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165days left 共感性が高い人には言語聴覚士が向いてなかった話

いま、起業考えてるとこなんですけど、
そういえば私、ずっと「やりたいことがみつからへん病」やったわ。


大学3年のとき、進路をどうしたらいいかわからず、
(入学したときは、卒業する頃にはやりたいことが勝手に見つかると思ってた←本気でな)
とりあえず流れに乗って、大学院を受けて受かったものの、
大学院行きたくなかったことに気づいて。
おっそ。

焦ったわ。
気づいたら22歳やねんもん。そこからネットで色々検索して、きっとこれが私の天職に違いない!やっと出会えた!!
と思いっきり方向転換して、親の反対を振り切って言語聴覚士を目指して専門学校へ。


そして、座学で勉強して、順調に楽しんでいたものの、実習へ行って、
つらくてつらくて。。

成績はよかった

座学では病理学、生理学、脳科学、解剖学、ことばや子どもの発達について、など色んなことを学べて、大学の授業より実生活に近く感じて楽しかった。

それに加えて、毎週のように、リハビリの動画を見て、患者さんの評価をしたり、リハのプランを考えて書くレポートがあって。
私は高校から理系の学校に行ってたので、
起こった現象を観察して、
事実を記録して、
そこから考察したことを書く
っていうレポートの書き方に慣れてたアドバンテージがあったから、そんなに苦じゃなかった。

専門学校では、いわゆる偏差値の高そうな大学出身の子もいっぱいいたけど、事実と考察を分けることにつまづいてる人が多かったみたい。

レポートの書き方

たとえば、患者さんが、複数の絵カードから猫のを選んで下さいと言われて、選べなかった、というビデオを見て、
事実▶️絵カードを約30秒見ていた。その後、首を振っていた。
考察▶️
👉言語理解の問題=「猫」が理解できていない、又は「猫を探す」という動作がわからない、と考えられる
👉記憶の問題=理解はできているが、選んでいるうちに「猫」という単語を忘れている、または何をすべき時間なのかを忘れている、と考えられる
👉注意力の問題=理解はできて、記憶もできているが、集中できず他のことが気になって探せていない、と考えられる
👉体が思い通りに動かせない=理解、記憶、注意力の問題は小さいが、「これ」と指せない、または、言えない、と思われる

患者さんを細かく観察(MRIの画像とかも見る時ある)して、複数の事実から、どこでつまづいたのかを推測するのが考察。だから「〜と考えられる」のような文になる。
その考察に基づいてリハの内容を考えるから、ここを間違ったらトンチンカンなアプローチになってしまう。

これが、極端に言うと、
『患者さんは、猫のカードを探しているうちに何を探しているのかわからなくなった。』
とか、事実と考察が混ざってるレポートを書くことをよくみんな注意されてた。推測で事実を書いてる状態。

レポートが得意だった結果

で、私はそれが得意やったらしく、
(得意というか、高一から大学卒業まで、毎週実験してレポート書くってのをやってたってだけなんやけど)先生に、私のレポートのコピーを何度も、レポート振り返りの授業に使ってもらったり。
それが嬉しくてまたレポートを頑張り。
これを繰り返すと、この子は“できる子”の認定を受けて、めちゃくちゃ厳しい先生のところに実習に行くことになり。

いざ実習先へ

もちろん、レポートが書けるのと、リハで上手くやるのとは全くの別モノ。
ある程度はコミュ力ないとできひんしね。
最初のフリートークの時点で、
そんな話、そのへんのおばちゃんでもできるわ!言語聴覚士らしいフリートークしなさい!
って患者さんの前でバイザーに怒られたり。
リハの時間終わってからも、私や私と一緒に実習してた子と1時間以上立ちっぱなしで怒られたり。

毎日睡眠3時間の実習期間中、
各地の実習先へ散らばったクラスメートのグループメールでは、バイザーが優しい〜めっちゃいい人!とか連絡がきてて、
要領のいい子は、成績良かったら実習先が厳しいとこになるって知ってて、そんなに頑張ってなかったらしい、とか噂で聞いたり。。

自分の至らなさを反省して改善点見つけるのをやめて、
宿題のレポート、頑張らんかったらよかった。。って毎日思ってた。レポートを頑張りすぎたから、いま辛い状態になってると思ってた。

そもそも辛かった原因

その次の実習先は、先生は穏やかで、指導も丁寧にしてくれたので楽しかったんですが、
どうも気分が晴れへん。。
日を重ねてわかったのは、どうやら私は共感性が高い側の人やったみたい。

友達が、こんなことあってん!って怒ってると、気づいたらその子より怒ってしまうくらい、ついつい共感してしまう。
それを患者さん一人一人にしてたら、まるで持たへんくて。
前の実習先では、先生から厳しい指導があったので、ここには全然気づいてなかったんです。

自分がこの状態になったらどうしよう
家族がなったらどうしよう
そんなことばっかり考えてしまって。

お医者さんや看護師さんをはじめとする医療従事者や、カウンセラーとかって、心の底から尊敬する。
患者さんにまったく共感できなくてもあかんやろうし、
共感しすぎてもつらい。

その道に進んでれば、折り合いのつけかたもわかってきたかもしれんけど、私には無理でした。
国家試験には合格したけど、免許の申請はしてない。もう絶対言語聴覚士としては働けへんと思ったから。

でも、その専門学校では、一生モノの友達に会えたし、こういう仕事は向いてない、と知ることができたので、得たものはあったかな。

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