見出し画像

静なる狂気 第7話 旅路

子供達も成長して、加奈子は高校生、翔真は中学生になっていた

そして真希と洋平の間には一人の女の子が生まれていた

美来というその子はもう3歳、加奈子や翔真とも仲良がいい

洋平は事業の北米への進出を進めていて、部下にやらせているが、その進捗管理や問題点の把握や解決に心を砕いていた

その為に海外への出張も多く、一度子供達も連れて来たいと思っていた

そして、子供達の夏休みにその計画を実行する事となる

加奈子も翔真もウキウキ、初めての海外旅行でパスポートも取って、ドキドキ💓

始めは現地の生産拠点やシステム的なところを見せようかと思っていたが、
彼等がそんな事に興味があるとは思えないので、急遽観光一色で行く事にした。

こういうのは押し付けがましいのが一番嫌われる

加奈子「お父さん、"カリフォルニアの青いバカ"ってしってる❓www」

洋平「ああ、お父さんの世代じゃあ有名だよー、一部だけどwww
イカ天に出てたみうらじゅんって奴がいる大島渚ってバンドの曲だな
てか、ちゃんと"カリフォルニアの青い空"も聴きなさいよwww」

加奈子「うんうん、聴いた聴いた、
なんか爽やかな風が吹いてたぁ、、、」

洋平「加奈子、カリフォルニアへ行きたいんだろう❓」

加奈子「バレたかぁwww」

洋平「どんな振りだよ、
意外過ぎるだろwww🤣」

そしてとうとうカリフォルニア旅行が現実のものとなる

そして加奈子、翔真に加えて真希と美来も参加する

最初はディズニーリゾート、そして海辺で海水浴、、、そしてハリウッド、、、
はたまたロスの街へ、、、

ディズニーリゾートに泊まった時、加奈子と翔真が、日本に居る家族とzoomでビデオ通話したが、、、向こうの家族は紗代子だけで、他の家族は知らんぷり、
驚愕の温度差に固まってしまった😱

まぁ、当たり前である、、、

ディズニーリゾートでは美来はまた乗れないアトラクションが多いから洋平と真希が交代で美来について可能なアトラクションを回っていた

加奈子も翔真も爆発的に楽しんだ💥

それをみて美来も3歳ながらハイテンションでお兄ちゃん、お姉ちゃんを追いかける

洋平と真希がそのフォローをするみたいな状態で過ごした一週間、、、

あっという間だった、、、

また、国内の旅行もこのメンバーでよく行っていた。

そして加奈子がいよいよ大学へ行くようになった、、、最初は家から通っていたが大人びて一人暮らしがしたいと言う

男を入れたら即解約という絶対条件でセキュリティの高いワンルームマンションを借りて与えた

学費と家賃以外は、バイトして生活するから仕送りは要らないという
まぁ、社会勉強だな、、、
と洋平は思っていた


そして翔真は全寮制の高校へ入学した

その学費も勿論洋平が出している

その時点で、加奈子と翔真は紗代子の家を出ている、、、卓郎、紗代子夫婦との生活から隔離する事に成功した訳なのである

そしてある日、紗代子から連絡が入る

夫の卓郎が肝炎に倒れ入院したとの事、
もう生活に困窮してしまっているから
助けて欲しい、、、という


紗代子「あなた、もう、限界です。
あの人はもう無理なんです。仕事も出来ないから収入はない、医療費はかかる、どうしようもないんです、、、」

洋平「よく言うよ、オレに何の関係があるって言うんだい❓
なーんにもないだろう❓
もう、関係ないんだよ、分かるかい❓」

紗代子「そ、そうだけど、、、もう、
あなたしか頼れないから、、、」

洋平「あのさ、君がオレを見限って捨てたんだろ❓、、、そんなヤツに、助けてくれって、、、よく言えるなぁ」

紗代子「ごめんなさい🙇‍♀️、私が間違ってたは、、、謝るから、、、ごめんなさい、ごめんなさい🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️」

洋平「いや、君にはもう一円たりとも渡すつもりはないよ、、、ただし、働かせてあげるよ、会社じゃ無理だから、
ウチの家政婦でもやってくれ、今雇ってる家政婦を断るからその代わりに来たら良いよ、内容は家内が教えるよ、給料はそうだな、80万、それだけあれば、医療費払って生活もやれるだろう❓」

紗代子「わ、分かりました、、、
あ、ありがとうございます🙇‍♀️」

と言う事で、紗代子は洋平宅の家政婦として働くことになった。

紗代子「よろしくお願いします。奥様」

真希「まあ、奥様だなんて、、、
恥ずかしいはぁ、、、アハハーーッ」

真希「お話しは洋ちゃんから聞きましたから、紗代子さんはお掃除全般と洗濯が中心ですね、、、」

紗代子「よ、洋ちゃん❓、、、
わ、分かりました、では早速始めさせて頂きます。」

真希「2日間、前任の家政婦さんお願いしたからよく聞いて引き継いでくださいね」

紗代子「は、はい、」

真希「洋ちゃん、からは、、、いえ、
いいんです、、、」

紗代子「洋ちゃんって呼ばれておられるんですね、、、」

真希「あー、うふふ、、幼馴染なので
なんか普通にそうなってしまって、、
キモいですか❓www」

紗代子「いえ‼️そんな、でも幼馴染だったんですかぁ⁉️」

真希「ええ、幼い頃はいつもいつも一緒でしたね、その頃から"洋ちゃん"だから、違和感なくてね、、、」

そんなこんなで始まった家政婦業、

そして紗代子はその仕事をしながら、

洋平の本意を知ることとなる




…つづく…


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?