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SNS『見る専門』心が病む?!

フェイスブックを使うことで不安を感じやすい人には、ある傾向があるようです(写真:Fast&Slow/PIXTA)
平均で1日4時間、若者の2割は7時間も使うスマホ。しかし、スマホの便利さに私たちの生活もいつの間にか蝕まれていきます。精神科医のアンデシュ・ハンセン氏が上梓した『スマホ脳』を一部抜粋・再構成し、私たちがSNSから受けるさまざまな影響を紐解きます。
SNSから受ける影響を調べようとすると、「どちらが先か」という問題にぶつかる。つまり、ニワトリが先なのか、卵が先なのか。SNSを熱心に使う人は気分が沈みがちだとして、その原因がSNSにあるのかどうか、どうすればわかるのだろう。

悲しい気分の人たちがフェイスブックやインスタグラムに引き寄せられている可能性もあるのだ。研究者が因果律と呼ぶ問題だ。ある調査では、平均年齢約20歳の若者たちに「今どんな気分?」「今、人生にどのくらい満足している?」「前回からどのくらいフェイスブックを使った?」といった簡単な質問に答えてもらい、この因果律を解こうとした。

質問は1日に5回繰り返され、参加者はスマホを使って回答した。それにより、その瞬間の気分やここ数時間でどれくらいフェイスブックを使ったかが明らかになった。その結果は?フェイスブックを使った人ほど、人生に満足できていなかった。

珍しいバカンスや高級グルメの写真に集中砲撃されると、短時間でも人生への満足度が下がる可能性があるのだ。この結果は、立証とまでは言えなくても示唆にはなる。

論文の著者たちはこのように結論づけている。「フェイスブックは表面的には、人間のソーシャルコンタクトへの本質的な欲求を満たしてくれる貴重な場である。しかし、心の健康を増進するどころか悪化させることを調査結果が示唆している」

SNSはさまざまな方向から私たちに影響を与える
イェール大学の研究者は、5000人を超える人々の心の健康を2年にわたって調査し、同じ現象に行き当たった。ある期間にSNSに費やした時間が長かった人ほど、その後の数カ月間、人生に対する満足度が下がっていたのだ。

フェイスブックを頻繁にやっているが、それでも問題なく元気で、引きこもったり落ち込んだり、嫉妬を感じたりもしていない。そんな人をあなたはきっと何人も知っているはずだ。SNSに時間を費やすからといって、全員の精神状態が悪くなるわけではない。

いくつもの研究が、SNSのせいで心の健康が損なわれる危険性を示しているが、SNSのおかげで元気になるという結果が出た研究もある。フェイスブック上の友達が多い人は皆に支えてもらっている、人生の満足感も増したと感じている。さらには自信もついた。いったいどちらを信じればいいのだろう。

ほとんどのユーザーは社交目的でない
たいていは、尽きることのない潮流のような投稿や画像を次から次へと見ているだけなのだ。ほとんどのユーザーは、ソーシャルメディアを社交(ソーシャル)に利用するのではなく、皆が何をしているかをチェックしたり、個人ブランドを構築するためのプラットフォームとして使っている。

それ以外の場所で他の人からしっかり支えられている人は、SNSを社交生活をさらに引き立てる手段、友人や知人と連絡を保つための手段として利用している。そうした人たちの多くは、良い影響を受ける。

対して、社交生活の代わりにSNSを利用する人たちは、精神状態を悪くする。ある研究では、最初から精神状態が悪く自信もあまりなかった人は、SNSを使い過ぎることでもっと精神状態が悪くなったり、自信を失ったりする危険性があることがわかった。

そんなわけで、自己評価が低く自信がない人は、SNSのせいで精神状態が悪くなるリスクを抱えている。自分を他人と比較しがちだからだ。基本的には誰だって周りと比べて自信が持てなくなったり不安になったりはする。

人生にはそんな時期がある。そう、思春期だ。現在のティーンはSNSに取り憑かれていると言っても過言ではない。12~16歳の若者4000人を対象にしたアンケート調査では、7人に1人(14%)が1日に最低6時間をSNSに費やしていた。起きている時間の実に3分の1以上だ。

by強め女子会

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