2023年全日本大学駅伝 後記

やりました!


前年度箱根駅伝出走者が7人、全日本大学駅伝出走者5人が卒業した中でも6位と何とかシード権を確保。
「今まで築いてきたものを先の未来に繋げた」という意味で3年後、5年後に繋がるとても大きい結果です。
しかも出走メンバーは1,2年生が5人、4年生は山森1人とフレッシュなメンバー構成でした。
ただしそれゆえの課題も多く、苦しい展開となった中で、スペースでの実況でも正直「赤に限りなく近い黄色信号」まで来ていたところから、最後に盛り返したのは「勝利への響き」でした。

感想を書いていきます。
(ツイートの連続だと思ってくださいすみません)

1区


初駅伝の織橋は「安易に集団の前に出ず、1つでも確実に前の位置でタスキを渡す」という「1区に徹する走り」ができていたしコメントからもそれをしなければいけないという意思を感じました、ラストスパートが持ち味の選手で1区の適性は非常に高いです。有力候補ではありますが、単独走やハーフの距離はどうか。石丸との兼ね合いも発生しそうです。

2区 


結果的に区間7位までが1km2分50秒ペース=10km28分20秒という非常にハイレベルなレースとなりました。上位3人は27分台のレベル。山森は最初東京国際のベットについて行って後半苦しくなってしまいましたが、それでも箱根駅伝では往路の柱であることは変わりません。3区の石丸が単独走に課題があることを考えると、できれば「あと20秒踏ん張って大東文化・國學院のすぐ後ろで渡して欲しかった」ですが厳しい展開なのは変わりありません。
この区間誰が入っても結果は変わらなかったと思いますし、「吉田響を入れても力が出し切れない可能性は高かった」と思います。来年も鬼門になる区間で対策に注目です。

3区


単独走が課題の石丸。8kmぐらいまで本人の中では良かったようですが、後半崩れてしまい順位を下げてしまった。
2区で流れが切れてしまい「3,4区がシード権ラインの選手が見えない中での走りになってしまった」のは榎木監督になってからの駅伝で最大の逆境・誤算だったかと思います。
1年の4月に5000m13分台を出してから榎木監督が一貫して評価している選手で(おそらく練習に強い)、来年のトラックシーズンにしっかり継続して走り、上位チームとインカレや記録会でどこまで戦えるか。
駅伝の結果からはギャップがありますが、これから第二の葛西となれるかと柱への期待は大きい選手です。

4区


9月の記録会で13分34秒をマークした小池。しかしアップダウンが多く暑いコンディションは1年生には苦しかったか、順位を落とす苦しい走りに。プロセスも順調ではなかったようで。今の駅伝では「1回流れが崩れると、本当に強い選手しか流れを引き戻せる走りはできない」です。今回の駅伝でいうと東洋なんかがそう。
泣いている姿を見るとおじちゃんは悲しくなりました。11月の記録会でしっかり28分台を出して、次の箱根駅伝ではリッキーの笑顔が見たいです。

5区


ここまでシード権(8位)と2分半ぐらいの差があって「響が区間3番ぐらいで1分、初駅伝かつコンディションも悪い中でムチーニが1分半ぐらい詰めてどうかなあ」というところでしたが、区間新かつ区間2位に40秒以上、区間8位と2分近いという圧倒的な走りでチームをシード権が見える位置まで戻してきました。
スタート前に小池に明るく声掛けする姿が嶋津と重なって見え印象的でした。創価大が合っているようで良かったです。
過去の山の神にも負けない平地走力を見せたため、箱根駅伝の5区では68分台が期待出来るのでは。
個人的には今シーズンの成績に関しては東海大が育てたものだと思っています。東海大を煽るようなコメント、発言は慎みたいところです。

6区


直前で漏れた選手もいる中で、コツコツと結果を出してきた山下蓮が起用されました。定点までは狙い通りの早稲田への並走だったでしょう。
後半思った以上に崩れてしまったのは他の1,2年生と変わらないところ。11月でもう1段上げて10000m28分台に突入して欲しい選手の1人です。
終了後のインタビューで先を見据えて明るく話している姿が印象的でした。また頑張って欲しい。

7区


1分前を走る早稲田の伊藤が実力者で実質的な差は2分半ほど前を走る東京国際・大東文化との勝負になった7区。
「シード権争いを追い上げるチームで留学生」というシチュエーションなのに全然写りませんでしたが笑、初駅伝かつコンディションも悪い中でも最後まで走り切り期待通りの走りでした。
こちらが2分55秒ペース、東京国際・大東文化が3分ペースで大体1分40秒ぐらい詰まるかなあと思っていたらそれ以上に差が詰まりました。
スタミナがある選手で箱根駅伝で突然の起用でも問題はなさそうです。箱根駅伝ではどちらが走るんだろうか。

8区


ギリギリのシード権争いでしたが、前半シーズンでインカレでハーフ3位、出雲駅伝でも6区で好走した吉田凌がボーダー付近の選手より一段上の走りを見せてシード権を確保しました。
3km付近で早稲田が離れてからは安心して見れました。ここまでの2時間ぐらいは実況をしていても本当にキツかった・・・
ロードでの安定感はチーム1となりました。箱根駅伝でも彼が入った区間は「攻め」ができる区間です。
9区で見たい選手ですが4区になりそうな雰囲気もあります。どちらにせよガンガン攻めて欲しい。


総評


MVPは吉田響。彼にしかできない仕事で駅伝の常識を超越した追い上げでした。1月2日の山登りが楽しみ。
相対的な評価だと織橋だと思うのですが、織橋の仕事は石丸でも出来ていたと思いますし、配置が逆なら結果も逆になっていそうでトータルは変わらなかったかなあと。
1,2年生の往路候補に課題を残しつつも、2年目のトラックシーズンでの集中強化で4年小暮→3年石丸→2年織橋,小池としっかりした縦軸を作ることができれば来年もう一度戦えると思います。

他チームで驚いたのは帝京大の2,3区(特に2区の山中)で、叩き上げのチームでも厚底になってからの高速レースに対応していくこと自体は可能なのかなと希望を与える結果でした。
帝京大は実は高速ハーフに力を入れており過去62分台の主力は多いチームで、ロードに力を入れたい創価大は追随できるかというところはこれからの3年ぐらいで注目です。

箱根駅伝での3位争いはまだ可能ですがハーフでの62分台、10000mでの28分台と選手の上積みが不可欠な差となったかと思います。
箱根駅伝まであと2か月ですが、これからの試合も注目していきたいところです。

最後に今回の全日本大学駅伝で常時80人近くの方がスペースで来訪され、「副音声として楽しめた」、「ドキドキした」など感想をいただきありがとうございました
来年に関しては往路・復路と行う予定なので楽しんでいただけたらと思います。

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