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ラグビーにイノベーション 60を超える新しい指標

※この記事は、Stats Performオウンドメディア「The Analyst」からの転載記事です。

ラグビーは複雑なスポーツです。毎試合、100を超えるセットピースとブレイクダウンが発生します。実際、昨シーズンの主要リーグでは、1試合あたり平均170回以上のラックとモールがありました。これだけ多くのことが起こると、すべてのプレーヤーの動きを分析し、すべての意思決定の裏にある思考過程を理解するのは難しいかもしれません。

セットピースからの攻撃は、間違いなく守るのが最も難しく、スクラムとラインアウトに参加する選手がいる分、フィールド上にはスペースが生まれてしまいます。多くの場合、セットピースのボールから攻撃のチャンスを生み出すのは、プレーメーカー(スタンドオフ)の決断です。これらの判断をより良く理解することで、アナリストは傾向を把握し、より効果的なディフェンスを実施したり、攻撃の機会をより良く活用することができるようになります。このため、当社のプロラグビー向けサービスの新しいアップデートには、60以上の新しいデータ指標が含まれており、セットピースとブレイクダウンに、より詳細な情報と文脈が追加されました。

アップデートで、できることが豊富に

現在、アナリストは、タイムスタンプ付きのOptaの詳細データを試合イベントのタイムラインに統合し、すべてのスクラム、ラインアウト、モール、ラックを確認することができます。しかし、これでは、あるプレーの局面で実際に何が起こったかについて、非常に限られた洞察しか得ることができません。新たに導入される指標は、アナリストがプレーの局面がどのように展開されたかをしっかり理解するために必要な、豊富なコンテキストを提供します。

これまでアナリストは、ゲーム中のすべての攻撃側ラインアウトをフィルターをかけて抽出することができました。しかし、新しい指標を使えば、セットピースの後にどのようにプレーが展開されたかに基づいてフィルターをかけることができるます。例えば、スクラムハーフがラインアウトから何回ファーストレシーバーやセカンドレシーバーに配球したのか、キックしたのか、自分で運んだのか。また、その後のプレーはどこに移動したのか、次のブレイクダウンはワイドなのか、ミドルなのか、ラインアウトの近くなのか、ポゼッションは最初のフェーズで終了したのか。

60以上の新しい指標でフィルタリングし、ゲーム、シーズン、キャリアを通した分析ができるようになりました。これにより、次の対戦相手に備えるために直近の数試合を深く分析することも、選手のリクルートメントや競技の発展のための長期的な傾向分析を行うこともできます。

ワークフローと効率性の改善

自分がURCに所属するチームのヘッドアナリストで、マンスターとの試合に向けてコーチに資料を提供する場合を考えてみましょう。

マンスターが身体能力の高いチームだということを知った上で前節のアルスター戦を見ると、マイボールスクラムでは、ナンバーエイトがボールを拾ってキャリーし、数人のディフェンダーを引きつけて広いスペースを作る動きを多用することがわかりました。しかし、どのスクラムをターゲットにしているのか。フィールドのどこを狙っているのか?そして、どのチャンネルを攻撃しているのか?これらの情報を、特定の1試合だけでなくシーズンを通して知りたいのです。

この場合、アシスタントアナリストにマンスターのすべての試合とすべてのスクラムを調べ、ナンバーエイトがピックするたびにタグをつけ、ピッチ上のどこで拾い、どこへキャリーしたかを調べてもらうでしょう。しかし、この新しい指標を使えば、マンスターのナンバーエイトがスクラムからボールをピックし、「アクティング・ハーフバック」を務めるたびに、パスしたのか、それともキャリーしたのか、そして、スクラムとキャリーした場所の明確な位置関係はを瞬時にフィルタリングできるのです。

これで、その週のトレーニングで重点的に取り組むべき分野を示す、包括的なレポートを簡単に作成できるようになりました。この新しい指標を使えば、相手のプレーを分析する際に、セットピースとフェーズでのプレーの両方の局面においての、統計的な裏付けや道しるべとなる情報を得ることができます。相手チームの攻撃の幅広さを注視し、自チームや他チームと比較することで、試合のこの側面に関する分析のレベルを上げることができます。

新しいデータはすべてライブで、また試合後のレポートやソフトウェアで利用できるため、チームはより豊富なインサイトを利用してリアルタイムに意思決定を行うことができます。

新しく導入される指標には、下記が含まれます:

  • プレーメーカーオプション

  • セットピースからの移動の方向と距離(タイト、ワイド、ブラインドなど)

  • パスの方向と長さ

進化するラグビーサービス

RugbyHubとDataEngineのインターフェースとユーザー体験の全体的な改良に加え、分析を強化する新機能が導入されました。

マルチアングルビデオプレーヤー:
Stats Performが複数のアングルにアクセスできるリーグ・大会では、RugbyHubのビデオプレーヤーで複数アングルを表示できるようになりました。

BIデータレポート:
Advanced Superscoutのデータを利用した、新しいCSVファイルの提供が始まりました。

DataEngineのUXの改良:
DataEngineの改良により、既存のレポートへのアクセスや新しいレポートの作成がより簡単に、よりわかりやすくなりました。また、DataEngineでのレポートの読み込み速度が向上しました。

新しいグラフィックセクション:
Optaのラグビーデータベースの主要なリーグ・大会から、フィルタを適用して、特定のチームや選手に関連する重要なプレーを、ピッチマップやレーダーチャートで表示することができます。

ピッチマップ
レーダーチャート

今回は、ラグビーの商品に関するアップデートについてご紹介しました。今後もラグビー関連の商品やサービスについての発信を行っていきますので、スキやフォロー、よろしくお願い致します。

当社のサービスにご興味を持っていただけた方は、下記からお問い合わせください。
https://www.statsperform.com/contact-japan/


元記事 By Ben Jermy▼

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