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短編小説 「僕の贅沢」


ボーナスの日。その日は自分にとって特別な日だ。9時から5時までの仕事を終えて、小さなアパートに帰る道はいつもより明るく感じる。ああ、今日はボーナスだ。僕の小さな贅沢の日だ。

手に入れたボーナスで買ったものは何かと問われたら、答えは簡単だ。カップ焼きそばとアメリカンドッグだ。そして、それは今日、自分だけの贅沢な時間になる。

ドアを開けて、小さな6畳一間の部屋に足を踏み入れると、部屋は静かだ。電気をつけて、コンビニ袋からカップ焼きそばとアメリカンドッグを取り出す。

キッチンに向かい、カップ焼きそばのフタを開けてお湯を注ぐ。待つ間、アメリカンドッグをほおばる。

そう、これが僕の普通の贅沢。この一瞬が何よりも心地よく、毎日のストレスや疲れを一瞬で吹き飛ばしてくれる。

口に広がるアメリカンドッグの味、熱々のカップ焼きそばの香り、全てが自分だけの時間を演出してくれる。

だけど、僕が一番好きなのは、これらを食べ終えた後のひとときだ。ソファに腰掛けて、壁にかかった安物の時計の秒針の音を聴く。僕にとって、この瞬間が一番の贅沢だ。

何もしない時間。考えることもない、何もしなければいけないこともない。ただただ時が過ぎるのを感じるだけ。

自分だけの時間、それが最高の贅沢だ。ボーナスで買ったものはたかがカップ焼きそばとアメリカンドッグかもしれない。でも、それが僕の心を満たしてくれるのだから、これ以上何が必要だろう?

そう考えながら、僕はまた明日へと向けて、ベッドに横たわる。明日もまた、仕事に行って、帰ってくる。そしてまた、カップ焼きそばを食べる。
でも、それが僕の生活。それが僕の贅沢。これでいいんだ。

そして、またボーナスの日が来るのを楽しみにする。


ただそれだけで、僕は幸せだ。




時間を割いてくれて、ありがとうございます。

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