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日本でも家事はもっと外部化が進む

家事代行や美容などのサービス担当者を自宅に派遣するサイトを運営するインドのUrban Companyがインドの上位100の大都市や海外への事業拡大を目指しているそうで、そのための資金約280億円を調達したとのことです。

日本は経済的に豊かでありながら食器洗浄乾燥機の普及率が低い国であり(日本15.3%、オーストラリア60.1%、アメリカ69.9%、デンマーク82.7%、ユーロモニター調べ)、また食器洗浄乾燥機があっても少量なら手で洗うという人がいまだにいるちょっと不思議な国でありますが、実は韓国でも同様の現象があり(韓国の普及率は9.2%)、これは儒教の影響があるのではないかという見方があります。つまり女性が家事を「サボる」ことに不寛容な文化的背景が強く影響しているのではないかということです。

一方で、女性の社会進出やコロナ後の変化によって日本でも家事の外部化が加速されていく兆候が見られます。一つは食の外部化です。コロナ禍で外食や外出が規制され、デリバリーやテイクアウトの利用が増加していて、2040年には食事の70%が外部からの調達になる(レトルトなどの調理済み食品を含む)というレポートもあります。また、海外ではごく一般的な洗濯代行サービスも日本で始まっていて、このサービスは単身世帯よりむしろ共働きの子育て世帯で需要が伸びるのではないかと私は予想しています。

食事を作るのはお母さん、というイメージの広告で某コンビニチェーンが批判されたというようなことがありましたが、家庭内で家事が分担されると家族同士で家事の外部化が容認されやすくなるということも考えられます。ハウスクリーニングなども含めて、家事代行サービスの利用が増えることでコストが下がり、どんどん普及していくと思います。

「母さんがよなべをして手袋編んでくれた」

かつては衣料品を購入することも高価で贅沢な時代がありました。でもそれってほんの少し前の話です。コストが下がればどんどん外部化されるでしょう。

こういうことを言うと、いまだに「子どもが母親の愛情を受けずに育つ」みたいなことを言う人が現れるのですが、そこは大丈夫です。「親の子どもへの愛情保存の法則」とでも言いましょうか、向けられる先が変わるだけで、子どもに対する親の愛情の量は変わりません。むしろ、家事などの非生産的なことから解放され、家族で有意義な時間を過ごせるようになることで、より質の高い家族関係が得られるようになると信じています。




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