1月1週 鉄鋼産業CN(脱炭素)ニュース
正月休みもあり1週はニュースが無かったです。
■日本の高炉3社のカーボンフリー製鉄への取組
(2024/1/1 日刊工業新聞)日鉄・JFE・神戸製鋼…見えてきた脱炭素製鉄、注力技術の現状
→ この記事は各社のGI基金のプロジェクトに提出された各社の技術開発項目からピックアップしたに過ぎない。
日本製鉄;水素還元高炉、電炉活用 JFE;CR高炉 神戸製鋼所;直接還元鉄(MIDREX)の高炉装入
経営として行う技術開発(各社固有の開発、クローズした技術開発)と同じものではない。 2030年、2050年それぞれをターゲットとしての技術開発は当然異なり(場合によっては現状~2030年前)でも、タイムスケジュールもそれなりに検討されている。 報道ではその辺がごっちゃになったものが多い。
例えば、各社の最新の四半期報告会などの資料では、技術開発方針として次のものがあげられ、2030年以降は、外部環境(価格も含む外部水素の調達、グリーン電力の普及・価格)も含め開発の見通しにより判断するとしている。
・日本製鉄
~2030年 高炉水素還元(COURSE50)
~2050年 大型電気炉による高級鋼
SUPER COURSE50
水素による直接還元鉄製造
CCUS
・JFE
トランジション期(~2030年)
既存高炉の省エネ・高効率化
高効率・大型電気炉
転炉スクラップ使用増
イノベーション期(2030~2050年)
前半 所内水素を利用した高炉還元(CR高炉)
部分水素直接還元
後半 外部水素を使用した高炉還元
CCUS
100%水素直接還元
・神戸製鋼所
高炉 HBI装入、AI操炉
MIDREX水素還元
大型電炉による高級鋼
GI基金による開発は3社の共同開発の形をとっている。
個別企業の技術開発に国の巨額な予算(GI債だけれども)が充てられることの是非はともかく、「低炭素鋼材、カーボンフリー鋼材はそれを使った自動車、船舶、機械といった製品、業界にも大きな影響を与えるので国として多くの予算が投じられるのは致し方ない」との理解は充分にされているのだろうか。
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