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日本が突破の確率は25.4% W杯グループEをデータで予想

※これは自社メディア『The Analyst』の記事を翻訳して転載したものです。
※数字はすべて、2022年11月10日時点のものです。
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ワールドカップには、いつも「死の組」が存在する。2022年大会は、グループEがそれにあたる。4度の優勝を誇るドイツ、2010年大会を制したスペイン、過小評価されている日本、難しいグループを勝ち抜いた経験のあるコスタリカ。

どのチームがグループリーグを突破し、ノックアウトステージに進出するのか、予想モデルを使って検証した。

Optaの予想

Optaでは、スペインがグループEの首位になると予想した。1位になる確率は50.5%で、もう一つの強豪、ドイツの40.8%を約10%上回る。フレン・ロペテギが開幕前日に解任される騒動に見舞われた2018年大会に比べると、遥かに安定したチームに見える。今大会がスペインを率いて2つ目のメジャー大会となるルイス・エンリケ監督は、2020年の欧州選手権(ユーロ)でベスト4、欧州ネーションズリーグでは2021年大会で決勝進出、2023年大会でも準決勝まで駒を進めるなど、好成績を残し続けている。

しかしながら、スペイン代表のワールドカップ最多得点者であるダビド・ビジャが2019年に引退してから、同国は、その後継者を未だに見つけられていない。今大会の予選では、フェラン・トーレスがチーム最多の4得点を挙げたが、それでも他の選手の2倍に過ぎない。アルバロ・モラタやパブロ・サラビアといった選手たちは、大舞台におけるスコアラーとしての実績に乏しい。

ただ、中盤に有能な選手が多いスペインにとっては、それも小さな問題に過ぎないかもしれない。スペインの成功は、ガビ、セルヒオ・ブスケツ、ペドリのバルセロナ・トリオに懸かっていると言えるだろう。

グループE 各国の結果予想(確率)
左から、グループリーグ1〜4位、ベスト16進出、準々決勝進出、準決勝進出、決勝進出、優勝

ドイツがヨアヒム・レーブ以外の指揮下でワールドカップに挑むのは、2006年以来となる。ハンジ・フリック監督は、ユップ・デアバルが1960年にユーロを制覇して以来となる、就任後最初のメジャー大会優勝を目指す。スペインと同じく、ドイツも高確率でベスト16進出が期待できる(80.4%)が、2位突破の可能性が高い。

予選では10試合で9勝という文句なしの結果を残したドイツだが、ここ最近は好調をキープできていないようだ。欧州ネーションズリーグでは、グループ3で6試合を戦い、4つの引き分けでイングランドを上回ったものの、勝利はイタリア戦(5−2)のみだった。

前回の2018年ワールドカップロシア大会でドイツは、不参加だった1950年大会以来初となる、グループステージ敗退を喫した。ディフェンディングチャンピオンだったというだけでなく、2002年大会以降すべてのワールドカップで最低でも準決勝まで残っていたドイツにとって、これは大きな汚点となった。ただ、歴史を見れば、ドイツは注視すべき存在であり、ノックアウトステージで勝ち上がっていくことも容易に想像できる。

大会全体予想『Who Will Win the 2022 FIFA World Cup?』で示したように、スペインやドイツがノックアウトステージを勝ち進むためには、このグループを首位通過することは最善策ではないかもしれない。

(補足)
今回のワールドカップでは、グループ首位になることが裏目に出る可能性もある。グループEを首位で突破すると、次に対戦するのは、グループG(ベルギー、クロアチア、カナダ、モロッコ)の2位チームだ。ベルギーとクロアチア、どちらも簡単な相手ではないが、本当の問題はその後だ。グループEを1位通過したチームは、準々決勝でブラジルと対戦する可能性が高いのだ。一方で、2位通過した場合に準々決勝で当たる最有力チームは、ポルトガルかウルグアイになる。
「死の組」を首位通過することは大きな偉業だが、スーパーコンピューターを信頼するならば、カタールワールドカップでは2位通過が大会を勝ち上がるための道かもしれない。

『Who Will Win the 2022 FIFA World Cup?』より、一部抜粋して翻訳

失うもののない日本は、玉砕覚悟で大会に挑む。スーパーコンピューターによると、グループステージ突破の確率はわずか25.4%で、3位になる確率が最も高い(45.7%)。

しかし、森保一監督率いる日本は、2021年10月からの13試合で喫した黒星はわずか2つと、好調を保ってカタールに向かう。2018年大会でコロンビア下し、今大会でも開幕戦での勝利を目指すサムライブルー。下馬評ではドイツが優勢とみられているが、一筋縄ではいかないだろう。

同じように、コスタリカも挑戦者として大会に挑む。ベスト16進出の確率は参加国中最低の9.8%。グループAで突破の確率が最も低いカタールでも、その数字は25.9%ということからも、グループEがどれだけ難しいグループであるかが読み取れるだろう。すべてのグループが公平に構成されているわけではないのだ。

しかし、コスタリカは、2014年大会でイングランド、イタリア、ウルグアイと同組に入りながら、グループを首位突破した経験があるということを忘れてはならない。


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