マジックの本を称賛するだけの文章(Effective Card Magic)

注意:この文章ではただ私が私の感じるままに、マジックの良書を褒めるだけの文章です。

タイトル: 『Effective Card Magic』
著者: Bill Simon
出版年: 1952年
ジャンル: カード

『Effective Card Magic』は1952年にTannen Magic Inc.から発売された書籍で、米国のBill Simon氏の作品をまとめた作品集です。

Bill Simon氏はアメリカのマジシャンで、本書の他に『Controlled Miracles』や『Sleightly Sensational』を発表しています。どれも多くの書籍で参照される書籍であり著者の能力の高さを感じます。

本書『Effective Card Magic』はBill Simon氏による書籍であり、約50のカード作品が収録されています。本書は俗にHidden Gemと言われる種の書籍だと思います。この本は他の書籍に比べて出会いにくいように思っています。ダイ・バーノン氏関連の書籍ように出会わずにはいられないという類の本ではなく、『Stars of Magic』のようにどの書籍を読んでも名前が出てくるような本でもありません。名前を聞いたことがあっても、原著に触れたことがないという人も多いのではないかと思っています。それはこの本がカードマジックの専門書であるということが一つの理由であり、他の分野を勉強していて出会うものではありません。そして、カードマジックを勉強していても年代が少し前であることや、彼のマジックを専門で研究し発表する人が少ないため、自分から各マジックの関連性や深みを追求しない限り、出会わない書籍となっています。
しかし、出会う可能性が低いことはこの本の価値が低いということにはなりません。本書には現代でも目を向けるべき内容が多く掲載されています。特にあるスライトに焦点を当てた3章は現代に至るまで同じ質の文章を見つけることが難しいほどの内容となっています。
本書も魅力的な作品が多いため特定の作品を取り上げるというのは心苦しいのですが、この文章では特に「Call to the Colors」「Night Club Card Assembly」についてコメントしたいと思います。

「Call to the Colors」はその後、多くのマジシャンによってバリエーションが生まれた傑作です。本作品はデックに含まれる赤黒のカードの並びがマジシャンの意図の通りに変わるというもので、その際にマジシャンはカードを配る以外の動作を行いません。こういった現象が一定期間続くという類のマジックは他のプロットを見ても数が少なく学ぶ価値が高いものです。
本プロットはしばしば「The Scarne Puzzle」の名前が原作としてあがりますが、パケットを使う前述の作品に比べて「Call to the Colors」はフルデックを使っているためか多くのマジシャンが当該作品をもじった名前になっています。そういった意味でも本作品を確認することには大きな意味があると思います。他作品と比べても本作品自体の完成度が高く、自身の刺激という意味でも意義のあるものとなっています。

また、「Night Club Card Assembly」は4枚のカードが1枚ずつ交換するマジックです。このとき使われるパケットは二つだけで片方にはマジシャンが手を触れないという特徴があります。
本作品にはアセンブリという名前が使われています。アセンブリというとカードマジックではAアセンブリが有名な作品ですが、そのプロットと比較するとパケット数などに大きな違いが見られます。このような形はあまり目にしないという意味でも興味深いと思いますし、当時の作品の特徴を知るという意味でも楽しいものとなっています。

最後に、本書はカードを当てる方法がいくつか紹介されているという点にも触れておきたいと思います。これは最近の書籍よりも昔の書籍に多い特徴で、過去の書籍を読むときの楽しみになっています。

まとめると、『Effective Card Magic』はアメリカのBill Simon氏がまとめた隠れた名作の多い書籍であり、カードマジックを勉強している人で読んだことのない人にはお勧めできる書籍となっています。

以上が『Effective Card Magic』について勝手に本を称賛した文章でした。この文章は決して書評ではありません。ただ褒めるだけの文章です。力不足ながらも、この本が持つ魅力の一片を伝えられれば幸いです。

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