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【Jリーグ】川崎フロンターレの低迷をデータで分析

by 黒澤 敏文(Stats Performデータ編集者)

「川崎フロンターレ」の名前を耳にすると、強豪のイメージが湧く。2017年にクラブ史上初となるJ1制覇を成し遂げて以降、昨季までの過去7シーズンでリーグ優勝は4回。同じく、アジア各国で優秀な成績を収めなければ出場権を手にすることができない、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)にもこの期間で6度の出場。ACL過去7季の出場回数としてはJリーグ勢としては最多で、この間同本大会に参戦した99クラブのうち、6回以上出場しているのは川崎を含め8チームだけだ。アジアを代表するクラブと言っても過言ではない成績を残している。

その川崎が低迷している。今季8節終了時点のJ1リーグ戦順位は16位。開幕8試合消化時点の順位としてはクラブワースト。この期間の黒星(5)及び無得点に終わった試合(4)も、シーズン最初の8戦成績としては、J1デビューイヤーの2000年に記録して以来となるクラブタイ。数シーズン前には想像することさえなかった不振に陥っている。

昨季こそリーグ戦では順位を落としたものの(8位)、それ以前の川崎は先手必勝で勝負を決めてしまう展開が多かった。2020年からは3季連続、先取点を取った試合がリーグ最多で、この間の先制時の勝率は80.5%。2018年4月から2022年2月までの先取点を決めた試合では、88戦連続無敗の成績も残している(75勝13分)。

しかし、今季先制したのは2試合のみで、勝率も5割(1勝1敗)。逆に先取点を奪われたのは4試合で、このうち敗れた3試合はいずれもホーム戦。今季、本拠地で先制を許した展開から喫した黒星は、京都と並ぶリーグワーストタイで、上記3シーズン(2020-22)で記録した同敗戦数の合計と同じだ(3敗)。

近年の川崎を支えてきたのは攻撃力だ。この部分で今季は過去シーズンから数字を落としている。直近10シーズンでは初となる決定率一桁台。決定機での得点率も昨季までの9シーズン平均から低下している。

ところが1試合平均の決定機数は過去9季と比べても、大きな差はない。直近3試合もノーゴールに終わっているが、決定機をモノにしていれば、勝敗にも影響していたかもしれない。裏を返せば、今後は得点率を上げられれば、上昇の余地は十分にある。


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