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【不登校】拝啓、文部科学省様

誰一人取り残されない学びの保障に向けた不登校対策(COCOLOプラン)について:文部科学省 (mext.go.jp)

せっかく指針を出していただきましたが、
実質、取り残されるかもしれません。
現場からは以上です。

前提として「集団不適応」特性があるがゆえの不登校

ASD(おそらく孤立型と受動型ハイブリット)+場面緘黙症+感覚過敏(聴覚顕著)がある次女の
不登校/同伴登校・別室登校歴はもうだいぶ長いです。
(小1秋から小6に進級した現在まで)

おそらく発達特性由来で場に慣れるのに時間がかかるうえに、
聴覚過敏が出ると先生の指示が聞き取れず、
不安が強いために取り組めない活動(遊具の最上段まで登る、など※落ちたらタダじゃすまない高さ)があり、
注目を浴びるとさらに不安や緊張が高まり緘黙・緘動が出る。
そのうえ根が真面目なので「できなくてもいいや」とは思えない。
「心で泣きながら」(本人談)小1の1学期を過ごした彼女。

小学校入学前に保健主事の先生にある程度の特性をお話ししてあったのに、
それでも不登校突入時「正直ノーマークでした」と言われてしまった彼女。
(お話しした保健主事の先生、入学したら転任してた…)

当初、幼児退行に近い状態で床にはいつくばって何時間も泣きわめいてた。
あの頃には正直戻りたくない。多分本人も。
大人だったら過剰適応からの適応障害+抑うつ状態の診断が出るぞ、
という状態だったと思います。

そんな彼女への、小児科児童心理の先生からの助言は
「普通よりも少し楽なところで(過ごさせてあげて)」。
ずっと彼女を見てくださってるSCさん(小2でWISC-Ⅳを取った)が仰るには
「個別指導が適している」。
特性上、集団活動にとことん向いていない。プロのお墨付きです。

学校の提案を受けられないのは本人にマッチしないから

そんな中、支援級への転籍という話が出ます。
しかし見学に行った日に、廊下で所属児童が叱責を受けている声を聴いてしまった。
特性のある子にありがちだと思うんですが、彼女、「他人が怒られている場面」もダメです。
その時点で「これでは彼女はここにいられないね」と夫と意見が合致、環境を用意していただいたこともあり、別室同伴登校という道を選びました。
まあそれも時を重ねて入室できなくなりほぼ不登校ルートに確定するのですが。そして現在に至る。

現在に至るまでには時折個別指導を対応していただいてたんですが、
調子が良かった時に立てていただいていたスモールステップが本人にとってスモールではなかったのか、
はたまたなにか他の原因があるのか、
とにかく「教室にはもう入らない」と本人が固く心に誓ってしまいました。
何が原因なのかは本人も語らない。わからないけど入れない、と言う。

個別に対応してもらっている場でも、空気は読めるタイプなので(多動他害もない※脳内は多動かもしれない)一見「おとなしい(というか喋らない)けれど、指示を聞いてその通りに作業のできる真面目な子」としてやれてしまう。
ですが、それは指示を出してくる大人に対して質問も拒否もできず
(なぜならことばが出せないので)
「先生がそう言うってことはやらなければいけないんだな」と意志を汲んで
どうにか緊張しながら頑張って、その緊張しながらギリギリできただけの頑張りを
「成功体験=可能な行動」と支援者に認識され、さらなる課題が追加され、
緊張に緊張を重ねて崩れてしまったのではないかと推測しています。
本人が言わん(言語化が上手でない)のでほんと推測でしかないんですが。

学校側の提案を受けて、活動をして、今後うまくいく(彼女が成功体験を得る)ビジョンが見えない。
それはもう、これまでのやり取りを積み重ねたうえでの判断です。

次女と母の二人三脚

そんな次女が現在どう過ごしているかというと、

・基本は学習アプリ(e-board)を使用した自宅学習+挨拶のみ数分の登校
・発達障害専門の個別指導塾で学習の不得手(主に算数)を補填/隔週
・少人数NPOフリースクールで短時間活動/週1回半日
(・心理相談室でのプレイセラピー/週1回)

で、状態としてはすご~く落ち着いているのです。今。

児童心理の先生が言う「普通よりも少し楽なところ」で、
SCさんが言う「個別指導」を徹底した結果、状態が落ち着いた…というのが客観的な事実です。
4年の3学期にガタガタと落っこちた状態を1年で取り戻して、
なんならそれよりも良い状態に持って行った。

なんで良い状態って言いきるかというと、彼女、
今までわたし相手だとしても、行動上の交渉をすることはなかったんです。
でも、この半年くらいでそれができるようになった。
周囲の意見を忖度して受け入れるだけで過ごすのではなくて、
自分の意見を他者の意見とすり合わせることができるようになった。
まあ言うて相手は親ですけど、まずは会話が可能な相手と練習せんとね。

文科省の指針と学校・自治体の認識齟齬

という状態を報告しながら、新学期がはじまり
新学年の活動指針をすり合わせに行ったわけです。
冒頭のCOCOLOプランを携えて。

具体的にこちらの希望なんてのは

・一人一台端末の柔軟な運用を希望

の一点のみみたいなもんですけど。書いてあるんだもん指針に。できるやろ。上のお達しぞ。

でもこれはすぐに回答がもらえなかったし、
なんなら問題がもう一つ出てしまった。

NPOフリースクールの活動では出席認定が出せない。

聞いた瞬間笑っちゃいました。
なんだそれ。
本人に合う場所を一生懸命探した結果なのになんだそれ。
おかげでめちゃくちゃ成長してるのになんだそれ。

市の適応指導教室なら無条件で出席認定が出るのに、
活動内容にそんなに差があるんですか?

ちなみに文科省の指針ではこうです。

(2)当該施設は,教育委員会等が設置する教育支援センター等の公的機関とするが,公 的機関での指導の機会が得られないあるいは公的機関に通うことが困難な場合で本人 や保護者の希望もあり適切と判断される場合は,民間の相談・指導施設も考慮されて よいこと。 ただし,民間施設における相談・指導が個々の児童生徒にとって適切であるかどう かについては,校長が,設置者である教育委員会と十分な連携をとって判断するもの とすること。このため,学校及び教育委員会においては,「民間施設についてのガイド ライン」(別添3)を参考として,上記判断を行う際の何らかの目安を設けておくこと が望ましいこと。

 (mext.go.jp)

・「公的機関に通うことが困難」
…小1秋当初に見に行きました。本人がNOを出した場に再度チャレンジするのは避けたかった。もう一回行ってみろと言われたらそりゃ行けなくはないかもしれないけど、今本人に合う場があるのにホイホイ環境を変えるのが本当に適切なケースだと思いますか?

・「民間施設における相談・指導が個々の児童生徒にとって適切であるかどう かについては,校長が,設置者である教育委員会と十分な連携をとって判断するもの」
…これが実に曲者でして。

学校側は「市が認可していないので出席認定が出せない」。
市の教育課は「校長先生主導で認定の可否を判断するものであり、こちらにケースとして挙がってきてもいない」。

どっちだよ。連携を取れよ。
というか指針が出たのは分かってて、
「うんうん市運営の適指も作ってるし学生さんのボランティアサポートもあるからやってるやってる ヨシ!」になってるっぽいんですよ。

今、実にこどもが一人取り残されかけてるんですけど。
親の努力(と貯金の切り崩し)でどうにか社会につないでるだけなんですけど。

「あれもこれも提案したのに蹴ったのはそっちじゃないですか」
と言われたらその通りではあるんですが、
「でもそのあれもこれも本人にマッチしないんだから仕方ないでしょう」
がこちらの言い分です。

在住市の、そして学校の対応が、
「施策も制度も用意してるんだから、それを享受しないのはそっちの責任でしょ」
という姿勢に思えて仕方ない。

というわけで、
一人一台端末の運用すら通らなかったら、本当に取り残されます。

助けてください。

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