葉月 詩織

普段は営業をしている20代OLが日々の生活で感じたことをエッセイなどで発信しています。…

葉月 詩織

普段は営業をしている20代OLが日々の生活で感じたことをエッセイなどで発信しています。読書やものを書くことが好きです。

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ひとりでホテルに泊まってみたら、「私」が戻ってきた。

ひとりでホテルに泊まった。 騒がしい日常から逃れ、助けを求めるようにホテルに駆け込んだ。 静寂と有り余る時間の中、ひとりでホテルで過ごした時間は、私に安らぎと経験と明日への力をもたらした。 ひとりでホテルに泊まることになった経緯世の中にひとり○○と言われるものはたくさんある。ひとりが平気でいつもひとりでいることの方が多かったので、今まで様々なひとり○○にトライしてきた。その中でも、ひとりホテルステイは個人的にかなりハードル高く感じていた。それはホテルのスタッフの方からどう見

    • 【雑談回】ご無沙汰してます。

      ご無沙汰してます。 なんて言える立場なのか、文字通りご無沙汰になっていて待っていてくれた方がいたのかどうか分かりませんがとりあえず、ご無沙汰してます。 最後に書いてから約2年も時間が空いてしまいました。 去年の春、それまで過ごしていた関東から札幌へ転勤になり、この2年の間は札幌でそれはそれは濃密な生活を送らせてもらってました。 書くことが全く無かった訳ではなく、むしろ書きたくなるような出来事が多すぎて、逆にずっと筆を取ることができませんでした。という言い訳をどうかお許しくだ

      • 私の失恋ルーティン

        また一つ、恋が終わった。 悲しい。悲しいのだけれど、厳密に言えば「またか」って感じ。そんな冷めた態度を取ってしまうくらいには、失恋に慣れすぎてしまった。 私は全く恋愛体質ではない。だから正直こんなに失恋ばかりしていると、失恋をするために毎回恋している気さえしてくる。 なぜ失恋を繰り返し、何度悲しんでも変わらず生きていられるのか。 それは、失恋を繰り返すうちに失恋を上手に消化し、味わえるようにさえなってしまったから。 手順1:泣く。声をあげて、人目を気にせず、思い切り泣く

        • 「金木犀の香り」の正体

          「ねぇ、めっちゃ金木犀の香りしない?」 大学生の頃、友人たちとキャンパス内を歩いていたらその中の1人が突然つぶやいた。他のメンバーもなんとなく同意していた雰囲気だった。しかし、私はその「金木犀の香り」というものが全くわからなかった。その時はとりあえずその場の雰囲気に合わせた反応をしていたが、どんなに嗅覚に神経を注ぎ、何かしらの特異な匂いを感じ取ろうとしてみても、何もわからなかった。 「金木犀の香り」がわからなかったところで、日常生活に支障はない。勝負に負けたり、自分が特別

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          一年間続けてみてわかったヨガの効能

          「いつもヨガやってるんでしょ?」 ヨガをやり始めた頃、あまりの気持ちよさにどっぷりハマり、周囲にヨガの良さを熱弁していたらヨガキャラとして覚えられてしまった。始めたての頃はこんな風に言われて少し小っ恥ずかしくもあった。だが今は「はい!もちろんやってます!!!」と堂々と言える。それくらいヨガが普段の生活の中でなくてはならないものになっている。 ヨガを日常生活に取り入れるようになってから早一年。 正直始める前は「あんなゆったりした動きに何の意味があるんだろう。そもそも何であん

          一年間続けてみてわかったヨガの効能

          「いい人でもいるんでしょう?」と言われるのがそろそろしんどくなってきた。

          「痩せた?」 「なんか垢抜けたね。」 「最近綺麗になったんじゃない?」 自分磨きを頑張っていたら、見た目を褒められることが増えた。コロナによって生活が制限されてから1年以上本気で自分の体や生活習慣に向き合い、長年のダイエットから解放されるくらいには変化を起こせた。これまでやってきたことは間違いではなかったと思えて、すごく嬉しかった。嬉しさに浸っていると、みんな続けてこう言う。 「いい人でもいるんでしょう?」 なんで。なんでみんなこうも口を揃えて同じことを言うのか。 実際

          「いい人でもいるんでしょう?」と言われるのがそろそろしんどくなってきた。

          山奥の神社に一人で本気のお願いをしに行ってきた。

          叶えたい夢がある。 どうしても叶えたい夢がある。 でもこの世には、自分の力だけではどうにもならないことがある。 だから私は何か叶えたい夢がある時、決まって神社へ行く。 ・神社選び短いスパンでの目標や漠然とした望みがある時は、近場の神社やアクセスの良い有名な神社へ行くことが多い。ただ本気で叶えたい望みがある時、本気で未来を変えたいと思っている時は、神社選びも本気になる。 そして物凄い効力があると有名な神社は、大抵山奥にある。 今、どうしても叶えたい夢がある。最近そのことをと

          山奥の神社に一人で本気のお願いをしに行ってきた。

          読んでいない本を読んだかのように話すことに成功してしまった。

          やってしまった。 読書好きとして、禁忌を犯してしまった。 一か八かで飛びついた目論見に成功してしまった達成感と、読書好きとしてどうにも消え去らない後悔が、胸の中で渦巻いていた。  上司からの課題図書職場にたまにやってくる上司(以下Aさん)がいる。Aさんはエリアを統括する役職に就いており、普段は近隣の営業所を転々としている。以前おすすめの本を紹介され、次に会ったときに感想を話せるようにすぐにその本を読んだ。Aさんが再び営業所に訪れた際に読後の感想や意見を伝えたところ、前回より

          読んでいない本を読んだかのように話すことに成功してしまった。

          【お礼】「今日の注目記事」に選ばれました。

          先日、自分の記事が初めて「今日の注目記事」に選ばれました。 選ばれた瞬間から今に至るまで、スキが本当に止まりません。記事を読んで頂いた方、スキをくださった方、記事をきっかけにフォローしてくださった方、その他今回の一件に関わってくださった全ての方に感謝しております。本当にありがとうございます。 まだ興奮冷めやらない状態なのですが、今回「今日の注目記事」に選ばれたことで人生初バズを経験し、思ったり考えたりしたことをまとめてみました。 ①止まらないスキ スキが止まりません。皆

          【お礼】「今日の注目記事」に選ばれました。

          今までで一番高いワンピースを買った。

          今までで一番高いワンピースを買った。 元々ワンピースを買うつもりはなかった。 想定外の買い物のはずだったのに、店を出た後私の頭と心の中は手に入れたワンピースのことでいっぱいになった。 1.憧れのお店一着ずつしか掛かっていない服たち。 一つとして同じものはないデザイン。 気軽には買えない値段。 洋服好きな友達に教えてもらったハイセンスなセレクトショップ。値段はもちろんのこと、一着一着のデザインも日常的とは言い難い。いつもその店を通りかかっては、遠くからぼんやり眺めたり、店に

          今までで一番高いワンピースを買った。

          「イケメンが来た」なんてうかうかしていられる場合ではなかった。

          イケメンが来た。 職場にイケメンの社員が転勤してきた。 「イケメンらしい」という前評判を軽々飛び越えてくるくらい、とにかくイケメンだった。 突如やってきたイケメン社員に周囲の人間、特に女はみんな色めき立った。 緊張しているのがバレバレで、思わず「デュフフ」という笑いが漏れてしまっている新人ちゃん。 ごく普通の業務にも、まるで前人未到の偉業を成し遂げたかのような賞賛を送るお局様。 キラキラした笑顔で接客への感謝の声を伝えにくる奥様方。 余裕そうに分析しているが、当の私も例

          「イケメンが来た」なんてうかうかしていられる場合ではなかった。

          憧れの街・青山に刺激を求めて行ってみた。

          毎週2日ある休日のうち、1日目は必ずどこかしらに出かけると決めている。 しかし、今週の1日目は雨が降ってしまった。 出かけるはずの1日目に出かけられない憂鬱さと雨の中出かける憂鬱さを比べるとき、いつも雨の中出かける憂鬱さが勝ってしまい、雨が降ると決まって家に引き篭もる。 いつもなら2日目は大人しく自宅周辺で過ごすのだが、今週の2日目はそうするのがもったいないくらい快晴になってしまった。 このままどこにも出かけずに今週の休みを終わらせるのは非常にもったいない。 どうせなら明日

          憧れの街・青山に刺激を求めて行ってみた。

          【短歌】私など

          私など彼にとってはただの人そう気付く時が一番辛い

          【短歌】私など

          なんで、私がインドアに!?

          休みの日といえば必ずどこかに出かけていた。 せっかく自由な時間があるのに家で過ごすなんてもったいないと思っていた。外に出ては欲しいもの、食べたいもの、見たいものを追いかける生活を送っていた。 けれど、世界の状況が一変してからはそんなことも言っていられなくなった。 もちろん今だって外に出たくて仕方ない。 でも私には仕事があって、そこで関わる人たちがいる。 なかなか帰れていない故郷で待っている家族もいる。 そして何より、少しでも罪悪感のある状態で外に出たところでちっとも楽しむこ

          なんで、私がインドアに!?

          美容院から雑誌が消えた。

          美容院から雑誌が消えた。 厳密に言えば、美容院から紙の雑誌が消えた。 最初に気付いたのは目の前に置かれたタブレットが視界に入った瞬間だった。 タブレットの画面は、雑誌のサブスクアプリのホーム画面を表示していた。 まさか、とは思ったが鏡越しに他の座席を見てみても全ての席に同じタブレットが置かれている。 美容院から雑誌が消えたという事実は、自分に想像以上の寂しさを連れてきた。 美容院にある雑誌にはいくつかのメリットがあった。 まず待ち時間の暇潰しになる。それに雑誌を買わずと

          美容院から雑誌が消えた。

          久しぶりに紙の本を買った。

          久しぶりに紙の本を買った。 ハードカバーの小説を三冊も買った。 今日は買うのをやめようと思って一度書店を出たけど、やっぱり今日読みたいと思って店に戻って買った。 久しぶりに紙の本を買ったら、とてつもない多幸感が私を襲ってきた。 1.電子書籍に切り替えたわけ小さい頃から本の虫、参加する委員会は大体図書委員会だった私は、本はもちろん紙の本で読みたいタイプの人だった。 しかし、社会人になって一人暮らしを始めると実家にいた頃には考えもしなかった紙の本で読み続けることの限界に気付かさ

          久しぶりに紙の本を買った。