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音読を聴く

 カズオ・イシグロの『私を離さないで』を、先ず映画で観て、日本語のaudibleで聴きつつ日本語版の本を読み、それから、英語版のaudibleで聴きながら英語の原書を読む、ということをやってみた。読書が凄く立体的になって実に面白い。特にaudibleが良い。目で黙読すると飛ばしてしまいそうなディテールが良く聴こえてくる。そしてそれが作品に不可欠な部分だというのがよく分かる。日本では、江戸時代までは読書とは音読のことだったらしいが、声に出して読みその声を聴く、他人が読む声も聴く、というのは、独自の深い効果があったのだなと気付く。

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