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CAPTAINSHIP CHALLENGE 開催レポートvol.6 「チームワーキング」

キャプテンシップ・チャレンジ(大隈塾)は3月4日(土)、第6回のプログラム「チームワーキング」を開催しました。

ゲストは「ONE JAPAN」代表の濱松誠さん。大企業の若手・中堅社員を中心に、約50の企業が参加しているコミュニティを運営されています。

大企業内でのイノベーションの創出や組織の活性化のために、志のある人たちがつながり、行動するための取り組みをされ続けています。

この日は半年間のプログラムの最終回。

キャプテンシップで学んできたことをどうやって自分の組織に生かすのかを「チームワーキング」の観点から学びました。

講師プロフィール

濱松誠(はままつ まこと)さん ONE JAPAN共同発起人・共同代表。元パナソニック。1982年京都府生まれ。大阪外国語大学を卒業後、2006年パナソニックに入社。
2012年に本社人事へ異動、パナソニックグループの採用戦略や人材開発領域に従事。2012年、組織活性化の有志の会「One Panasonic」を立ち上げる。
2016年にはNTTグループやトヨタ、富士ゼロックスなど、大企業の同世代で同じ課題意識を持つ者たちを集め「ONE JAPAN」を設立、共同代表に就任。
現時点で50社・1200名以上の有志が参画。

タイムテーブル

13:30 開場
13:50-14:00 オープニング、チェックイン(前回の振り返り、4人1組)
14:00-15:40 濱松誠さん講義
15:40-15:50 休憩・グループ移動
15:50-16:00 受講生ダイアログ(感想共有、質問をつくる)(4人1組)
16:00-16:20 質疑応答
16:20-16:30 感想を全体でシェア、クロージング 

講義内容

実践コミュニティ

濱松さんの講義は最初に3つの問いかけから始まりました。

質問1:今日聞きたいこと、持ち帰りたいことは?
質問2:みなさんの会社のいい点と課題は何か?
質問3:課題の原因、ボトルネックとそれを解決するためにはどうすればいいか?

問いを受けて受講生のみなさんが、自分たちの組織の課題を全体に共有しました。

この日は15名が参加!
濱松さんの問いにざっくばらんに答える受講生。
最終講義ということで真剣な雰囲気もあり、濱松さんのユーモラスな語り口に笑いもあふれます。

「部署間に温度差がある」
「若手の仕事に対するモチベーションが低い」
「社員が自分の会社を好きじゃない」
「ベンチャー企業で、大企業のように合理的に組織化されていない」

など、各々の受講生の方の組織にまつわる課題をあげていただいたあと、さらに濱松さんは問いかけました。

「質問3の答えで『自分』と書いた方はいましたか?」 

組織の課題を解決するために、自分には何ができるのか。

自分たちの組織の課題を、評論家的に外から眺めるのではなく、内部に入ってみることこそが「リーダーシップ」であり「キャプテンシップ」なのだと濱松さんは語ります。

そのためにこそ、濱松さんは「コミュニティ」をつくることで組織を変えられる可能性があると考えて、実際に行動されています。

濱松さんが運営しているONE JAPANは「実践コミュニティ」という組織であり、様々な能力や感性を持った人たちが企業の垣根を超えて集まることで、新たなイノベーションの創出や、挑戦を後押しする空気を日本にもたらそうとされています。

現時点で約50の企業が参加しており、それぞれの企業の有志団体が集まって構成されています。

濱松さんがONE JAPANを立ち上げるきっかけとなったのは、新卒で入社したパナソニック時代の経験でした。

厳しい国際競争の中で、閉塞感が漂っていた当時のパナソニック。志のある若手が会議で発言できるような雰囲気もなく、縦割りの年功序列の組織のあり方に疑問を感じます。

会社に入社して上司に指示された仕事を毎日こなしていると、時々自分が何のために働いているのかわからなくなります。この会社にとって自分の存在はあってもなくてもいいんじゃないかと、思ってしまうこともあります。

かといって、何かを変えたいと思っても、大企業で若手ができることは限られています。だったら、せめて毎日もっと楽しく仕事をできる環境をつくりたい。そのために、若手同士でもっとつながりたい。部署を超えてなるべくたくさんの人と会いたい、話したいと思って立ち上げたのが、「One Panasonic」でした。

引用:ONE JAPAN『仕事はもっと楽しくできる 大企業若手50社1200人会社変革ドキュメンタリー』(2018年、プレジデント社)5ページ


当時、パナソニックがパナソニック電工、三洋電機と合併をしたのを機に立ち上げた有志の交流会「One Panasonic」。

この活動がきっかけで、部署を超えたつながりが生まれ、仕事のスピードがあがり、新たな発想も生まれるようになったのでした。

ついには社長や役員たちをも巻き込む壮大なプロジェクトへと成長し、ここでの成功体験がきっかけとなり、会社を超えた若手同士のつながり「ONE JAPAN」が立ち上がりました。

イントラパーソナル・ダイバーシティ

講義のなかで濱松さんがONE JAPANの核となる「イントラパーソナル・ダイバーシティ Interpersonal Diversity=個人内多様性」という概念を教えてくださりました。

近年は「多様性」が提唱され、組織の構成メンバーに多様なバックグラウンドを持つ人を揃えることを是とする風潮があります。

濱松さんが言う「イントラパーソナル・ダイバーシティ」は、「個人の中の多様性」であり、個々のメンバー一人一人の中の価値観やアイデアを多様にすることを大切にしています。

キャプテンシップ・チャレンジも様々な業界・業種の若手「キャプテン」が集います。
講義を受けるだけでなく「対話」をする時間こそ大事にしています。

公式の組織(自分が属する企業)と実践コミュニティとの間で知的資本を共有し合い、互いの知的資本を活かしあうこと(二重編み組織)によって、個人の中の多様性を豊かにすることができます。

大企業の強みはリソースが豊富なこと。

それぞれの会社が持つ資産をフルに生かして、社内外で志のある人たちとつながることを通じて、イントラパーソナル・ダイバーシティを持つメンバーが組織に増えることでしょう。

そのためにも「キャプテンシップ・チャレンジ」に集まる若手メンバーは、行動し続けてほしいと、濱松さんは受講生の皆さんに呼び掛けていました。

辞めるか、
染まるか、
変えるか。

濱松さんの言葉

受講生の講義レポートより

濱松誠さんの講義を受けて

これまで社内のチーム内や自身の業務に関連する方々とのコミュニーション活性化は意識しておりましたが、自身のテリトリーを超えたコミュニティを作る(アイディアをトスアップする機会に備えて社内に仲間を作っておく)という発想はあまり持ち合わせておらず、発想転換の契機になりました。

(金融・男性・20代)

知の探索の話もしていただきましたが、まさにこのキャプテンシップ・チャレンジこそが私たちにとって知の探索と感じます。 同じ思いでチャレンジできる仲間を社内に増やしていく(前向きな社員を増やしていく)ことが、人事部の私に求められることかと感じています。

(小売・女性・30代)

講義では、組織変革の手段として、規模・期間が大きい(長い)体験談に基づくものを提示いただいたが、規模を小さくすれば短い期間で自分の部署へ応用できるのではないかと感じた。

例えば、「会社を変えたいのであれば社長へメールやチャットを送ろう、社長に届かないのであればコツコツと飲み会を開いて関係性を築いてから働きかけられるようにしよう」という内容があったが、会社規模でなく組織規模であれば関係性は既に築いているため、ある程度すぐに事業部長や統括部長などのまだ関わりがない上長にも働きかけることができるのではないかと感じた。

(通信・男性・20代)

組織を動かすには、愚直に人とつながり、思いを伝えていくのが大事だと気づきました。

濱松さんは飲み会を開く、人と繋がるというのが自然とできるタイプだと感じましたが、私はそれが苦手なので、どのように応用したらよいかを考えたいと思いました。

(IT・女性・20代)

自分のためになる有給の使い方(研修に出たりたまった本を読んだり)などを通じて「意識的に」一人多様性を身につけていきたい。

(人材・女性・30代)

「自分事」を常に意識し、周りで起こることの全てを自分の行動によるものだと思うような癖づけを行いたい。

自分の横の部署の方とも触れ合い、自分を起点に新たなコミュニティを作る動きを始めたい。

自分も将来「支援職」を目指す中で、部下から真の信頼を得るための行動を今後意識しようと思う。

(金融・男性・30代)

キャプテンシップ・チャレンジを受講・修了して

一般社団法人ストーンスープ代表・村田信之。

所謂ビジネススキルではない、コミュニケーション、マインド、感性を鍛える、仲間を作るバランスやストーリー性のある研修で半年間楽しかったです!

(地域事業・女性・30代)

フィールドワークが多く、座学の学びとは違う身体知を得られること。 多種多様な仲間ができたことが、とても財産になりました。

(小売業・男性・30代)

普段は関われない人たちと繋がれること、身体を使ったワークショップもあるところ、これは他の企業研修にはない内容です!毎回飲み会があってもいいなと思いました!(笑)

(IT業界・女性・20代)

農業体験や対話的美術鑑賞はまず普通の研修では経験することがなく、そうしたアプローチも新鮮でした。

1回毎の講義のテーマと目的が非常に明確且つどのような立場であってもフィットする内容でしたので、過去参加経験のある研修等と比べても格段に講義内容の内容が強く心に残りました。

(金融・男性・20代)

第二期募集

キャプテンシップ・チャレンジとは?

  • 越境学習を繰り返しながら

  • リーダーシップとヒューマンスキルを身につける学びのコミュニティ=人が育つ場

それが「キャプテンシップ・チャレンジ」です。

「キャプテンシップ・チャレンジ」は、受講生たちの声から開設されました。

「キャプテンシップ・チャレンジ(CC)」(25〜35歳向け半年講座)の上部講座に、 「リーダーシップ・チャレンジ(LC)」(30〜40代向け一年講座)があります。

LCは2004年開講で、今年で20年目になるマネージャー層のためのリーダーシップ講座です。

その受講生たちから、 「もっと若いときにここで学んでおけばよかった」、 「部署の若いメンバーたちにも受講させたい」という要望が、何年も続きました。

そこで、マネージャーになる前のチームリーダー層のためのリーダーシップ講座「キャプテンシップ・チャレンジ」を創設しました。

詳細はパンフレットをご覧ください。

2022年度参加企業 (五十音順・敬称略)

受講企業
NTTデータ
セブン-イレブン・ジャパン
セブンドリーム・ドットコム
三井住友銀行
綿半トレーディング

個人受講者の所属企業
NTTコミュニケーションズ
Schoo
PwCコンサルティング
TASKO
日産自動車
ネットプロテクションズ
パソナ
パソナ東北創生
三井物産
三菱商事
三菱UFJ銀行



キャプテンシップ・チャレンジレポート Vol.6
2023年3月16日発行 
大隈塾事務局(一般社団法人ストーンスープ) 
田中渉悟 tana.sho.2602@gmail.com 
〒026-0002 岩手県釜石市大平町3-9-1 
TEL:050-3558-7527 
     MAIL:ookuma_school@stonesoup.tokyo


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