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PDCAからDCPAへの転換 〜 『どこでも誰とでも働ける』

ここでは、リーダーシップに関する書籍を紹介しています。第2回目は、『どこでも誰とでも働ける』(尾原和啓著)です。

厳密には、前回の『アムンセンとスコット』同様、この本もリーダーシップを論じた本ではありません。しかし、リーダーとしての姿勢や考え方を学ぶ上で、とても重要な提言をされているため、今回取り上げさせていただきました。

著者の尾原和啓さんは、これまで、マッキンゼー・リクルート・Google・楽天 など、名だたる会社(12社)で要職を歴任された方です。

この本のタイトル「どこでも誰とでも働ける」には2つの意味があります。
①どんな職場でも周囲から評価される人材になるということ。
②世界中の好きな場所で、気の合う人と巡り会い働くということ。

世の中は、大きな変化の時代を迎えています。インターネットやAIの技術革新による影響によるものです。

一方、会社と個人の関係も変わっていきます。日本独特の終身雇用的な考えは崩壊しつつあります。これからの会社と個人の関係は、より対等につながりながら利益をシェアする関係に変わる、と著者は考えます。

では、どうすればこのような変化に対応して仕事をやっていけるか? この本では、45個の有益な提言がなされています。

その中で私が、リーダー的視点として重要と感じたのが、PDCAからDCPAへの転換です。

PDCAとは、Plan(プラン)・Do(実行)・Check(検証)・Action(改善)のサイクルより業務を継続的に改善する手法のことです。

しかしながら、ネット時代にふさわしいのは、とにかくどんどん先に行動をし、あとから軌道修正をはかるDCPAである、と筆者は述べます。

変化のスピードが激しい時代です。計画を綿密に立てている間に、周りの環境が変化してしまい、計画自体が時代の波から遅れてしまっては意味がありません。

世の中には、「段取り八分」という言葉がまかり通っていますが、私は段取りにとらわれ過ぎることをヨシとしません。それよりも、まず行動を起こし、問題にぶつかったら修正を図ることが大切です。それを繰り返しているうちに、問題解決能力が身につくはずです。

この問題解決能力こそが、第1回目でお伝えした「ストリート・スマート」と言えるのです。トライ&エラーの繰り返しです。失敗を恐れずに行動することが、リーダーには求められるのです。


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