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永平寺の修行がヤバイ話

入院が増えたことをきっかけに、入院期間をネットラマダンdayに定め、ひたすら本を読んでいます。最近では自宅でも紙の本を開くことが多くなりました。現在読んでいる本は……

永平寺の修行は想像を絶する大変さであるということを聞いて以来、具体的にはどのように大変なの? と興味があったので購入してみました。わたしの乏しい想像力でイメージしていたのは「静」タイプの辛苦でしたが全然違いました。もっとアグレッシブで相当バイオレンスです。新入りの雲水さんは、古参から殴られ蹴られの指導を受けるのです。

永平寺の朝は3時半起床ですが、新入りさんは起床の合図である鐘撞のお仕事や、覚えなけらばならない事の自習時間を確保するため、1時半起床となっています(就寝は21時で寝相にも細かな規則あり)。何百人もの雲水志願者が永平寺の門を叩きますが、毎年数人は脱走者が出るということも頷ける内容。

参拝者の屈託ない笑い声と、娑婆での自由生活を断たれた新来雲水、この両者のコントラストに胸が締め付けられます。

わたしは争いや暴力シーン、それから恋愛系でもバッドエンドの物語が好きではなく出来るだけそういった作品にはふれないようにしています。フィクションくらいはハッピーエンドを堪能したい。けれどもノンフィクションの壮絶系エピソードは食い入るように見聞きします。最近まで読んでいたノンフィクション小説も、キリシタン弾圧と迫害がテーマで拷問の描写が生々しく説明されていましたが目を離せませんでした。

内心、刺激を求めているのか? 自身の境遇と比較して幸せを見出したいのか? 人間の凄惨な部分を見て触れたい欲……そういった気持ちも、どうやらわたしは持ち合わせているようです。

しかしこの著者は辛苦の最中に悟りを見出す視点を持っており素晴らしい。わたしも触発されて、物を扱うとき音を立てないように気を配ってみたり、食事の所作に気を配ってみたり、何気に影響を受けています。今日もまた後ほど、永平寺の世界にトリップします。

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