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強い経理のつくりかた

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強い経理があれば長寿企業になるわけではないけれど、長寿企業には必ず強い経理があります。強い経理になるために経理部員に何ができるのか、考えていきたいと思います。
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記事一覧

【経理】"作業に追われて途方に暮れそうなとき" の対処法。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 仕事をしていると、どうしても「業務量が多すぎて、完了できるか不安になる」「順調だったはずが、予期せぬトラブルが起きたために窮地に陥る」ことが起きてしまうことがあると思います。 今日は、「作業に追われて途方に暮れそうなとき、今すぐ試してみたら良いこと」について書きます。 膨大な作業量と急なトラブルで、途方に暮れそうなとき。管理部門の業務は個人の作業能力に依存する部分が多く、チームで作業している場合であったとしても、どうし

【経理】経理さんが大番頭になると経営が安定するという話。

こんにちはきくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、「企業の経理さんが会社の大番頭になると企業経営が安定するので、それは長寿企業の第一歩である」ということについて書きます。 会社の「大番頭」とは。日本語で他に適切な言葉が見つからないのでこの表現を使いますが、企業の「大番頭」は、企業経営に重要です。 大番頭とは、「社長ではないものの、社長と同じレベルでその商売のすべてを把握して取り仕切る」役割です。 例えば、ドラマ『下町ロケット』では立川談春演じる佃製作所の "殿

【雑談】顧問税理士の選び方。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、経理出身の一税理士として自分が思う "企業の顧問税理士" の選び方について書いてみたいと思います。 「税理士」に対するイメージ。顧問契約のない中小企業の経営者の方とお話しするとき「税理士です」と名乗ると、返ってくる反応は2パターンです。 ①「今の税理士に大きな不満はない。他の税理士にも特に拒絶感はない。」 ②「今の税理士に不満がある。他の税理士も信用できない。」 私自身が会社側の人間だったこともあるので良くわ

【経理】先輩・同僚がやっている "マイルール" を試してみる。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、「先輩や同僚がやっている "マイルール" は、役立つこともある」ということについて書きます。 続けていると、"マイルール" ができる。経理の方に限らないかもしれませんが、仕事をする中で "マイルール" がある方は多いと思います。 例えば、次のようなことです。 ・毎朝始業前にコーヒーを一杯飲む。 ・電話の置き場所は、常にデスクの左手。角度は75°。 ・大事な日には、家を30分早く出る。 他人にとっては些細なこと

【経理】スケジュールの立て方は "綿密" or "ざっくり" のどちらが良いか?

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 スケジュールを立てて作業を進めていても、体調を崩したり予期せぬことが起こったりして、うまく作業が進まないことも多いと思います。 今日は、「確実、かつ、迅速な仕事のためには、スケジュール管理が重要」ということについて書きます。 確実&迅速な仕事の障害になるもの。数字を扱う仕事をしていても、間違ってはいけない場面で間違ってしまったり報告が遅くなってしまったりすることは、よくあります。 ただし、たとえ間違ってしまったとして

プロフィール更新。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 noteを始めて5か月経ったので、プロフィールを更新します。 プロフィール。埼玉県出身。上智大学外国語学部卒業。 言語の発音を真似するのが好きで、小学4年生からNHKのラジオ語学講座を毎日2時間以上聞いていました。好きになった順番は、英語→フランス語→ロシア語→スペイン語→ドイツ語→イタリア語→中国語→韓国語→フィンランド語(フィンランド語のラジオ講座はなかったので、市民講座に通いました)です。 高校時代に、米原万里

【経理】"補足"と"蛇足"は、似て非なるもの。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 世の中はゴールデンウィーク中ですが、3月決算法人の経理部の方は仕事をされている方も多いかと思います。 今日は「"伝えるべき事実" と "自分の考え"は全く別のものなので、区別して伝える」ということについて書きます。 通訳するときの"補足"と"蛇足"は、似て非なるもの。先日、食事のために蕎麦店に入ったのですが、注文に時間のかかっている席がありました。 英語を話す外国からいらした方2名と、日本語を話すホスト役の2名の合計

【経理】企業の風土は、"空気" のようなもの。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、「企業の風土は人によって作られる "空気" のようなものなので、簡単に淀んだり澄んだりする」ということについて書きます。 スタッフが変わると、企業風土が変わる。この3月の所得税の確定申告期限直前に、顧客の取引先に直接確認しなければいけないことがありました。 その取引先は仙台にある介護関係の企業で、今すぐ確認するには、電話確認するしかありません。担当が分かれている会社さんだったので、話が通じそうな担当の方にたどり

【経理】自己評価は記録にもとづき、他者評価は記憶にもとづく。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 社内で正式な評価制度がある会社であれば、自分のパフォーマンスを定期的に評価してもらえますが、ひとり経理や小規模経理になりがちな中小企業では、自己評価が難しいことが多いと思います。 今日は「評価制度がない会社で自己を評価する際は "記録" をベースにし、他者からの評価を見るときは "記憶" をベースにすると、割と参考にしやすい」ということについて書きます。 自己評価のバランス感覚。今は会社の外側から経営者や経理さんを通し

【経理】経営者の思考&行動スピードは、"自分の3倍以上" と考える。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は「経営者の思考力と行動力は桁違いなので、伝える情報の正確さと、レスポンスの早さには気を付けよう」ということについて書きます。 気づいたときには、すべて終わっている。自分が中小企業の "ひとり経理" だったときですが、お昼休みにうっかり口を滑らせてしまったことがあります。 「A社の経理部長の〇〇さんと毎月打合せをするが、毎回、個人的な話を聞かれて困っている。うまく回避する方法を探している。」ということを、その当時の

【経理】"1年後のワタシ" は、ほぼ別人。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 この時期、3月決算法人の経理さんは「年1回しかやらない作業」をやることが多いと思います。 今日は「年1回しかやらない作業の手順は忘れやすいが、1年後の自分が困らないように工夫をしよう」ということについて書きます。 年1回しかやらない作業の手順は、忘れるのが当たり前。年度決算作業は12回目の月次決算ではあるものの、どうしても「年度決算のときだけやる作業」というものは出てきてしまいます。 忙しい時期の作業で、しかも、年1

【経理】中小企業の経理さんの多すぎる兼任と、内部統制の話。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 それぞれの企業によりますが、中小企業の経理さんは、経理以外の業務も担当されていることが多いと思います。優秀だからこそできてしまいますし、お話を伺うと、それを「特別な負担だと思ったことはない」という方も多いです。 今日は、「中小企業の経理さんの業務兼任を見直したら、会社の仕組みそのものが変わる」ということについて書きます。 記憶力&記録力に優れているから、重宝されてしまう。中小企業の経理さんは、記憶力・記録力に優れている

【雑談】事業承継と相続は、 "時間" と "お金" がある人が、勝つ。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、「事業承継と相続の検討・相談は、早ければ早い方が良い」ということについて書きます。 今回は、経理向けというよりは、経営者向けです。 専門分野ではないけれど。税理士にもいろいろな方がいらっしゃると思うのですが、私自身は、事業承継や相続はほとんど担当しない税理士です。お客様からご相談を受けた場合には、お話を伺った上で、グループ内の専門の税理士に連携することにしています。 最近、お客様から立て続けに事業承継・相続関

【経理】売掛金管理ツールには、こだわりたい。

こんにちは、きくちきよみと申します。 税理士です。 今日は、「売掛金管理ツールを選定するときは、めちゃくちゃこだわった方が良い」ということについて書きます。 「売掛金管理ツールを利用しなくても良い仕組みづくり」が、大前提。企業の売上代金の回収状況を把握するのに、売掛金管理ツールは必須です。自社の売上代金が早期に、かつ、確実に回収されて現金収入を得るからこそ、事業を継続できるからです。 もちろん、この「売掛金管理ツール」がなくても、全く問題ない場合があります。 例えば、