教養を身につけ歴史を学ぶのか?@Benesse

2.記録から見えるビジョン

・・・なんというか。
自分で描いておきながら、よく描いたなぁと思います。
各イベントでこの5倍位描いているので、上記だけでも50枚位あります。
※いつかまとめてみます

ほとんどが2023年〜2024年の記録です。
1つ1つを振り返ってみると、関連性やビジョンが見えます。

大まかなテーマとキーワードをまとめると、
①一方通行ではなく相互性
ゆとりと時間が必要
学ぶ選択肢を増やす
④そのためのノウハウを得ながら環境やあり方を変える
⑤新しい形を作るための裁量権は実はかなりある
⑥そのために様々な立場で対話して納得できる上位目標(ビジョン)を決める
⑦増えた選択肢から上位目標に沿いながら「自分で決める」教育を実現する

こんな感じでしょうか。
民主主義でも子どもの権利条約でも、
「自分の声を伝える」「決める」は揺るぎません。
そこに対価はいらないと国際的に決まっている。


さらに、まとめると、

全てにおいて裁量権とノウハウが必要で、最初に「ビジョン」を対話で決める。その上で、ゆとりと時間をなくさないように、学ぶ選択肢(相互性を含めて)が増えるように環境やあり方を変える。
そうして「自分で決める」教育を実現する。

ということが見えてきます。


3.裁量権や前提条件

(1)でも変わらないのはなぜ?

では、ここまで分かっていてなぜ変わらない(変わりづらい)のか?
この点については、長野県知事の阿部守一さんも仰っていました。

伺った内容を元にタノなりにまとめると、
「ここに向かいたいという合意形成までは辿り着ける。だが、ここから”教育という多種多様な人が権限を持ち関わるものをどうやって変えていくか”で止まってしまうことが多い。それが日本中で起きている。ここを突破したい
ということでした。

合意形成までも時間がすごくかかる。
その上でその合意したものを
①全員が納得できるようなビジョンにし
②世界一多忙な学校の中でまず時間を確保し
③ノウハウを得ながら試行・改善していく
④全てをトータルで捉えて新しい形にする
という超絶地道なロードマップがあります。

これだけでも大変な中、立場が違う人が集まれば、
・これまでのしがらみ
・伝統やなかなか動かない人との対立
などが生まれます。

これらは結局「対人」です。
たった一人では解決できないことばかりです。
だから、日本中で、一人で立ち上がった人が諦めてきました。

ですが、今風向きが変わってきました。
オンラインによって一人一人が繋がり始めました。
一人ではなく仲間が増えて、チームになってきました。

学校だけでなく、保護者、行政、地域、さらには文部科学省すらも繋がってきました。

さらに、二項対立ではなく、課題解決でもなく、
「ビジョンを描いてそこにみんなで進んでいく」
という考え方やノウハウも少しずつ広がってきました。

「これを私はやりたい!みんなやって!」や
「決まっているから仕方なく」ではなく、
「〇〇のためにみんなでここに向かいたい、あなたの力を貸して欲しい」
という文脈の中で決めていけそうです。


(2)裁量権について

「〇〇だからやらない」は簡単。
一方で「でも、できないんでしょう・・・」
という制度的な面もあると思います。

その中には透明な見えない鎖のように、
本当はやっていいものも含まれています。

例えば最も話題に上がるのが「時数」。
下記に資料も載せますが、結論から言えば、
「年間1015時間でいい。余剰はいらない」
「教育的配慮があれば1コマの時間は変更可能」

です。

インフルエンザ等の閉鎖期間があって、
終わらない場合があっても問題はありません。


https://www.notion.so/1-e5d55ca527ed4a43997840f1a4240029?pvs=4#a729e5e735974b7f963bcaaee3a2fc8e

Q.総則第3の3「各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は、各学校において、各教科等の年間授業時数を確保しつつ、児童(生徒)の発達の段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮して適切に定めるものとする。」について、**毎朝15分の学習時間を設定し、週3回計算ドリルや新出漢字の学習を行って、授業時数を1時間とカウントする**ことや、**毎朝15分の授業を1時間目に組み込み60分授業とする**ことは可能でしょうか。

A.学習指導要領の第1章 総則に規定されているとおり、「児童(生徒)の発達の段階及び各教科等や学習活動の特質を考慮し、」当該学習活動を指導計画に適切に位置付け、教育的な配慮に基づいた判断を行った上で、**そのような授業を行うことは可能**です。
!https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/qa/__icsFiles/artimage/2009/03/31/c_edu03_12/icon_a.gif
この規定は、たとえば、観察や実験の際の理科の授業は60分で行ったり、計算や漢字の反復学習を10分間程度の短い時間を活用して行ったりするなど、**児童(生徒)の発達の段階や、各教科等や学習活動によっては授業時間の区切り方を変えた方が効果的な場合もあることを考慮**して設けたものです。
ただし、「年間授業時数を確保しつつ」とは、あくまでも授業時数の1単位時間を45分(小学校)または50分(中学校)として計算した学校教育法施行規則別表第1(第51条関係)及び別表第2(第73条関係)に定める**授業時数を確保するという意味**であることに留意し、**授業時数を確保する必要**があります。また、1単位時間を弾力的に編成する際には、教科や学習活動の特質に照らして妥当かどうかの教育的配慮に基づいた判断が必要であることは言うまでもありません。

上記に照らし合わせながらも色々不安や、
「と、言ってもどこまで可能か?」
という意見をよく聞きます。

どこかにまとまっている記事はないかと思い、
2009年の古い記事になりますが、
福島県の記事がとてもマッチしていました。

驚くべきことは、2009年という10年以上前から、
課題意識も方向性も手立ても同じということです。

禅問答っぽいですが、指導要領や法律は、
裁量権を認めるために弾力的に書かれています。
これは文部科学省の担当の方が複数名、すでにそう仰っています。

それを目指す学校像に合わせて解釈をすると、
「なるほどしっかりと計画を”すれば”やっていいんだ」
ということが分かります。

ここが肝で、
「といってもできないでしょ」というバイアスがあれば「やってはいけない」ように読めますし、「やってみよう」と思いながら読めば「こうすればやっていいんだ」ということが言えます。


(3)やってみようぜ

上の立場の人が言ってくれないと」という状態だと、
「主任が言ってくれないと」
「校長が言ってくれないと」
「教育委員会が言ってくれないと」
「教育長が言ってくれないと」
「文部科学省が言ってくれないと」
「文部科学大臣が言ってくれないと」
「総理大臣が言ってくれないと」
となってしまい、最終的には、
現場から声をあげてくれないと」という、
無限ループに入っていきます。

実際元大臣でもそんな感じでした。
もう十分過ぎるほど声は上がっています。

要は「私が変えるよ。だから一緒にやろう」
というポジティブな一歩が集まらないと変わらない。
不満は延々と消えませんから。

ちなみに不満があること自体はとっても前向きです。
なぜなら課題が見えていて、怒りもある。
その怒りのパワーは原動力になります。

ただ怒りのまま放出すると良いことはありません。
攻撃になるからです。
それを「ポジティブな一歩」に変えることが大事だと感じます。

4.進み方

最後に進み方です。
では「一人のポジティブな一歩」を、
「みんなで進む一歩×100」にするには?

具体的にいきます。

(1)最上位目標を決める

まずは、各自治体にある、
「教育大綱」や「教育プラン」を持ってくる。
そこに目指すための指針が書いてあります。

そこを読み解きながら、準拠する形で
それぞれのチーム単位での「最上位目標」を決める。

学校教育目標などが、
ただのスローガンになっているケースが多い。
そこをまずは時間をかけて創っていく。

「みんなが明日も通いたいと思える学校はどんな学校ですか?」
という問いの元で話してみる。
色々な立場の人で話し合って納得解を作ります。

経験上、おそらく似通ったものが導かれます。

(2)そのための手段を考える

そのための実現したい要素を考えます。

「時間づくり」や「居場所」「授業づくり」「研鑽」「対話」など、最上位目標に紐づいてたくさんの要素が上がると思います。

次に「自助」「共助」「公助」で考え、
「共助」でできることを考え、プロジェクト化します。

それぞれのプロジェクトでまず進めてみる。
その時に「権限委譲」や「別の立場の人の協力」が必要になります。

(3)連携する

プロジェクトとして進める場合、
若手やベテラン、管理職を超えての協力はもちろん、
保護者、地域、委員会、行政など、
さらに力を合わせていく必要が出てきます。

ただし、時間がない中でそれは大変です。
また間に入る第三者が必要なこともあります。

外部コンサルやコーディネーターでも良いですし、
中立の人を加えることが重要になります。
対立しないようにビジョンへと修正しながら、まとめていく人です。

またノウハウがないとこう言った話は、頓挫しやすいです。
現実的には校内研究や分掌に位置付けながら、外部講師の予算枠組みを使って講師的な立場で呼ぶことが良いかと思います。

そうして年間を通じて計画的にチームにしていく。

(4)時間と計画

と、なった時に時間創出が必要です。
つまりカリキュラムマネジメントです。

教育課程の見直しをしないと時間は創れません。
ということは計画も当然必要です。

これを創るのは管理職ですので、
もし若手なら管理職と連携したり、権限委譲をしてもらったりすることが必要です。
さらに「連携」と関わりますが、
「校長会」や「委員会」の後ろ盾もあった方がいい。

内実が分からないと「何を勝手にやっているんだ」という指摘が入ります。
一方で内輪になれば「〇〇に気をつけて進んでください」になっていく。

【自分とは違うことをしている】と感じる方は、
それが大勢になっていたら「自分が取り残されている?」と感じて合わせる動きになっていきます。
2割位がやり始めて、3割くらいが真似し始めたらムーブメントになるかと思います。

(5)同時多発的に進める

その「自分が取り残されている」という感覚は、
同時多発的に動きがある時に起こりやすいです。

「隣の学校が何かやっているらしい」
「委員会から他校の紹介が届いた」
「校長会で話があった」
「今年は研究に新しい項目(働き方改革)が増えた」
「何やら若手が夏の研修に出たらしい」
「市内の研究会で話題になった」
「小中連携でその話題が出るようになった」
「PTAでそれに関する話し合いが行われている」
「コミュニティスクールで動きがあった」
など。

そうする内にモデル校ができて、
真似する学校が増えて主流になっていく。

「越境」がテーマになりますね。


5.最後に

もう21時!3時間位書いていました。
字数が7000文字近いです、、、。

ですが頭の中が整理できました。
「できる」ことは分かった。
「事例」を創って、
「同時多発的」に進めて、
「モデル」を創って、
さらに全国に広めていく。

私の力は本当に小さいものです。

でも、退職してまで「連携」と「ノウハウ」が欲しくて飛び出しました。
夢だった先生を辞めて、でも最後に戻るために。

当時小6の、教員志望の子は今高二です。
私にとって最初で最後の卒業生です。
教育実習に行くことがあれば、令和10年かもしれません。

夢が変わることはありますが、
その子も含めて、次世代により良いバトンが渡せるように、
これからも頑張りたいと思います。


こんなに長い記事を読んでくださった方。
一緒によりより未来を創れたらと思います。
これからもよろしくお願いいたします!


タノ🦒でした!またね!
これから資料作ります( ´ ▽ ` )/

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