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スポーツデータ 『Opta』とは何か

Opta データとは、サッカー、ラグビー、野球、バスケ、テニス等、世界中のあらゆるスポーツ競技・大会を対象に、試合やチーム、選手等のデータを取得し、世界中に配信している Stats Perform のデータサービスの名称になります。 

Opta データの配信先は、スポーツ中継を行う放送局や、デジタル・プリントメディア、プロスポーツチーム、ゲームやAR・VR企業など、様々な業種向けに配信され、活用いただいています。

Opta データの種類

競技のライブスコア情報や順位表等のベーシックな情報から、プロスポーツチームでの分析などに活用されるパフォーマンスデータ、更に最近では Stats Perform 独自のAI技術から生成される予測データ等があります。

Opta の特徴

まず最初に挙げられるのが、パフォーマンスデータ(プレーデータやイベントデータとも呼ばれる)のデータポイントの種類・精度の高さがあります。

サッカーを例にとると、1試合で収集されるデータポイントの数はおよそ 2,000~3,000。プレーが起きた場所のピッチ上の XY 座標データやタイムスタンプデータも収集しているため、いつ、どこで、どんなプレーが起きたかという情報を提供することができます。また、試合中、試合後のクオリティコントロールよる品質保証プロセスを導入し、正確なデータ提供を収集、配信しています。

最近では、「ボールコントロール」という新たなデータポイントが追加され、選手がボールを保持した際のボールタッチの回数、その座標データを一部のリーグを対象にポストマッチで追加取得し、更にデータの詳細さ(粒度)を高めており、データポイントの数は飛躍的に増加しています(つまり、情報量が増加していることになります)。

例えば、これまではドリブルの始点と終点の2つの座標データ(下記の図の黄色のポイントと矢印)しかなかったものが、「ボールコントロール」データでは、より詳細にドリブルの軌道やボールタッチ回数などの情報(下記の図の赤いポイントと矢印)を把握することが可能になります。

参考:FACILITATING ONE TOUCH PLAYER ANALYSIS
https://www.statsperform.com/resource/facilitating-one-touch-player-analysis/

更に、2022年から Optaデータとトラッキングデータと呼ばれるピッチ上の全選手や審判、ボールの位置情報データを融合した新たなデータセット「Opta Vision」という新たな取り組みが始まります。 

下記のスクリーンショットの例では、Optaデータ単体では、赤のチームの7番の選手から33番の選手へのパスという情報しか得られなかったものが、トラッキングデータとの融合により、その瞬間に周りにいた自チーム・相手チーム選手の位置や、パスの受け手である赤の33番が相手チーム(紫)の何番の選手からどれくらいのスピードでプレスを受けていたか等、これまで無かった試合に関する深い情報や洞察を得ることが可能になります。

参考:UTILISING A MERGED TRACKING & EVENT DATASET: FIVE WAYS OF IDENTIFYING NEW INSIGHTS
https://www.statsperform.com/resource/utilising-a-merged-tracking-event-dataset-five-ways-of-identifying-new-insights/

データポイントの種類や精度以外の Optaデータの特徴として、世界中のスポーツ競技、大会のデータを過去に遡って取得していることも挙げられます。過去シーズンのチームや選手の記録データの抽出や、プロチームの分析目的等においては、過去と現在、複数のリーグや選手の比較等、Opta という同一のデータ定義に基づいた分析が可能になる点も、大きな特徴になります。

この記事では、「Opta データとは何か」についてサッカーデータの事例でご紹介しましたが、また別の記事でラグビーやテニス等、別の競技の Optaデータのご紹介や、Optaデータの収集方法・プロセス、収集したデータがどのような活用をされているか等々をご紹介していければ思います。

この記事を読んでいただき、ありがとうございました。




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