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自転車で鹿児島まで行こうと思います。【3日目】

箱根越えを超えるしんどいものなんてないと思っていた。
ぼくは昨日、こんなことを言っていた。

今日はまずお詫びと訂正をしたいと思う。
昨日の旅程はしんどくなかった。
本当に、めちゃしんどいのは今日だった。
たぶん、そしてこれからもずっと。

いますぐ昨日、この上記のことを書いた自分をパンチしたい。

「おい、そんな自転車の旅はそんなに甘くないぞ。」

と耳元で囁いたあとに戒めを込めてパンチしたい。

今日のメインはパンツについてです。
パンツに興味が無い方は石垣いちごまででストップしてください。

石垣いちご

突然だが、いちごが栽培されている様子と聞いてどんな想像をするだろうか?
多くのひとはいちご狩りに行ったときのこと、つまり、ハウスの中で腰の高さに植えられているいちごが一列に並んでいるもの(以下、ハウス栽培)を思い返すのではないだろうか。

石垣いちごは違う。山の斜面に石垣を組んでいちごを栽培している。
一般的に普及しているハウス栽培と比べて、石垣を組む作業がとても大変で作業効率が悪いとされている。
石垣が太陽光を吸収し地熱の保温効果がある100年以上続く栽培方法である。(*昭和14年頃に最盛期)

昨日も紹介した川島さんはこの栽培方法でいちごを作っている。

川島さんは言う。
「石垣いちごはこの地域の特産だったが、現在は100軒の農家がやるのみ。歴史があるものだから、という理由で残すのは違うと思う。親父の代から続くものを定年過ぎてから継いでいるが、石垣いちごをこのままやり続けるのか、試行錯誤している。」

ぼくは、恥ずかながら石垣いちごの栽培方法を知らなかった。
今回、出発前に石垣いちごを見学させて貰いとても勉強になった。
さらに知りたい人はぜひ川島さんへ。笑

今日の出来事

今日の学びは「自転車の旅で辛いのは筋肉痛ではなく、股擦れ」である。

出発:10:10
0〜10km:いままで1番走りやすい国道150号線!最高!
10〜20km:元ポケマル社員からユンケルの差し入れを貰う!有り難い!
20〜30km:股擦れが悪化。
30〜40km:自転車が全く進まない。
40〜50km:ラーメンチャーハンセットを食べて回復を祈る。
50〜63km:無理だね。今日はここで泊まろう。
到着:17:10

股擦れ
それは人生においてやる気を失わせる要因TOP3に必ず入るだろう。

ご存知の方も多いと思うが、ぼくは少しふくよかである。
ふくよかであることで、幼いころから野球をするとよく股擦れになっていた。

なので、その辛さと痛さは身に染みている。

20〜30km:股擦れが悪化。
30〜40km:自転車が全く進まない。

この区間の話しを詳しくしていきたい。
まず、ぼくの自転車を漕ぐスタイルは「スパッツ直穿きとズボン」である。
スポーツをやっていた人であれば伝わると信じたいが、パンツは履いていない。

しかし、今日、股擦れが暴発した。
なんだかんだで初日、2日目と耐えていた。
3日目は無理だった。

自転車に乗った状態で精神的に追い込まれる。

漕げ!漕ぐんだ!!

心の声に反して、身体は言うことを聞かない。

そこでふと思い出した。

「あ、パンツ履いていや。」

股擦れの原理は、衣類と患部が擦れることによって起きる。

つまり、擦れる部分を滑らかにしてあげれば良いのではないかと思ったのだ。

うん、間違ってないはずである。

だから、ローソンのトイレでパンツを履いた。

パンツを履いたあと期待を大にして、漕ぎ始める。

思わず声が漏れた。










「いや、変わらないんかーーーい!!!」







こうなるともうパンツを履いたのに股擦れが改善されなかったことにしか頭が働かない。

次に目を付けたのは薬局だ。

静岡県の清水から掛川までの海沿いの道はやたら薬局が多かった。
それは誕生日の数字を発見しやすい的ななにかかもしれないが、とにかく多かった。漕げば漕ぐだけ薬局だった。

そしてついにパンツを履いたのに股擦れが改善されなかったことを認めて、薬局に入った。

薬局の定員さんに股擦れについて相談する。
本気で悩んでいるのが伝わったのか、めちゃくちゃ一生懸命考えてくれた上で1,890円の塗り薬と348円のベビーパウダーを提案してきた。

これで改善されるなら…!

と淡い期待を込めて購入した。

薬など即効性があるものなどほとんどない。
一般的にはあっても1時間後とかだ。

しかし、一刻も早く痛みから抜け出したい一心だったのでそのままトイレで塗りたくった。

塗りたくったとしても、期待は中、いや小である。

そして、漕ぎ始める。

思わず声が漏れた。










「いや、変わらないんかーーーい!!

初のキャンプ上での野宿

本来であれば浜名湖まで行く予定だった。
しかし、50kmくらい足りずに断念したのは上記の通りである。
諦めて野宿をするために地図を検索していると、近くにキャンプ場があった。しかも温泉施設も併設している。

神だ。

温泉に入り、股擦れを治し、明日に備える。
明日は愛知県に入る予定である。(股擦れ次第)


さすらいのトマト

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