Vol.19 マッキーの「上京の歌」にハマる実家暮らし東京人大学生
タイトルにかなり悩んだ挙句変な言い回しになってしまいましたが、最近僕は槇原敬之の「上京の歌」にハマっています。
ここで言う「上京の歌」とは
「上京してきたマッキーが一人暮らしを始め、大変な思いをしながらも頑張って生活したり、時々故郷を想ったりする歌」
を指します。
ちなみに僕は生まれも育ちも東京な純東京人。大学生になってからも実家からの通学を続けています。なので歌のマッキーの心情は完全には分かりませんし、「共感する~」なんて言ったら上京してきた人にブン殴られるでしょう。
ではなぜ東京人がそんな歌にハマったか、曲を紹介しつつ語っていきます。
『ハロー!トウキョウ』
最新アルバム『宜候』の最初の曲です。僕はこのアルバムの発売が発表されるとすぐに予約購入しました。
数年前の「アノ件」以来2年越しの音楽活動。その始まりがこの曲になります。内容は上京したての若きマッキーの思い出。
大阪・高槻からはるばるやってきた若造(大先輩ですよ!)が初めてのコインランドリーや溜まった洗い物と格闘。終電を逃して2時間以上も歩く羽目になるなど都会の洗礼を浴びる日々…。
初めて降り立った街に戸惑いながらも、マッキーはこのように歌います。
このフレーズを聴いた時、高校生になったばかりのことを思い出しました。東京の一等地、右も左も分からずドキドキと不安が入り混じった感情は少なからずこの歌と一致しています。
そして大学生になり、またも環境が変わりました。新生活真っ只中、少しの心の支えとして今も聴いています。新生活が始まる人にはぜひ聴いてほしい一曲です。
『遠く遠く』
全世代に有名なこの曲もマッキーの「上京の歌」の一つです。上京からしばらく経ち、すっかり街に慣れたマッキー。そんな彼に地元の学校の同窓会の案内状が届きます。
しかし彼は「欠席に丸をつけ」ました。どんなに高いタワーからも見えない故郷・高槻のみんなに会いたい気持ちは人一番強いのに。
彼は一番のサビで「力いっぱい輝ける日をこの街で迎えたい」と歌います。「錦を飾るまで故郷には帰らない!」そのような覚悟を感じさせます。
この歌で僕が一番気に入っているのは
これは二番のサビの部分です。上京して環境も変わった、それにつれて自分も変わった。でも故郷を想う気持ち、「自分の歌で勝負したい」というあの頃の気持ちは変わらない。
変わることも大事だけれど、変わらないようにすべきものもある。自分はなぜここにいるのか、何のために今こうして生活しているのか、立ち止まって振り返るキッカケを与えてくれます。
『案山子』※さだまさしさんのカバー
紹介したいものがまだあるのですが、マイナー曲をダラダラ語るのもなんなのでこれで最後といたします。
最後に紹介するのは『案山子』。しかし先程の2曲とは大きく違います。
というのもこの曲は元々さだまさしさんのオリジナルで、しかも歌の主人公は上京した人ではなく「上京した子供を想う父親」です。色々と真反対なのです。
しかし僕はこの歌を聴いた瞬間、ビビッときました。ちょうど中2の頃、初めてマッキーの「Hungry spider」を聴いたときのような衝撃でした。
そして「なるほどなぁ」と感じたのです。何をどうなるほどと思ったのか、ここで書き表すことは難しいですが、この実家暮らし東京人に感動させるものがこの歌にはありました。
お気に入りの歌詞が色々ありすぎて選ぶのに難儀しますが、強いて推すならこれを紹介します。
この歌詞の前に、主人公の父親は雪が積もった田んぼに置き去りにされた案山子を発見します。そしてその案山子と自分の子供をリンクして心配しだします。あの案山子のように独り寂しい思いはしてないか、体を壊してないか…。
この歌のタイトルを「案山子」にしたさださんは天才だなと思いました。孤独の象徴・案山子!
都会は良くも悪くも個人主義。うまく交われる人もいれば、孤独な人もいます。憧れの地・都会はある意味では地獄なのです。だからこそ、自分の子供は辛い目にあっていないか、心配する親の気持ちが強く伝わりました。
僕も大学に入学して、色んな地方出身の人たちと交流をしてきて、その上でこれを聴いて感動しました。今よりずっと前に聴いていたらここまで感動することはなかったと思います。
僕の友達に福岡から来た人がいるのですが、会うたび「今日バイトだわ」「今日で6連勤だわw」というのですが、正直心配です。彼は別に孤独なわけではないのですが、生活のためとはいえ働き詰めな彼を見るとこの歌を思い出してしまいます。
周りの上京してきた人はみんな明るくて元気です。でもどこかに、僕には推し量れない不安や悩みを抱えているんだと思います。
僕もつらいだの忙しいだのとほざいていますが、僕の生活と比べたらあっちはどんなにつらく、大変なことか!!
自分の未熟さを改めて自覚させられます。
今僕がこのような歌にハマっているわけは、大学で地方から来た人たちと出会い、笑い話として彼らの今の生活を知ったからです。
みんな頑張っている。僕以上に頑張っている。
「よし、俺も頑張るか!」
そう自分の尻を叩くために、今日も僕は聴いています。
というわけでVol.19、おしまいです。
次回のコラムも、お楽しみに!
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