マガジンのカバー画像

カオルの投資

11
投資理論、金融論をできるだけ分かりやすくご説明します。株式投資って難しそうってかたや、将来MBAに挑戦したいかたまで、幅広く読んでいただけるマガジンを目指します。注:理論中心です。
運営しているクリエイター

記事一覧

成田悠輔のコロナモデルを中学数学で解説してみるぞー

学界の先生がたにおこられそう。でもやります! さぁ、今回は意欲作ですわ。有料記事にしたいくらい。 最後に大事な注意点を書きますので読みとばしても最後は読んでください。 まえにちょっと触れましたが「重回帰」なんてむつかしいコトバをつかって分かりにくかったようです。 $$ y=β1x1+β2x2+β3x3+...+ϵ $$ これが多重解析ですが、忘れましょう。中学生にベータとかイプシロンはいらないわ。 これでどう? $$ q=a_{1}x_{1}+b_{1}y_{1}

【債券】イールドカーブ(利回り曲線)

必要があって債券の復習をした。 中央銀行の役割として政策金利を決める。 「金融引き締め」、「金融緩和」と呼ばれるものです。 景気が過熱している見たら、利上げ。 冷え込んでいいたら、利下げ。 これで短期の市場をコントロールします。 「無担保コールレート」、「オーバーナイト物」などと呼ばれ、日銀がその金利で無担保で融通してくれます。 この他に長期国債も発行します。 これは短期国債と組み合わせて理想的なイールドカーブ(利回り曲線)を作ります。 イールドカーブとはなにか。

【市況】市民が株に興味を持って終わり

 市場が一服しましたね。  2週間前の記事、「エヌビディア決算」で、 『調整後EPS $5.61 は益々の好景気感を世間に醸し出すと思う。元理論家からすると実態を伴っているのか、と検証したくなりますが。』 と断っておいた。 「主婦が株に興味を持ったら相場は終わり」とよく言うが、私も同窓の弁護士の先生が「大人の嗜み」などと言ってそれまで興味もなかったような『会社四季報』をインスタグラムにアップしたのを見て肌感覚として軽いバブルだろうと思った。 一般のサラリーマンや主婦まで浮

【独占企業】モノポリーの経済

モノポリーというゲームがある。「独占」という意味だ。 経済では独占企業をモノポリー、寡占企業をオリゴポリーと呼ぶ。 なめらかなカーブが中央で交差する「需要曲線」を見たことがあるだろうか。 あれは「自由市場」だ。 独占企業は例えば昔の塩。 縦軸が価格、横軸が生産量のグラフを描くと、需要曲線は左上から右下への直線になる。 なぜか。 頭にイメージして考えてください。 独占しているからだ。 価格支配力と言う。 中東が石油の価格を決めるのもこれだ。生産量を調整して市場価格を決められ

【M&A】TOB、MBO、LBO、企業買収の違い【経済】

M&Aは会社の合併、買収、吸収、ときには敵対的な吸収合併がニュースになったりします。 TOBやMBOなど横文字の細かい違いがあるのですが、もとの英単語を覚えてカンタンな理解をするだけでそれぞれの違いが分かります。大事なのは3つ、一応5つ書きます。 1.(TOB:Take Over Bit)  一番よく聞く手法です。株式市場で購入します。  買われる側の企業が同意している友好的TOBと同意のない敵対的TOBがあります。敵対的TOBは不意打ちに行われることもあります。    

【経済】わかる重回帰分析【成田悠輔】

 成田悠輔氏がコロナの補助金がコロナ患者を助けることに繋がらず、病院の補助金になっただけだった、という論文で使われたのが重回帰分析だ。  その論文を読んだわけではないので、おそらく、であるが、You Tubeの今は無き「日経テレ東大学」で猪口邦子議員とのやり取りで分かった。  できるだけカンタンに説明します。数式に抵抗感を持たないでください。  y=β0+β1x1+β2x2x+・・・βρxρ+ε  この式でyが被説明変数、xが説明変数です。  これはβ0は定数項だから

【経済】エヌビディア決算

 経済理論ばかりやっていたのですがフォロワーさんに刺激を受けて最近のニュースです。  生成AIが取り沙汰されるなか米国エヌビディア(NVDA)が市場の期待を大きく上回った、という決算を発表しました。  ほかの決算が出揃うなかのエヌビディア待ちだったので、売上高 221.0憶ドル、調整後EPS $5.61 は益々の好景気感を世間に醸し出すと思う。  元理論家からすると実態を伴っているのか、と検証したくなりますが。ちなみにEPSはEarnings per Share、1株当たり

「ROE(Return on Eeuity)を分解します、デュポンの公式」と「企業価値の現在価値ver.2]

今回はビジネス編です。 はじめにお断りするのは日本語訳はテキトーです。 ROE(Return on Equity)は株主一人あたりのその会社1年の利益です。 これを3つの分数に分解します。 $$ROE=\frac{Net Income}{Revenue}\times\frac{Revenue}{Total Asset}\times\frac{TotalAsset}{Total Equity}$$ (スミマセン、文字化け直せません。ヘッダーの下の式を参照してください。)

【統計学のワナ】サンプルの集めかた

今「ReHaQ」というYouTube番組を見ていたら、文藝春秋の新谷学が出ていた。 総局長である。 非常に楽しかったが、一つだけ気になった。 彼は文藝春秋と週刊文春の両方の年間契約をしてくれている人をロイヤルカスタマーと呼び、アンケートを実施したと言っていたと思う。 これはダメだ。 統計学の基礎の反対を極めている。 統計学の基礎は''ランダム''だ。 そんな文藝春秋も週刊文春も、しかも年間契約までしてくれている人はなにもしないでも買う。 聴くべきは駅頭で何気な

【企業価値】キャッシュフローから計算する企業の現在価値、3分でわかるDCF法

企業の価値ってどうやって計りますか。 資本金ですか。総資産ですか。 企業買収の場合、ファイナンスの計算ではディスカウント・キャッシュ・フロー法(DCF法)というのを使います。 計算方法を簡単に説明します。下の式をみてください。 $$ y=\frac{FCF1}{(1+r)1}+\frac{FCF2}{(1+r)2}+\frac{FCF3}{(1+r)3}\cdot\cdot\cdot $$ yが企業価値です。 右辺の一項目の分子は一年後の予想されるフリーキャッシュフロー

【1分で分かる統計学】株価と金利、為替の関係で説明する統計学のワナ。

今日はちょっと堅苦しいお話しですが、出来るだけ分かりやすくご説明します。 まず、株価をY、金利をX1、為替をX2とします。次に、y=ax1+bx2の形を思い浮かべてください。 このときxを説明変数、yを被説明変数と呼び、この式じたいを回帰分析と言います。 なにをやっているのかは金利と為替が株価を説明しているということを統計学的に実証しようとしているのですが、このとき、x1とx2のあいだにナニカがあることがあるのです、そのナニカとは相間です。 x1とx2のあいだに相間があ